都議会・決算特別委員委員会「生活文化局質疑」女性の人権が認められない所得税法56条は撤廃を! | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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都議会・各会計決算特別委員会第二分科会は10月21日に開かれ、生活文化局の質疑を行いました。

 

私は、①私立専修学校や日本語学校への支援について、②男女平等参画事業について質疑しました。

 

〈私立専修学校、〉

私は、都内の私立専修学校各種学校は、全国各地・世界各国から入学者を受け入れ、都内私立学校生の29%(17万3千人)に達しているということ。卒業生の73.9%が都内に就職していて、東京の経済・文化・福祉などの活動を支える重要な人材を育てているということを知りました。

 

都は、2019年度の「私立専修学校職業実践専門学校家庭推進補助」の生徒一人あたりの単価は、4千円」であり、都は、運営費補助について国に要望しているということがわかりました。

 私は、「2018年度(平成30年度)から「職業実践専門課程」への補助が実現したことは重要です。他の自治体と一概に比較できないということですが、やはり、他県の支援状況も参考に改善すべきところは検討する必要があると思います。実践課程校は都内専門学校の39%(141校)と聞いています。更なる金額の拡充と国がやらないのであれば、神奈川県などのように運営費補助を支援メニューに加える必要がある」と要望しました。

 

また、各種学校日本語学校・在籍留学生への支援について、公益社団法人東京都専修学校各種学校協会が行った「学生生活の現状に関するアンケート」では、コロナ禍は学生の生活と学業に大きな影響がでていることを明らかにしていることを示し、学生の95%が「影響を大いに感じる」「少し感じる」と回答しており、コロナの影響は甚大です。同時に将来への「不安」も寄せられています。「アンケート」では、学生の多くが「アルバイトが出来ず生活が不安」など経済的に事情から学業を断念せざるを得ない事態が見えてくることを紹介しましました。 「必要に感じる支援」は何か?の問いに一番多かったのは「学費の免除」、次いで「生活費の援助」だったことの結果から各種学校である日本語学校に在籍する学生は、新型コロナ感染症の拡大の中、アルバイトができない状況や仕事場所がなくなり暮らしが大変になっています。困窮している留学生に対し学びを継続できるように、都の直接支援が必要だと要望しました。

 

〈男女平等参画施策について〉

 都は、「東京都男女平等参画基本条例」に基づき、「男女平等参画のための東京と行動計画」を作成し、総合的、計画的に男女平等参画施策の推進に取り組んでいるということですが、世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ指数2020」(2019年12月)では、153か国のなかで日本は121位です。都はどのように受け止めているのか質すと、昨年12月に発表された「未来の東京」戦略ビジョンでは、ジェンダーギャップ指数において、日本は153か国中121位であり、女性が活躍できる社会環境の整備が道半ばであると答弁しました。

 

世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ指数2020」は、男女格差を示す指標です。「ゼロ」は完全不平等、「1」が完全平等を示します。日本は全体で0.652でした。分野別にみると、経済は0.598で世界の115位、政治は0.049で世界の144位、教育は0.983で世界の91位、健康は0.979で世界の40位です。特に、経済と政治の分野は大変深刻な事態だと思います。日本の女性が働きにくい環境であり、給料や待遇の面で問題が山積していることもはっきりしていると指摘しました。

 

私は、都議になる前、中小業者の営業と暮らしを守る運動に携わっていました。中小零細業者は家族の働き分が認められていないため、下請け単価が安く、女性の地位も認められない状況で、女性の地位向上の運動にも取り組んできました。

 定期的に中小業者の実態調査とあわせ商売を支えている業者婦人の実態調査にもとりくみ、国や東京都にも支援と改善を求めてきました。

2016年に国連の女性差別撤廃委員会が、「女性の経済的自立を事実上妨げている」と指摘し、日本政府に所得税法の見直しを勧告しました。東京都は、この勧告をどう受け止めているのか質問しました。

 都は、「政府は、所得税法56条は、性別を問わず適用されおり、女性の経済的自立を損なうものではない」とのことですが、事業主の配偶者や娘など家族従事者のほとんどが、女性であり、営業上や社会保障上、不利益を受け、人間らしく生きる権利を阻害されているのです。

 国連の女性差別撤廃委員会が日本政府に見直しを勧告した背景には、日本の女性団体が連帯し国連に対し「中小零細業者が家族従業者・業者婦人の働き分を必要経費として認められていない所得税法56条は、家族従業員の人権・人格、労働を正当に評価していないものであり、女性の活躍を阻害するもの」と働きかけてきました。その結果として、2016年、国連の女性差別撤廃委員会が、日本政府に「女性の経済的自立を事実上妨げている」と指摘し、しかも、具体的に日本政府に所得税法の見直しを勧告した画期的なものです。

 本来であれば、国は、この勧告を正面から受け止め所得税法の見直しを検討すべきです。私は、日本政府だけの問題ではなく、全ての自治体にかかわる重要な問題だと思います。

 日本の憲法には13条で「個人の尊厳」、23条には「職業選択の自由」、29条には「財産権の保障」が明記されています。しかし、日本の税制は憲法ができた後も、戦前の「家」制度に基づく内容のものになっています。家族が働いた分が商売の所得として家単位でみていく。白色申告が確定申告の原則ですが、家族の働き分を給料として経費に計上することが認められていません。認められているのは年間86万円の専従者控除のみです。時間に換算すると1時間、わずか350円程度で東京の最低賃金である1、013円の34%にしかなりません。

 

私は、東京都は、中小業者の業者婦人の実態を把握する必要があると思います。

生活文化局として、人権が認められていない「所得税法56条」を廃止すべきと思いますが、都はどう認識していますかと質すと、都は国は、第4次男女共同参画基本計画で、「商工業等の自営業における家族従業員の実態を踏まえ、女性が家族従業者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制等の各種制度のあり方を検討する」としている。都として、こうした国の動向を注視していくと答弁しました。

 

私は、 中小零細業者の問題だということではなく、女性の人権が認められていない国の制度、税法があるわけですから、生活文化局として動くことが必要だと指摘。

 所得税法第56条は、繰り返しになりますが、配偶者や子どもなど家族従業者がどんなに長時間働いても、その働き分(給料)を税法上経費と認めず、事業主の所得に合算するというものです。一人の人間として人格を認めない、差別的な法規です。

 国は、コロナ感染症に限って国民健康保険に傷病手当をつくり、中小業者の家族従業者も対象になりました。これは、すごい前進です。しかし、給料の額が傷病手当の計算のもとになります。これでは、先ほど数字も示しましたが、白白申告している家族従業者は1時間約350円が対象となる給料と考えられてしまうのです。朝から晩まで必死に働いていてもです。こんなおかしいことは変えなければならないのではないでしょうか。

 すべての女性がいきいきと働ける、いきいきと暮らすために生活文化局の役割を発揮し、国に女性の人権が認められていない「所得税法56条は廃止」するよう働きかけることを強く求めました。