八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -36ページ目
今週末、大人の生徒さんの2名と課外レッスン(*^_^*)
大人のレッスン、時に楽しく知識を広めていきたいです。
一緒にユーロピアノさん主催の下記のイベントを覗いてみます。
http://www.euro-piano.co.jp/event/80220141005/
調律、音律のお話です。
ミーントーンとキルンベルガーに調律された鍵盤楽器で、バッハやモーツァルト等を演奏して下さいます。
音律?ミーントーン?キルンベルガー?






となるので、で生徒さんには、予備知識が必要です。
頑張って一夜漬けで資料作りました(汗)
以下、その一部です。
私達の弾く現代ピアノは12平均律で調律されています。
1オクターブの中に白鍵と黒鍵、12ありますね。
この調律法が広まったのは諸説ありますが、19世紀後半?でしょうか。
ドビュッシーの時代あたりとも言われます。
ショパンが亡くなったのが1849年。
私達が普段演奏する作品の多くが、12平均律を想定して書かれていないのです。
けれど私達は12平均律の現代ピアノで演奏するのです。
余談ですがバッハの平均律クラヴィーア曲集
J.S.Bach
Wohltemperiertes Klavier (原題 Das Wohltemperirte Clavier)
は平均律ではないの?と質問されます。
wohltemperiert(e)とは『よく調整された音律』という意味。、
諸説ありますが、全調が演奏できる様に調律されている・・・
だそうで、12平均律とは考えにくい様です。
では、それまではどういう調律なの?
なぜ、平均律を昔は使わなかったの?
大変大雑把な説明ですが、
弦の太さが同じ場合の弦の長さの比率。
1オクターブ 2;1
完全5度(例 ド→ソ) 3:2
これが最も美しいとされる純正な比率です。
セントという単位を用いて表します。半音100セントです。
1オクターブが1200セント、
これは現代ピアノ(平均律)も同じ
完全5度(例 ド→ソ)702セント
平均律では700セント
ピアノの鍵盤で、ドから始めて完全5度ずつ上げていきます。
おっと!
鍵盤足りなくなるので、途中何度かオクターブ下げます(笑)
ド、ソ、レ→・・(途中省略)
♯ファ、♯ド、♯ソ、♯レ、♯ラ、♯ミ、♯シ
この♯シはピアノの鍵盤ではドです。
ド~ソの純正な702セントを強引に700セントにするからです。
純正の702セントで重ねると、♯シはドより24セント、高くなります。
半音100セントに対し24セントのズレは大きいですね。
けれど中世の時代、教会で神聖とされる純正の5度は大切です。
なので、ズレをどこで解消するか、が問題になります。
又、その後和音という概念が出てくると純正の3度も大切になってきます。
ド→ミ は純正では386セント
平均律(現代ピアノ)では400セント
純正のド~ミの響きは本当に美しいです。
こうして生じるズレを何とか解消しなくてはなりません。
あまり使わない音に押しこめたり、少しずつズラしたり・・・
ミーントーン、キルンベルガー等、
音楽、特に鍵盤楽器の発展と共に、生まれた調律法なのです。
平均律は・・・
純正な響きを捨て、音のズレの解消を最優先した調律法なのです。
鍵盤楽器や音楽の発達とともに、ズレや唸りで使えない音があると困るのです。
トリル等の多用により、純正な響きの重要性も減ったのでしょう。
バッハ、モーツァルト、ショパン等々
もっと美しい響きだったはずです。
平均律の現代ピアノでは、味わえないハーモニー。
調律や楽器の歴史を辿り、その当時の調律法を実際に体験させて下さいます。
時には、失われた美しい響きに心をよせてみたいです。
実は私が一番楽しみです・・・(*^_^*)
「モーツァルトが私を馬鹿にしてる」
「天国から、カラカラコロコロ笑ってる」
「ちょっとは、見返したい!」

ツェルニーやりたい」という方の爆弾発言!
・・・こーゆー話からなのです。
基礎練習が音楽と離れ、筋トレの様になってしまう・・・
もっと速く、もっと強く、しっかり指動かして!
音楽から離れた基礎練習、違和感に苦しんだ方は多いと思います。
けれど全面的に否定は出来ないのです。
ピアノという楽器は日本の気候には大変不向きです。
高温多湿で、フェルトや木が水分をたっぷり含みます。
そうなるとアクションが大変重いのです。
現代の様にエアコンが普及していなかった時代。
汗だくでベートーヴェン等を練習し、膨れた部品による重たい動きに悪戦苦闘。
私の先生方は、この様な環境で練習されていました。
強い指の筋力がないと、弾けなかったのです。
国産のピアノが量産され、ピアノが普及しました。
日本の気候を考慮し、又コストの問題からも木部は合板です。
天然木は木部の隙間が多く、豊かな音色が出ます。
合板は・・私の感覚では、音色が均一で、タフだという印象があります。
「自分の弾き方により音が様々に表情を変える」
という経験がないと、音色に対する感性が育ちません。
「強く、速く、きちんと」・・・という傾向になってしまいます。
きちんとした演奏をしたいなら、強い筋力は必要です。
音量が小さくても輝く様な高音は、右手4指5指の筋力を要します。
ズン、と響く低音、長く響く低音、左手4指5指の筋力が必要です。
「こんな音を出したい!」
本来はその為の基礎練習なのです。
それが音楽を失い、時に他者と競う事に向いてしまいます。
小学生の体験レッスンでの事でした。
とても上手でしたが、手首がやや硬く手の甲をゆする癖があります。
親指がドスンと落ちるので、音の粒が揃わず荒れています。
「手の甲を動かさないで指で弾きましょう。」
「親指は軽く弾きましょう」
こういうアプローチは確かに効果はあります。
けれど、育てなければならないのは、美しい音楽を求める感性です。
「ここはあなたが弾く様にアクセントが必要ですか?」
「それとも、粒の揃った音が良いですか?」
そう言って弾いてみせます。必ず美しく正しい音楽を選択します。
「じゃ、そう弾きましょう。」
「ここにアクセントがついてしまうのは何故でしょう?」
「親指で弾く音が強くなってしまいます。」
「耳でよく聴いて音を揃えましょう」
先生が美しく弾いてみせると、必ず生徒さんの心に響きます。
CDやDVDでも良いのです。名ピアニストの演奏に触れる事。
出来れば名楽器に触れる機会を作ってあげる事。
鮮やかなイラストを避け、音楽的にきちんとした教材を使用する。
特にお子さんには大切です。
基礎練習の目的はメトロノームのメモリを速くする事ではありません。
軽やかに速く美しく弾きたい所を、そう弾く為の基礎練習です。
例えば転がる様なモーツァルトの16分音符
そのイメージを求めての基礎練習をしてほしいのです。
名演奏に触れた感動は、大きな支えになります。
理想と現実にため息をついたとしても、苦痛ではないはずです。
そんなお話から・・・
「大好きなモーツァルトが弾けない!」という話になりまして。
「きれいな16分音符、鮮やかに弾きたいのに弾けません」
「若い頃、散々ツェルニー我慢してやったのに」
ふむふむ・・・・我慢はいけませんネ
「天国からモーツァルトがあざ笑ってます」
「オホホホ、オホホホ、へたくそね~」と聴こえます。
「そ・・・そんな風に弾きたいですか?・・・・」
「ちょっとは見返したい!」
という事で、ツェルニー40番再挑戦。
う~ん、案外とっても、正解かも!

