都議会・決算特別委員会「福祉保健局」質疑②国民健康保険税は引き下げを、保健所の体制強化・増設を! | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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都議会・各会計決算特別委員会第二分科会は、10月23日に開催され「福祉保健局」の質疑が行われました。

 

〈国民健康保険について〉

東京都の国民健康保険加入者の職業構成は、「年金生活などの無職」の方が38.7%と非常に多いこと。次いで、非正規・パート・中小零細業者の家族従事者である「被用者」の方が36・9%であることがわかりました。「無職の方」と「被用者」を合わせると75.6%になります。

国保加入者の職業構成を見るだけでも、国保加入者の所得が少ないということがわかってきます。

 

 2019年度の国保会計の剰余金は206億2千6百万円で、その金額は2020年度の国保会計に繰り入れ、国などに返す分を除いて、2021年度の区市町村からの給付金全体から減算するということです。

 私は、剰余金が出るということは、東京都に区市町村が収める納付金が多かったということになると思います。都への納付金を基に区市町村の国保料(税)が決まるわけですから、できるだけ剰余金が出ないで済むようにすることで必要以上の国保料(税)の値上げを抑えられると考えます。

 多すぎた納付金は一人あたり、3,183円に上ります。保険料(税)の軽減もありますから、これが、全て住民の負担になるわけではありませんが、千円単位で保険料(税)が高かったことになります。

 

 私は、「東京都が区市町村から納めてもらう『納付金』の算出方法を検討する必要があるのではないかと思います。同時に、都独自の財政支援を行って、保険料(税)の大幅な引き下げを進めるべきです。都民の暮らしを守り、福祉の充実の立場から“払いたくても払えない”今の高い国保料(税)のあり方から“払える国保料(税)”に切り替えるための検討こそ必要だ」と指摘しました。

 

 私の住んでいる東大和市、活動地域である武蔵村山市、そして、昭島市・清瀬市・あきる野市・武蔵野市の6市が子どもの均等割り減免・軽減の制度を実施しています。最初は昭島市だけでしたが、実施する自治体が広がってきています。

 

厚労省の資料によると、「一人当たり平均所得」は大企業の労働者とその家族が加入する「組合けんぽ」は200万円、中小企業の労働者とその家族が加入する「協会けんぽ」は137万円、そして、「国民健康保険」は83万円となっています。国保の加入者の所得は「協会けんぽ」の6割、「組合けんぽ」の4割程度しかありません。

一方、一人当たりの平均保険料(税)は「組合けんぽ」は10万6千円、「協会けんぽ」は10万5千円、国保は8万3千円。国保料(税)は1.2倍も高くなっています。

そして、家族の人数が多くなると、差はさらに大きくなります。給与年収400万円の4人世帯の場合、「協会けんぽ」なら、保険料は約20万円ですが、国保の場合、地域によっては40万円を超え、2倍以上になります。

「国保が高くて払えない」の声の根拠が、国保の仕組みに、家族の人数に対して「均等割り」があるからだということがハッキリしました。

 

 私は「国保の保険者として全都で、子どもの均等割りが減免・軽減できるよう財政支援を行うよう」要望しました。

 

 新型コロナ感性症がいつ収束するのか、いまだに見通しが立ちません。しかも、新型コロナの影響で中小業者の中には廃業を余儀なくされた事業者もいます。また、職を失った人も多数、出ていると報道されています。今後、ますます深刻になると予想されています。

 そうなると、無職の方が増えることになり、ますます「払いたくても払えない」人が増えてしまいます。

 私は「コロナ禍で、国保の緊急減免は3月までということですが、国に延長を求めるとともに、保険者である都が緊急減免への財政支援を行うべきだ」と要望しました。

 

〈保健所について〉

 多摩地域に都の保健所は5か所ありますが、保健所ごとの感染症医師(公衆衛生医師)の人数、保健師の人数は「職員定数のうち、医師15人、保健師123人。2019年12月1日時点の現員は、医師15人、保健師129人」であることがわかりました。それぞれの保健所の状況を詳しく見ると、西多摩保健所、南多摩保健所では、定数3人に対し不足がそれぞれ1人です。しかも、2017年度までは、定数は20人あったのに、15人に減らされたのです。

 今の職員体制では、新しい感染症に十分対応できないということが、新型コロナウイルスへの対応を通じて改めてはっきりしました。医師・保健師をはじめとした職員を抜本的に増員し体制の強化が必要です。

 

2009年の新型インフルエンザの経験から、ブロックごとに「新型インフルエンザ等感染症医療体制ブロック協議会」を設置し、普及啓発や新型インフルエンザ等発生時対応訓練等も実施しているとのことです。ブロック協議会の開催、訓練などは年に1回程度ということもお聞きしましたが、今回の新型コロナ感染症は、日本でも世界でもこれまで経験したことがない感染症です。

 今回の、コロナ感染症への対応がどうだったのか、今後の改善点なども検証する必要があると要望しました。

 

 都は2009年の教訓に、保健所の体制強化がありませんでした。厚生労働省が設置した新型インフルエンザ対策総括会議が10年前に出した報告書は、結びの部分で「新型インフルエンザ発生時の危機管理対策は、発生後に対応すれば良いものではなく、発生前の段階から準備、とりわけ、新型インフルエンザを含む感染症対策にかかわる人員体制や予算の充実なくして、抜本的な改善は実現不可能である。この点は、以前から重ね重ね指摘されている事項であり、今回こそ、発生前の段階からの体制強化の実現を強く要望し、総括に代えたい」と、協調しています。

 この教訓がきちんと生かされていれば、保健所が今回ほど、ひっ迫することはありませんでした。

 

そのうえでも、多摩地域の保健所は、以前は17か所あったのに、二次医療圏に1か所にすると言って統廃合が繰り返され、いまは7か所になっています。

「二次医療圏に1か所の保健所」の根拠について質問しても都は、国の「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」によるものだということですが、新型コロナ感染症の対策の中で、地域の公衆衛生が脆弱化していることが明らかになりました。

 国が言っているからではなく、地域に責任を持つ自治体として、必要な配置をするべきです。

私は、「保健所の職員・保健師さん、お医者さんは休みも返上して取り組んでいただいていることに感謝しています。元保健師さんや職員の方も応援体制を組んだことは承知していますが、応援体制を組んでも対応できることは限られているということも伺いました。感染症のお医者さんが少ないことも伺いました。感染症医師の育成も含めて保健所の体制強化と多摩地域の保健所を増やすことが必要だと思います」と要望しました。