PFAS汚染問題 ―都議会での追及踏まえ、夏の都知事選挙の争点にー | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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1月30日、弁護士事務所の「PFAS汚染問題学習会」が開催され、日本共産党都議団の都議会での追及を踏まえ、お話をさせていただきました。

 

<報告の柱について掲載します>

PFAS学習会  ―都議会での追及を踏まえ、夏の都知事選の争点にー

                                   

はじめに

・有機フッ素化合物(PFAS)汚染問題について、「安心して飲んでいた水が発がん性物質のPFASが含まれていたなんて、とても不安」「宝の水を守りたい」と都民の不安や怒りが広がっています。「多摩地域の有機フッ素化合物を明らかにする会」は住民の血液検査や自主的な井戸などの水質調査を行うなど大きな運動に発展

・知事は「都民の健康・命を守る」と言いながら、PFAS汚染対策については、都議会の本会議で日本共産党都議団が質問しても小池都知事は何一つ答弁に立たない

・日本共産党都議団は、国会議員・地方議員と連携し、都民の健康と命を守るため、PFAS汚染の実態をつかみ、汚染源の解明を求めている

 

1, 東京の「水道」はどうなっているのか

①   東京都水道局の現状について

・多摩地域の水道水源に利用している井戸は277か所。このうち、2019年からPFAS汚染の影響で、40か所が取水停止(立川市・小平市・国分寺市・国立市・府中市・調布市・西東京市の7市)している

・水道局は、河川の水とブレンドし、蛇口で国の水質暫定目標値以下(50ng/L以下)なら、井戸でPFASが検出されても、また、それが暫定目標値を超えていても取水停止はしないという対応

・住民のみなさんからは、「井戸でPFASが検出されれば、取水停止すべきだ」と要望。都のこのような対応を変えさせることが今後の課題

・沖縄県では、活性炭について2年間調査を行い、一番効果のあるものにして現在は、定量下限値は、1リットルあたり1ナノグラム未満になっている。私は、沖縄県の担当者から直接、経過などを伺いました。「住民の不安を解消したい」という担当者の思いが伝わり、東京都とは姿勢が違うと感じた。費用は国が負担。活性炭の設置についても、沖縄県のように努力させる必要がある。

   

2, 健康影響調査について

・都がとても後ろ向きなのは、健康調査

・都独自に調査するよう求めても、国の大規模・広域の調査まかせで、都民の不安に直接寄り添う姿勢が全くない。

・国の「母子エコチル調査」には、東京・都民は含まれていない。

・水質調査で高濃度だった地域や、希望する都民が血液検査を行えるよう、責任を果たさせる必要があるが、都はまったくやる気がない。

・東京民医連は、PFASの血中濃度が測れる機器の購入を計画

 

3, 都民の世論・運動と連携した日本共産党都議団の質疑で都政を動かしている

国まかせの小池都政のもとでも、都民の世論・運動と連携した日本共産党都議団の論戦で都政を動かしてきた。

 

(1)「今年(2023年)度中に全都の水質調査を完了する」と検査計画の前倒しが実現

・都内全域の地下水の調査は、通常、4年間で都内を一巡する計画ですが、6月議会の代表質問で、汚染の実態解明のためにどう取り組むのか、厳しく質すと、「今年度中に、都内全域の調査を進めていく」と、大きく調査を前倒しする答弁を行った。汚染の実態をつかむ上で、重要な成果

・12月議会では、横田基地でのスプリンクラー破損にともないPFAS汚染水が国の暫定指針値の5万倍を超えていたことを示して質疑。環境局は「高濃度汚染のところは調査の地点を増やす」と重要な答弁。大きな成果

 

(2)5月1日から「相談窓口」設置

・日本共産党都議団の質問や都民の声に押され、福祉保健局は5月1日から専用電話で「相談窓口」を設置。最も寄せられているのは、「自分の水道水の数値はどうなっているのか」という相談とのこと

 

(3)東京都が国に「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」(5月23日)提出

・国として環境大臣・厚生労働大臣・農林水産大臣あてに申し入れ

①   PFASに対する最新の科学的知見等を踏まえ、健康影響及び環境に関す評価を明確にし、国民に分かりやすく示すこと。また、健康影響等が懸念される場合は、対策等もあわせて検討し、自治体への情報提供と必要な支援を行うこと

②「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き(令和2年6月)」について、PFOS及びPFOAが局地的に検出される状況だけでなく、広域的に検出される状況においても、対処可能な実効性のある内容に見直すこと。

③土壌のPFASについて、令和5年度の早い時期に具体的な測定方法を自治体に示せるよう検討していくとしているが、早期に測定方法を確立するとともに、評価指標の設定や地下水の濃度低減に向けた措置等も示すこと。

④PFASの農畜産物等への影響を明らかにするとともに、必要な対策を速やかに検討すること。

・国は「PFOS及びPFOAに関するQ&A集」(2023年7月)にまとめられたが、都は「役に立たない」「土壌調査についても掲載しているが、これでは実施できない」と発言(局からの聞き取りの中で)

 

(4)汚染源の可能性が高い横田基地について

・多くの人が東京のPFAS汚染の最大の汚染源であると考えるなか、都議団は東京都が、その実態を明らかにする先頭に立つよう繰り返し求めてきた。この間、大きく動いている

・3月9日の予算特別委員会では、まず、都の過去の不作為を問いただし、都は2019年、過去の燃料漏出事故の際にもうけた横田基地周辺の4本のモニタリング井戸、立川市・昭島市・武蔵村山市・福生市の井戸のうち、立川市の井戸で1リットルあたり1340ナノグラム、武蔵村山市の井戸で同じく143ナノグラムという高濃度のPFASを検出していた。2020年1月6日の朝日新聞で報道されている。ところが都は、私の質問に、これらの井戸のうち立川、武蔵村山を含む3つの井戸の検査をこの時限りでやめてしまったことを認めた。飲用では使われていないというのが理由ですが、本当にそれが理由だったのか

・横田基地の消火訓練施設から700mの位置に小学校、750mに都立高校があること、沖縄県の例も紹介して、都として土壌調査を行うよう迫りました。答弁では初めて、「国が土壌の測定方法を自治体に示せるよう検討している」という答弁があり、将来の可能性を否定しなかった。

・国の対応にも問題があった。都は2018年から2023年6月まで5回、国に横田基地のPFASについて問い合わせたが、まともな回答が得られなかった。

2023年6月29日の日本共産党の国会でのレクが決定的でした。防衛省は米軍提供の資料に基づき、2010年から2012年、横田基地で泡消火剤の漏出が3件あったことを初めて認めた。4年半も隠していた。

都は、翌6月30日の赤旗報道に基づいて国に確認。その後、7月5日に、都と横田基地周辺5市1町と連名で国に対する要請を行い、「速やかに情報提供がなされなかったことは極めて遺憾」と異例のコメントを発しました。

 

▼都民のみなさんの世論と都議団の論戦、国会議員団、区市町村議員団、そして赤旗の連携プレイが、事態を大きく前に動かしました。いよいよ、横田基地への立ち入り調査が必要です。

都議団は7月7日、8月8日と繰り返し申し入れを行い、小池知事から立ち入り調査を求めるよう、迫っている。また、環境補足協定を含め、日米地位協定は、基地への立ち入り調査の足かせになっています。

3月の定例都議会にはこの地位協定改定を求める意見書の提出を求める陳情が、東京外語大の伊勢崎賢治さんから出され、採択を主張し論戦を行いました。結果は不採択でしたが、「意見書案」も準備し、こちらも提出には至りませんでしたが、立憲民主党から賛同を得ることができた。

▼都の環境科学研究所のPFASの研究には、横田基地が汚染源であることを示唆する研究結果が複数ある。

・公営企業会計決算特別委員会の全局質疑(2023年11月15日)で、環境科学研究所が「飛行場の排水が、最後、下水道処理場を通じて多摩川に放流されている」と示している「飛行場」とは横田基地であることを質すと「否定」できなかった。

横田基地の泡消火薬剤に含まれているPFASが汚染源になっていることを明らかにした。

 

・沖縄タイムス(2023年11月3日)➡ジョン・ミッチェル氏の情報開示で明らかになったもの。横田基地のスプリンクラー破損(2023年1月25日・26日の2日間)PFAS入りの消火剤で汚染された水(760リットル)が漏れ出した。国の暫定指針値の5万4千4百倍。事故現場は民間地との境界から100メートルしか離れていない。側溝から流れた可能性はないのか、疑問が残る。しかし、米軍は「基地の外には流れていない」と説明

 

4,WHOがPFOAの分類を2ランク上げた

・世界保健機関WHOの専門組織は、代表的な有機フッ素化合物のひとつPFOAについて、分類を2段階引き上げて「発がん性がある」と変更。PFOSについては、「発がん性物質の可能性がある」に分類

🔷4つの分類 ①発がん性がある ②おそらく発がん性がある ③発がん性の可能性がある ④発がん性について分類できない

 

5,2024年度予算案にPFAS対策増額

・新年度予讃案の環境局「PFOS等対策の予算額が今年度より2億1,800万円増額

①  1,900万円(2023年度予算)➡2億3,700万円(2024年度予算案)に増額された

②   新規事業で「PFOS等含有泡消火薬剤の転換推進事業(2億円)」中小企業に3分の2・大企業に2分の1を補助

③   新規事業で「区市町村と連携したPFOS等地下水調査促進事業(1,000万円)では、区市町村の地下水調査に補助(2分の1以上を検討中)

 

 

6、夏の都知事選挙の争点に

日本共産党都議団の中に、2023年5月から「PFAS対策チーム」が作られ、現在はチームとして調査活動や代表質問づくりに取り組んでいます。7月には都議団の政策ポスター5種類を作製。その中の1つが「PFAS徹底調査を」のポスターでまちに貼りだされました。

 PFAS汚染対策について、東京都市長会の2024年度予算編成に対する「重点要望」に、はじめて盛り込まれました。日本共産党の市議団の論戦の成果であり、都議団も今後の論戦に生かしていきたいと思います。

PFAS汚染の問題は多摩地域だけでなく東京全体の問題であり、夏の都知事選挙の争点に押し上げていきたいと思います。

都民の健康と命を最優先にする都政を、みなさんと実現するため、日本共産党都議団19人、全力で頑張る決意を表明して報告とします。