都議会本会議で日本共産党「代表質問」② | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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経済政策について  次に経済政策についてです。

Q15 この間の歴代政権は、大企業や富裕層がもうかれば、国民・都民の生活が豊かになり中小企業も元気になるというトリクルダウンの立場から、法人税減税や大型開発など大企業優遇の経済政策を進める一方、消費税増税や雇用の非正規化などによって暮らしと営業を圧迫してきました。この結果、雇用が破壊され、格差と貧困が広がりました。しかも今、トリクルダウンの立場に固執するアベノミクスのもとで、さらなる大企業への優遇政策が進められようとしているのです。


OECDは昨年12月の報告書で、格差を拡大させる政策では貧しい経済環境の子どもの教育機会や技能開発が阻害され、経済成長が遅れると指摘し、中間層や低所得階層に質の高い教育や訓練、保健医療など公共サービスを拡大させる転換が必要と指摘しています。また来日したトマ・ピケティ氏も、トリクルダウンの主張に対し「過去を見てもそうならなかったし、未来でもうまくいく保証はない」と発言しています。
知事はこうした指摘をどう受け止めていますか。

Q16 いまこそ東京から経済政策のあり方を転換させていくことが求められています。この立場から指摘しなければならないのは、知事が、国家戦略特区も活用して国際金融センターをつくり、参入する金融機関や投資家に税の減免など様ざまな優遇措置をとろうとしていることです。

しかし、いまの日本の金融状況はどうでしょうか。日銀が金融機関への巨額の資金提供を続けていますが、企業への貸し出しは進みません。実体経済が落ち込み、投資先がないのです。

内外の金融機関などの最大の狙いは、1600兆円と言われる国民の預貯金を、株式などにつぎ込ませることです。これによって一時的に株価が上がるかもしれませんが、バブルと格差拡大を深刻化させることにつながります。しかもリスクの高い商品による都民の被害が広がり、バブルがはじければ深刻な経済危機におちいる危険が高いのです。

いま都が力を注ぐべきは、投機マネーの呼び込みではありません。何よりも雇用や中小企業対策を抜本的に強化するなど、内需拡大で実体経済を立て直すことではありませんか。知事、お答え下さい。

雇用対策について

私はこの立場から、まず雇用対策について質問します。

Q17 政府はこれまで2度も廃案になった労働法の改悪を提案し、事実上、派遣労働を半永久化することや、一定賃金以上の労働者にはどれだけ残業させても残業代を払わなくてもよいとする「残業代ゼロ」制度を導入しようとしています。いまでも「過労死ライン」すら超える異常な長時間労働が広がっているのです。このような法律が制定されたら、誰もが安定した正規雇用がめざせるようにするという、都の施策はとうてい前進させることができなくなります。


知事は、厚生労働大臣だった時に、夫を過労死で亡くした女性の涙の訴えに対し、「働く人の権利を守っていかないといけない」と表明しました。こうした経験に立って、今回の労働法見直し案をどうとらえていますか。労働法制改悪の中止を国に強く求めるべきではありませんか。

Q18 知事が非正規の正規化の目標を打ち出し、国との連携による新たな施策として、社内で非正規社員の正規化を図る企業を支援することや、非正規の若者を正規採用する企業を支援する事業を進めることは重要です。今月には厚労大臣と雇用対策協定を結び、東京労働局との運営協議会も始まりました。

ここで取り上げるべき課題として、非正規の正規化とともに、最低賃金の引き上げは貧困と格差を打開するための決め手の一つです。


東京労働局との協議で、最低賃金水準について国の審議会でも確認されている時間給千円を直ちに実現するよう求め、全国の最低賃金引上げを大いに牽引する役割を果たす必要があります。また中小企業が最低賃金引き上げに対応できるよう国に働きかけ、都も協力して中小企業への支援策の検討に踏み出すよう求めます。認識と対応を伺います。

Q19 舛添知事が、東京で非正規雇用の正規雇用化を本格的に進めるというのであれば、「まず隗より始めよ」のたとえのとおり、東京都職員における非正規雇用の正規化を率先して行うことで民間企業の模範となるべきです。


東京都では、知事部局の非常勤職員および臨時職員が、2013年には8696人で正規職員の36%です。知事部局以外や外郭団体、さらに委託先まで含めると、非正規職員は膨大な人数になります。都の公務職場の非正規労働の実態を把握することが重要と考えますが、いかがですか。

正規雇用化は、都の公務職場で先進的に取り組まれるべきであり、可能な部署から非正規の職を正規職化していくことが大切であると思いますが、見解を伺います。

Q20 失業者や非正規雇用が急増したお隣の韓国では、非正規雇用の正規化を公約して当選したソウル市長が、民間委託や外注化が広がり低賃金が蔓延していたソウル市の公務職場の改革に乗り出し、まず直接雇用の非正規職員千三百人以上を正規化し、さらに劣悪な地下鉄の外注清掃員など三千人以上を正規の直接雇用に転換しました。直接の人件費は一六%増加したものの、外注業者への利益を含む委託費分が三九%下がったため、年間経費を五億円程度削減したとのことです。同時に、公務職となった清掃労働者の意欲が高まり、市役所の庁舎や地下鉄構内は、見違えるほどきれいになったと市民にも大好評です。次は、外部委託の適正化を軸に福祉施設やコールセンターなどを直接雇用に転換する計画です。韓国の他都市にもこの取り組みが広がりつつあります。


知事は、直接訪問もされ、お会いになったパク市長のこの決断と実行をどう評価されますか。

中小企業対策について

続いて中小企業対策です。
Q21 都内各地で中小企業者などから「消費税増税と円安の影響で材料費が上がり商売は大変」「昨年と同じ売上があっても利益が出ない」と悲鳴が上がっています。

中小企業家同友会の景気状況調査では、消費税増税後の2014年4月~12月まで連続してマイナスで、2015年1月~3月期もマイナス予想です。そのうえ、円安と消費税増税で仕入単価があがっているという企業が大幅に増え、売上が伸びても採算がとれない企業が増加しており、物価上昇分を6割の企業が価格転嫁できないという深刻な事態だとしています。結論的に、消費税増税による不況と、円安による原材料の値上がり、人材不足の「三重苦」で「アベノミクス不況のさなか」と宣言しました。中小企業のこうした現状について、知事の認識を伺います。

Q22 年度末を迎えるなか、円安の影響、原材料高騰、消費税増税などで経営難に直面し運転資金なども借りられない、返せないと資金繰りに苦しんでいる中小企業に緊急の支援を行うことが必要です。

現行の融資制度については、利率の引き下げ・利子補給、保証料補助の上積み、据え置き期間の延長、借り換え融資の拡充など、関係機関と協力して緊急対応措置を行うこと、都として緊急相談窓口を開設するとともに、都、中小企業振興公社、東京信用保証協会、金融機関と連携して、中小企業が経営改善に取り組めるよう支援を強めることを求めますが、いかがですか。


Q23 小規模企業振興基本法の成立に基づき、国は、まだ端緒とはいえ小規模企業が事業を続けることができるよう支援を強めています。都も来年度予算案で、小規模企業対策を前進させています。深刻な現状からいえば、さらなる支援策の拡充が求められます。

たとえば、高崎市で始まった商店リフォーム事業は、小規模事業者にとって新しい客層を呼び込むきっかけになり販路拡大につながると好評で、国も昨年度から始めました。「中小企業・小規模企業への直接支援に踏みだす時期にきている」との要望も、区の担当者から聞いています。

国の商店リフォーム事業、省エネ機器導入支援策などに、都が呼応して支援すること、小規模企業の事業の継承や再生のための直接支援を拡充するよう提案するものです。いかがですか。


Q24 都は、来年度から大企業の埋もれた特許の活用、医工連携などで中小企業の仕事づくりを促進します。これらの取り組みには、中小企業の自社製品に結びつけられるよう協力できる専門家が重要です。こうした専門家を都として確保し、区市町村とも連携して推進する体制をとるよう求めます。お答え下さい。


Q25 ロンドンオリンピックでは、経済分野のレガシーとして中小企業の受注促進を位置づけ、中小企業への契約案件などの情報が特別に重視されました。その結果、契約件数の75%を中小企業が受注しています。

知事は施政方針で、「発注情報などを一元的にインターネットで提供し、受注機会の拡大を図る」と言いました。東京でもこうしたロンドンの取り組みを参考に、オリンピック・パラリンピック関係事業に都内の中小企業が参入し、受注できるよう組織委員会に申し入れるなど特別の手立てを検討すべきですが、いかがですか。


Q26 都市農業、農地は、新鮮で安心・安全な農産物の生産、災害時の一時的な避難場所、緑のある都市環境づくりなど、多面的機能、社会的役割をもっており、その評価が高まっています。しかし、この10年間で農地面積は990ha減り、農業生産額は29億円減少しています。

これ以上、農地を減らさないため現行の生産緑地制度や相続税制度など制度面の課題を解決することが求められます。都は国への要望で生産緑地面積要件の引き下げ、農業用施設用地や屋敷林などへの納税猶予制度の拡大などを求めてきました。国の制度が確立しないなかでも、都独自にできる市街化区域農地などへの固定資産税の軽減を実施するともに、市町村には軽減への財政支援を行うことを求めます。いかがですか。


多摩格差について

多摩格差について伺います。
舛添知事は「多摩の発展なくして東京の発展なし」と述べて、この間、多摩地域の施設を訪れました。

Q27 多摩地域は自然が身近にあるととともに、区部より工業製品出荷率が高いなどの誇れる工業や技術力もあります。一方で、少子高齢化に対応する福祉、医療対策、高度経済成長期に集中的に整備された都市インフラ等の更新など、行政に求められるニーズはますます多様化し、行政運営に苦慮していると、市長会から要望が出されています。公共サービスにおける区部との差もあります。

医療についていえば、ひとつは子どもの医療費助成です。東京では義務教育終了まで広がりましたが、区部ではすべての自治体で所得制限も自己負担もありません。ところが多摩地域では、所得制限がある自治体が20市、初診料負担は24市あります。負担の発生する所得層の家庭からは、具合悪くても病院に行かない、兄弟の多い家庭では薬を分けあって飲ませているなどの声がよせられています。同じ東京に住んでいて、区部の子どもと、多摩の子どもで医療費負担に差があってよいのでしょうか。

また、人口千人あたりの医師数は、23区の3・7人に対し、多摩地域は2・0人と区部の54%にすぎず、医療環境に格差があります。いかがですか。


Q28 知事は、公共サービスにおける区部と多摩の格差について、どう認識していますか。都は格差解消に率先して取り組む必要があると考えますが、お答え下さい。


防災対策について

次に、防災対策です。
Q29 直面する首都直下地震対策について、わが党はかねてから、中央防災会議最終報告による「建物の被害は、死者発生の主要因であり、被害拡大の要因であること」から、「あらゆる対策の大前提として、建築物の耐震化の取組を推進する必要がある」との指摘を正面から受け止めて、住宅の耐震化への支援を大幅に拡充するよう求めてきました。  今年は、阪神淡路大震災から20年目の年、舛添知事も風化させてはならないと強調していますが、その教訓もまさにここにあります。

阪神淡路大震災による死者・行方不明者は、その後なくなった方を含めれば6434人におよびました。死者の89%が圧死、10%が焼死と報告されていますが、死者が出たのは、1981年以前に建てられた木造住宅で98%、新耐震基準の住宅での死者は全体の2%でした。神戸大学名誉教授の早川和男氏は、「震災直後、長田区の住宅倒壊・焼失地域を歩いて気がついた。年数を経た木造家屋でも近年手入れしたものは倒れていない」と報告しています。こうした事実からも、当時、全ての住宅が耐震化されていたら、多ければ8割の方は救えたと指摘されています。まさに、阪神淡路大地震の痛苦の教訓は、木造住宅の耐震化の取り組みが立ち遅れていたことにあります。

知事、中央防災会議の指摘、阪神・淡路大震災の教訓をどう認識していますか。


Q30 住宅耐震化について、都は特定緊急輸送道路の沿道建築物や整備地域に限定してきました。しかし、その限定した地域でさえ「合意形成等に時間を要するなど、耐震化の進捗は十分でない」と、長期ビジョンで認めています。

このため都は、特定緊急輸送道路の沿道建築物については、診断実施後の改修工事への速やかな移行を計るアドバイザーを派遣するとしていますが、その他の地域に助成を広げず、「普及啓発や技術的支援の強化などにより、住宅の耐震化を促進する」としているだけです。これでは耐震化が進むわけがありません。

東京都は、かつて墨田区の白髭東地区で防災拠点を成功させた経験を持っています。白髭東地区については、構想段階から住民参加で調査し、模型実験を繰り返し、転居する場合は同じ床面積を保障して住民の生活再建を第一にし、職員が昼夜出向いて合意形成を図るなどの取組が記録されています。静岡県で進んでいるのも、費用負担の軽減と合わせ、住民への親身になったアドバイスと言われています。

都内未耐震化の住宅116万戸は放置できません。都庁OBなども活用して、親身になって耐震化の普及啓発や権利関係を調整し、住民合意形成が図れる人員体制を図るべきです。全ての未耐震住宅を対象に耐震化へ区市町村とも協力し、都庁あげての取り組みを求めます。知事、いかがですか。


Q31 住宅の耐震化をはばむ要因は、改修費用の負担が重過ぎることにあることは明らかです。全面改修する場合の総工事費100万円~300万円は、一人暮らしの高齢者などには、負担が重過ぎます。木造住宅の耐震化助成は、地域限定をやめ抜本的に拡充することが必要です。いかがですか。


Q32 全面耐震改修を行わない場合でも、まず命を守ることを最優先して、部分的な簡易改修への補助も検討すべきです。その場合、耐震診断で「倒壊する可能性が高い」とされたすべての住宅を対象にすることを求めます。お答え下さい。


Q33 阪神大震災の火災原因の6割以上は、電気供給がいったんストップしても自動回復したときに、漏れたガスなどに引火する、いわゆる通電火災と呼ばれるものであることが明らかになっています。

内閣府は、強い揺れを感知すると自動的に電気の流れを止める「感震ブレーカー」について初めてとなる性能評価のガイドラインをまとめました。性能評価に基づいて、「感震ブレーカー・感震配電盤」の都としての普及目標を持つこと、助成制度の検討をはじめ区市町村と連携した普及促進策に取り組むことを求めます。お答え下さい。


Q34 また、東京電力に通電火災を防ぐ対策をとること、国に高層住宅の建築に際して感震配電盤の設置義務づけを、働きかけるべきです。いかがですか。