都議会・各会計決算特別委員会第二分科会は10月21日、福祉保健局の質疑を行いました。
私は、①子どもの医療費について、②多摩地域のNICUについて、③産科について、④国民健康保険について、⑤保健所について質疑しました。
〈子どもの医療費について〉
多摩地域では、小中学生の医療費助成制度において、13市と1町が所得制限を設けています。一部所得制限も含めれば18市1町となります。ところが、23区は所得制限がありません。
また、ほとんどのところで、病院に行くたびに1回200円の自己負担がありますが、これも23区にはありません。同じ都民でありながら、住んでいるところによって負担のあり方が変わるという地域間格差をなくし、どこに住んでいても安心して子育てができるようにすべきだと思います。都が財政支援を増やすべきだと要望しました。
「一定の自己負担等を設けて、補助を実施している」とのことですが、地域の医師会の役員からも「子ども医療費は無料にこしたことはない」との話も聞いています。また、市長会からも子どもの医療費への支援の要望が出ています。市長会は、所得制限を撤廃し、都内に住むすべての子どもが平等に医療サービスを受けられる機会を確保することと求めています。
都内のどこに住んでいても、子どもの医療費は無料でなければならないと思います。
財政的に脆弱な多摩地域は、子どもたちの医療費の自己負担をなくしたいと思っても、実現に足を踏み出せない困難な現状があります。
私の活動地域である武蔵村山市は、「生活実態調査」を実施し、子どもたちの実態調査から見えた課題解決のために「武蔵村山市 子どもの未来応援プラン」を作成しました。「生活実態調査」では、収入が少ない困窮層ほど、健康状態が「よい」と「まあ、よい」を合わせた「良い」の割合が低いことが明らかになりました。
市内の歯科医の方から話を伺うと、「学校の歯科検診も担当しているが、子どもの貧困状況が虫歯に現れる」ということでした。そして、「歯医者に行くように話しても、歯医者に行かれない子どもが増えている」と言います。
歯の治療は結構、長くかかります。医療費が無料になれば、安心して治療ができるはずですが、お金がなくて「歯医者さんにいかれない」となると、虫歯を原因として内臓などへの支障も出てきます。
私は、「子どもたちは東京の未来をつくり「宝」です。住んでいるところで子育ての環境に格差が出ているのであれば、そこは、都の財政支援で埋めていくことが必要だと思いますので、検討をお願いします」と要望しました。
〈多摩地域のNICUについて〉
多摩地域の昨年の年間出生数は、「209年の多摩地域の年間出生数は、28,192人」であることが明らかになりました。
NICUは、出生1万人に対して30床を基本と考えるなら、多摩地域のNICUは85床必要になります。
8年前から2019年度の推移として、都内全体のNICU病床は、291床から344床に増加。うち、多摩地域は60床から69床に増加しています。
しかし、多摩地域でなかなか増えていません。2016年第4回定例会の一般質問で取り上げた時は多摩地域で72床のNICUがありました。残念ながらその時よりも3床減少していることがわかりました。
東京都は、NICUの整備目標は、東京全体で目標を決めて増やしていくという方針です。しかし、子どものいのちを守るNICUは近くになくてはならないと思います。
高齢出産も増えていてリスクも高くなっています。また、妊娠してもぎりぎりまで働かざるを得ない状況もあり、ストレスも多く、低出生体重児も増えていると言われています。
2018年3月に改定された東京都周産期医療体制整備計画によると、東京都内の低出生体重児は、2016年にも1万293人であり、35歳以上の出産が増えていることが明らかです。
私は「安心して、子どもを産める環境をつくるため、多摩地域でのNICUを増やすことは緊急の課題と位置づけていただくことを強く要望」しました。