演奏中、肩がだんだん上がってしまう方をよくみかけます。
こういう方はきちんと自分の音を聴いていらっしゃいます。
耳障りな乱暴な音を出さない様、細心の注意を払う事は良い事です。
でも萎縮してしまうのですね。
あ~~、また、ガツンと出ちゃった!

上半身が力むと、手首や指は自由に動かなくなります。
息を詰めてしまい、十分に歌えなくなります。
神経が指先にまでいきわたらないので、思う音も出せなくなります。
神経を使っているのに、のびのび歌えなくなります。
ショパンのノクターン等弾いている時になる方が多いです。
「歌えていない」と言われる事があるかと思います。
ご本人も苦しいでしょうが、聴いている人も苦しいです。
弾く人も聴く人も、酸欠になりそう!

(笑い話でなく、意外に多いのです)
説明難しいのですが、「胸」に気?がたまっています。
よく戦闘態勢や威嚇の時に、胸を叩く・・・という表現があります。
あ、ゴリラなんてそうですね。
胸に気が詰まると胸式呼吸になり、ますます苦しくなります。
身体は緊張状態です。
(逆に言えば闘争的、衝撃的な音は、息を呑んで出します)
思い当たる方、椅子に座った時に下腹を意識してあげましょう。
下腹にしっかり力をいれてあげると、上半身が楽になり呼吸も深くなります。
本番前、腹が座っていいです(本当!)

ここまでは意識次第で、時間はかかっても出来る様になると思います。
ここからは少し難しいです。
ピアノは打楽器ですからハンマーが弦を叩く事で音が出ます。
強い力で鍵盤の上から叩くと、余韻のない硬く強く詰まった音になります。
硬く詰まった音は、アクセント的や限られた場合が多いです。
神経が苛立つ音です。常にそういう音だと、うるさい、となります。
弦をふるわせ、倍音を響かせると、余韻の美しい響きの豊かな音がでます。
ショパンには必須のテクニックです。
この音を出すには高度な技術が必要になります。
鍵盤のなるべくそばからそっと弾きます。
鍵盤の一番下まで指が触れるのは一瞬、すぐふわりと浮かせる必要があります。
指を点の様に意識して下に触れれば輝く音に、広く触れれば柔らかい音になります。
なるべく側から、一瞬だ鍵盤の下に最小限だけ触れ、すぐに抜く。
よくショパンで言われる、「掌で慈しむ様な音」です。
これは大変難しく、一歩間違えば、音がきちんと出ません。
上半身が固まってしまう方は、こういうきれいな音を出そうとして、気を付けている事が多いのです。
それで手を浮かせようとして、力んでしまいます。
肩で腕を釣り上げようとしたり、指が下に落ち過ぎない様萎縮してしまうのです。
コップにぎりぎり水を入れて運ぶ時と同じ様な感覚でしょうか?
ハラハラドキドキ
歌えないので音楽が停滞し、カチカチになってしまいます。
肝心なお腹の力が抜けると、上半身が落ちた状態になります。
運動の方向はすべて下方になり、音楽は重くぼたぼたしますし、音色は余韻のない音になります。
鍵盤の上に手を置いて、椅子には少し浅く楽にだらしなく腰かけてみて下さい。
背中を落として、口もだらしなくあけていいです。(やる気ない~という感じ)
だら~~ん、とした感じで、手はお椀を伏せた様な形にしなくて良いです。
次に下腹に力を入れて上半身を、ぐっ
と持ち上げてみます。「やる気になりました~」・・・という感じです。
すると手はお椀を伏せた形になると思います。口も軽く閉まると思います。
この状態で弾いて下さい。
今にも踊り出す様に身体でふわりと・・・すると手もふわりとなります。
すると音も豊かに響きます。
ワルツの3拍目も、ふわり、と次に進めます。
音が硬く詰まってしまい、歌えないから音楽が停滞する。
そういう方はおへその下の力が抜け上半身が落ちている事が意外に多いです。
それできれいな音が出ないから、上半身が緊張してしまうのです。
まずは下腹を意識してあげましょう。習慣になるには時間がかかります。
腹を据えてかかりましょうね!