都議会・本会議、日本共産党白石都議の一般質問「若い世代の働き方」 | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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今日は、都議会本会議の一般質問でした。

日本共産党からは品川区選出の白石たみお都議が質問に立ちました。


若い世代の働き方の問題について

若い世代の働き方の問題について質問します。

私は、高校を中退し、すし職人の見習いとなりました。その後、アルバイト、日雇い派遣など、非正規雇用を経験してきました。大手運送会社の倉庫内作業での日雇い派遣では、名前も呼ばれず、モノ扱いされ、自分自身の存在価値を見失う思いをしました。こうした経験を通して、今の非正規で働く若者の気持ちを痛感しています。こうした若者をつくりだす社会を何とか変えたい、その思いで、「ネットカフェ難民調査」、労働相談などに取り組んできました。

今日は、若者が希望をもって働ける東京にするため、私が出会ってきた、仕事をめぐる問題で苦しむ声なき声、若者の思いを取り上げて質問します。

非正規から抜けだせない若者の実態は深刻です。


地方から上京して13年となる38歳の男性は、大手求人情報誌を通じて、携帯WEBサイト開発会社に契約社員として就職しました。面接では「頑張り次第で正社員になれる」と言われ、希望を抱き働き始めました。しかし、日を追うごとに重いノルマがのしかかり、成績が悪い時には社長から「仕事をなめているのか」とパワハラを受け、身も心も凍える日々を送り続けました。一日12時間働いても、給料はどんどん減額され、月10万円にも満たず生活は崩壊寸前で、退職に追いこまれました。

その後は、派遣労働をくりかえしながら、正社員になろうとハローワークに通いつづけています。しかし、何十社と面接を受けても採用されません。不採用でも連絡はほとんどなく、理由も告げられないので、正社員になる手がかりも見えず、心も体もすり減らしたといいます。


このような働かされ方に追いこまれるのは、個人の責任、一部の気の毒な人だという問題ではありません。

知事は、第4回定例会の所信表明で、「働く人の3人に1人が非正規という状況は尋常ではない」「国も巻き込んで、非正規の方々の正社員への転換を強力に推し進めていく」という考えを示しました。

この男性は「知事の発言には励まされる。自分みたいな人を広げないでほしい」と切実に訴えています。


Q1.非正規から正社員への転換を進める予算をつけたことは重要ですが、同時に一人ひとりのおかれた現状や背景を十分に把握し、それを踏まえた親身で継続的な支援がどうしても必要だと思いますが、いかがですか。

また、そのためにも非正規雇用の実態を把握する調査を進めることが必要だと考えますが、都の認識および対応を伺います。


Q2.とりわけ、不本意な非正規雇用にならざるを得ないきっかけとなっている高校中退、未就職状態での卒業などの問題に対応した、就労支援施策をすすめる必要があります。区市町村からの要望にもなっています。知事は、施政方針演説で「高校中退の問題などは、雇用の問題にも繋がる大きな課題だと思っております。知事と教育委員会が、さらに力を合わせ、子供の可能性を伸ばし、引き出してまいります」といいましたが、具体的に、これらの課題をどのように解決していこうとしているのですか。


さらに知事が目を向けるべきは、正規の職場であっても、「ブラック企業」「若者の使い捨て」という言葉に代表されるような実態になっていることです。

IT関係で働いていた20代男性は、朝9時30分に出勤して、帰りは午前2時、3時まで働くことが日常的となっていました。職場には、残業するのが当たり前という雰囲気がただよい、いくら残業しても残業代が出ず、社長からは「仕事が遅いからだ」と長時間労働が強要されました。休日出勤も日常的に行われ、心身を患い、退職にまで追い込まれました。この男性は、過密労働は「仕方ないもの」と思っていましたが、友人と仕事について話すなかで、初めて、そのひどさに気付き涙がとまらなくなりました。この男性は今でも、医者から働くことを止められ、既に6年が経過しています。

このように、正社員だったとしても過重労働により使い捨てとなるケースがあいついでいるのです。それにもかかわらず、安倍政権が、派遣法の改悪、「残業代ゼロ」制度など、雇用ルールの破壊をすすめるということはとうてい許されません。

このような動きにブレーキをかけなければ、若者が安定した仕事につき、能力を発揮する機会は失われ、少子化にますます拍車がかかり、社会保障の基盤がくずれ、社会の持続的発展はありえません。


知事は、2月、「国と都が協力して雇用対策をすすめ、みんなが安定して雇用を確保し、能力を十分発揮して、安心して家庭生活、子育てができるような世界一の都市を目指す」と述べています。ならば、大企業の本社が集中する首都の知事として、財界・大企業、政府に、今こそストップをかけるべく、行動をすべきです。

「ブラック企業」を減らしていくうえで重要なのが、「働きがいのある人間らしい仕事」つまり、ディーセントワークがあたりまえの社会の実現です。

これは、世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的とする国際労働機関・ILOが二十一世紀の目標として提唱しているものです。

「働きがいのある人間らしい仕事」とは、まず仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保障、社会対話が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の家族を含めて生活が安定する、すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。

日本でも、すでに労働組合で運動がはじまりました。政府は二〇一二年にディーセントワークの実現を閣議決定しています。

私は、こうした動きを、より前にすすめる必要があると考えます。

Q3.知事は、厚生労働大臣時代に、ILO90周年シンポジウムで、ディーセントワークの実現は「わが国にとって大きな課題であると受け止めている」「ILOのディーセントワークの実現に向けた活動に協力を惜しまない」とメッセージを送っています。知事は「ディーセントワーク」について、どう認識していますか。

また知事は、施政方針演説で政策をインクに例え「透明な水の上にインクをたらすと、それが水面に大きく広がっていく。その最初の一滴が東京の政策」と述べ、東京が真っ先に課題に取り組むことで地方を牽引していく決意を表明しました。であるならば、働くルールの確立や住宅の確保など、安定した生活の実現をめざす「ディーセントワーク東京推進宣言」をおこなうことが重要と思いますが、いかがですか。


Q4. 知事は、労働分野の様々な課題への対策をさらに進めるため、国と連携して「より実効性の高い取り組みにつなげていきたい」と述べています。若者の「使い捨て」が疑われる大企業に、人間らしい雇用環境を確保させるため、企業名の公表をはじめ様々な具体策を国とともに取り組むよう求めますが、いかがですか。


東京都の労働相談活動、働く権利の普及啓発活動を、大幅に拡充することも必要です。

日本労働組合総連合会の若者への調査によると、働いていて困った時に労働局などの相談窓口に相談したのは、わずか1%でした。労働相談窓口が地方自治体にあることを知っているのは、2割を切っています。働く上での権利・義務について「学校教育でもっと学びたかった」「理解すれば、今より安心して働ける」と7割の若者が回答しています。


Q5.働く権利について普及啓発、相談窓口の重要性について、どう認識し、どのように充実を図るつもりですか。


Q6.JRや東京メトロの車内CMなどで、都は、生活習慣病予防や消防団員募集などの政策広告をおこなっています。同じように、こうした手段を利用して、労働相談窓口の所在地や、連絡先などの情報を、都が積極的に発信していけば、若者に自分たちの悩みを届けることのできる場所があるというメッセージとなり、相談を増やすことにつながります。いかがですか。


Q7.都が発行しているリーフレットは、派遣で働く若者にもわかりやすく労働者の権利を伝えています。これが、コンビニでも無料で配布されていることは重要ですが、都内のわずか二〇〇店舗程度にしか置いていません。コンビニは、若い世代が多数利用するので、置いている店舗数を抜本的に増やすことが大切です。

また、東京メトロなどの駅の改札や通路には、アルバイト情報誌をはじめとした無料の情報誌がおいてあるコーナーがあります。ここに、都のリーフレットなどもおけば、アルバイト情報などをつかもうとする若者の目にふれやすく、ブラックバイトなどにまきこまれないための手助けとなります。それぞれ答弁を求めます。


若者の働き方の問題について質問をしてきましたが、この問題の最後に、
Q8. 東京の働く若者の雇用実態をもとにした支援施策を、これから策定する「子ども・若者計画」に盛り込むよう提案します。いかがですか。