50代 女性
【主訴】
4〜5年前から階段の昇降時の痛みがある。特に膝蓋骨の下に痛みが出ることが多い。
整形外科や整骨院などに通い、電気や注射など色々と治療してきたが完治には至らず。
現在も3〜4割の痛みが残っている状態。
年齢的なこともあり「多少の痛みは仕方ないのかしらね...」と半ば諦めかけていた時に、ご友人から鍼を勧められ検索していく中で当院のHPを見つけ来院されました。
【視診・触診】
視診では特に異常はなし。
触診では大腿四頭筋に顕著な圧痛がある。また、膝蓋骨の動きも悪い状態。
【治療】
今回は大腿四頭筋にできたトリガーポイントによる痛みと判断し治療開始。
①大腿直筋 ②内側広筋 ③膝蓋靭帯
1回目の治療でペインスケール10→5
3回目の治療終了時点で痛みはなく若干違和感が残っている。
4回の治療で痛みは消失。
5回目以降 『そもそも膝が痛くなったのは長年腰の状態も悪いのではないですか?』...との質問に対して昔から慢性腰痛があるとの事、現在は今後の予防鍼の意味を兼ねて腰からしたの治療メンテナンスを継続中。
〈考察〉
今回のケースでは腰部の筋肉の硬さに加え股関節周りの筋肉もかなり柔軟性が低下しており、それにより膝により負担がかかり痛みつながったと考えられます。
膝の痛みは、整形外科疾患では肩こりや腰痛に次いで多く挙げられます。
歩き始めや立ち上がる際、階段の昇り降りで痛みを感じる方が多く、中には膝の痛みが原因で寝たきりになる方も多くいます。
病院では、ある程度のご年齢になると「軟骨がすり減っていることが原因」と言われるケースが多々あります。しかしながら、軟骨には神経が通っていない為、痛みを感じません。
レントゲン検査をして膝関節の狭小化が診られてもそれが全ての原因と思い込まない方が良いのです。
一般的には、膝関節は曲げ伸ばしするだけの関節と思われがちですが、実際には膝蓋骨(膝のお皿)が上下に動くことでこの曲げ伸ばしの運動が可能となっており、さらにひねり動作も加わってくるため動きも複雑です。
受傷起点によっては、レントゲンやMRI検査で靭帯や半月板損傷の有無も確認する必要がありますが、多くの場合は検査をしてもはっきりとした原因が見つかりません。
膝の痛みが生じる原因としては、今回のように膝関節周囲の筋肉や腱、靭帯に形成されたトリガーポイントにあります。
症状改善の例では、変形性膝関節症と言われ病院では手術しかないとされたケースでも治療を続けていくごとに痛みが消失し、自力で歩行ができなかった患者様が一人で歩けるようになったケースもあります。
是非一度ご相談ください。