八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -41ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

ハノン等のエクササイズ、ツェルニーの30番 40番等の練習曲

ハ長調が多いです。



入門はどうしてもハ長調が多くなります。以下の理由があるのです。

ピアノは処理する情報量が多い楽器で、譜読みが大変です。

最初から♯や♭が多いと、悲鳴を上げてしまいます。

子供の小さな手には、黒鍵の位置の高さも厳しい事があります

調性や和声の話を発展させるのに、ハ長調から進めると解り易いという事もあります。


実は、ハ長調は、弾きにくいのです。



ある程度の大きさの手を持つ人の場合です。

実際に弾く事を考えると、手の自然な構造を無視しているので難しいのです。



ハ長調の音階を考えてみます。

ド レ ミ ファ ソ
白鍵だけで平なので、意外に弾きにくいのです。
親指と小指は注意が必要ですが、全部同じ条件で弾く事になるのです。






ホ長調

ミ ♯ファ ♯ソ  ラ  シ 

人間の手の形には、こちらの方がしっくりくるはずです。

なので音階や和音も、こちらの方がはるかに楽に弾けます。

けれど、ホ長調は元々の音階に♯が4つ、なので譜読みが難しいのです。



で、多くの入門書はハ長調になります。

ハ長調は実は弾きにくいのだという事を、指導者は把握しておく必要があります。



やがて「ツェルニー練習曲」が立ちはだかります。

リトルピアニストあたりはまだ、何とか・・・

鬼門は30番練習曲。

弾きにくいハ長調の繰り返しパターンが、最初から長々現れます。

ここは注意が必要です。

技術向上には大変良い教材ですが、多くの「ツェルニー嫌い」がここで生まれています。



この時期、まだ4指、5指がうまく使えません。

当然うまく弾けません。その為の練習曲ですが、

これでもか
・・・と長々弾かされます。

「苦しい反復」です。

弱い5指、それと連動してしか動かない4指を鍛える!という発想が生まれます。



この時「鍛える」以上に、手首の柔軟性と共に「うまく使う」事を教えなくてはなりません。

手の自然な動きをうまく利用し、その中で細かく動かす神経を作る。

指導者がこれを忘れると、根性ツェルニー物語になってしまいます。


「苦しい反復」=「あと一周走れ~」


・・・これではいけません。






ツェルニーの美しく軽やかな世界を味わう事を、忘れてはいけません。

実際難しいですが、手首の柔軟性を少しずつでもきちんと指導する必要があります。

美しい音で美しく弾く事、それにより柔軟性が身に付きます。




音楽からトレーニングとして分離してしまうと、弊害になります

それが多くのツェルニー嫌いを生む原因です。



ツェルニー練習曲は量産され、一曲ずつに芸術性が込められたものではありません。

けれど、顔をしかめて「大っ嫌い!」と言う方が多過ぎます。

原因はほとんどがトラウマです。私も大っ嫌い!でした(笑)

でも嫌われるほど、芸術性の強い作品ではなく、心地よい音楽なのです。



教本「ABC」の良い点は、多くの調性が使われ、音楽的にも優れた作品です。

ここで、♯や♭にも慣れ、音楽的に美しく弾く練習を積む事は大変効果があります。


「ABC」の次に「ラジリテー」・・少しずつツェルニー風な難しさが出てきます。

ツェルニー30番に入る前までに、音楽的下地をきちんと作る事が大切です。



出来るだけ美しく弾く事、美しい音を出そうとする本能を作る事。

これは一番大切で、何を弾く時にも絶対におろそかにしてはいけません。



先生は是非生徒さんに、美しく軽やかなツェルニーを見本で弾いてあげて欲しい。

ロココで美しい世界です。

生徒さんが、私も弾きたい!と思える様に弾けなくてはいけません。


そして、この先生の言う通りに練習すれば私にも弾ける気がする!

そう思われる様なレッスンをしなくてはなりません。


30番は、実は先生の資質が問われる鬼門なのです。
大人の生徒さん達、

ショパン編曲して~、ジブリのテキスト探して~、等々


と注文が多くなるのがまず春から初夏です(笑)

仕事や生活のサイクルが少し安定し、ピアノに前向きになってくれて嬉しいです。

弾きたい曲はなるべく沢山弾ける様になって、楽しんでもらえればと思います。


この5月の連休が終わるころから今時期、大事です。

今年はどんなレッスンになるのかな?あの曲弾かせてくれるかな?

色々心配だったり楽しみだったり。


気候が厳しくなる前に楽しい目標が出来ると、乗り切って通って下さいます。


それともう一つ大事な事


レッスンの主導権がかかってる


折角ピアノ習うのです。

楽譜が読めない人は、面倒でも読む練習をして慣れて欲しい。

技術も少しずつ向上して欲しい。

和声やリズム、歌い方もきちんと身につけてほしいのです。


これからも色々な曲に出会うはずです。

基礎がないから思うように弾けない、では悲しいです。

自分で完成をイメージし、それに近づく練習法が解る様になってほしいのです。


この方針だけは変えません。(きっぱり!)


楽しいご年輩の生徒さん、

最初はかなり強引でしたが、今ではとても理解して下さってます。

ユーモアのある方で、昔の様なやりとりを持ち出して楽しんでくださいます。

「せっかくピアノを習うからには、ショパン弾きます!」(宣言!)


そこで私、せっせと編曲、

慣れない楽譜ソフトで、目がお悪いからA3に編集しましたよ~


「先生、もう少し♯少なくして~」(語尾長いとき注意)

「♯3つ位もう弾けるはずです」(語尾きっぱり!)

「読むのも弾くのも面倒で大変よ~」(語尾下がると更に注意)


悪魔の囁き・・・(レッスンもその方が楽だぞ~)


(主導権!)

「♯3つ位弾けるはずです!」(再度きっぱり!)

「え~~~・・無理~~~~~」(どんどんのびる語尾)

「編曲2回目から、有料になりました」(トドメ)

「・・・じゃ、やりますぅ」

主導権死守!

この方も、こんなやりとりをわざと楽しんで下さってる様なのです(*^_^*)



編曲する代わりに、この練習もつづけて下さいよ~

ジブリもレッスンするから、ABCも練習してね~

知らない曲も楽譜読んで弾く練習、大切ですよ~



もちろん主役は生徒さんですが(笑)

でも、主導権はまだ渡せないな~(笑)

頑張ります。
上半身の脱力、といっても大袈裟な事ではありません。


演奏中、肩がだんだん上がってしまう方をよくみかけます。

こういう方はきちんと自分の音を聴いていらっしゃいます。

耳障りな乱暴な音を出さない様、細心の注意を払う事は良い事です。

でも萎縮してしまうのですね。


あ~~、また、ガツンと出ちゃった!


上半身が力むと、手首や指は自由に動かなくなります。

息を詰めてしまい、十分に歌えなくなります。

神経が指先にまでいきわたらないので、思う音も出せなくなります。

神経を使っているのに、のびのび歌えなくなります。

ショパンのノクターン等弾いている時になる方が多いです。

「歌えていない」と言われる事があるかと思います。




ご本人も苦しいでしょうが、聴いている人も苦しいです。

弾く人も聴く人も、酸欠になりそう!

(笑い話でなく、意外に多いのです)




説明難しいのですが、「胸」に気?がたまっています。

よく戦闘態勢や威嚇の時に、胸を叩く・・・という表現があります。

あ、ゴリラなんてそうですね。

胸に気が詰まると胸式呼吸になり、ますます苦しくなります。

身体は緊張状態です。

(逆に言えば闘争的、衝撃的な音は、息を呑んで出します)


思い当たる方、椅子に座った時に下腹を意識してあげましょう。

下腹にしっかり力をいれてあげると、上半身が楽になり呼吸も深くなります。

本番前、腹が座っていいです(本当!)


ここまでは意識次第で、時間はかかっても出来る様になると思います。

ここからは少し難しいです。



ピアノは打楽器ですからハンマーが弦を叩く事で音が出ます。

強い力で鍵盤の上から叩くと、余韻のない硬く強く詰まった音になります。



硬く詰まった音は、アクセント的や限られた場合が多いです。

神経が苛立つ音です。常にそういう音だと、うるさい、となります。



弦をふるわせ、倍音を響かせると、余韻の美しい響きの豊かな音がでます。

ショパンには必須のテクニックです。

この音を出すには高度な技術が必要になります。


鍵盤のなるべくそばからそっと弾きます。

鍵盤の一番下まで指が触れるのは一瞬、すぐふわりと浮かせる必要があります。

指を点の様に意識して下に触れれば輝く音に、広く触れれば柔らかい音になります。

なるべく側から、一瞬だ鍵盤の下に最小限だけ触れ、すぐに抜く。

よくショパンで言われる、「掌で慈しむ様な音」です。

これは大変難しく、一歩間違えば、音がきちんと出ません。


上半身が固まってしまう方は、こういうきれいな音を出そうとして、気を付けている事が多いのです。

それで手を浮かせようとして、力んでしまいます。

肩で腕を釣り上げようとしたり、指が下に落ち過ぎない様萎縮してしまうのです。



コップにぎりぎり水を入れて運ぶ時と同じ様な感覚でしょうか?

ハラハラドキドキ

歌えないので音楽が停滞し、カチカチになってしまいます。




肝心なお腹の力が抜けると、上半身が落ちた状態になります。

運動の方向はすべて下方になり、音楽は重くぼたぼたしますし、音色は余韻のない音になります。




鍵盤の上に手を置いて、椅子には少し浅く楽にだらしなく腰かけてみて下さい。

背中を落として、口もだらしなくあけていいです。(やる気ない~という感じ)

だら~~ん、とした感じで、手はお椀を伏せた様な形にしなくて良いです。


次に下腹に力を入れて上半身を、ぐっ と持ち上げてみます。

「やる気になりました~」・・・という感じです。

すると手はお椀を伏せた形になると思います。口も軽く閉まると思います。

この状態で弾いて下さい。

今にも踊り出す様に身体でふわりと・・・すると手もふわりとなります。

すると音も豊かに響きます。

ワルツの3拍目も、ふわり、と次に進めます。



音が硬く詰まってしまい、歌えないから音楽が停滞する。

そういう方はおへその下の力が抜け上半身が落ちている事が意外に多いです。

それできれいな音が出ないから、上半身が緊張してしまうのです。


まずは下腹を意識してあげましょう。習慣になるには時間がかかります。



腹を据えてかかりましょうね!