八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -23ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

脱力や音階、アルペジオ等、等の技術にも関わる事です。

ちょっと視点を変えてのお話です。



音を出す時、何度も書いた様に、鍵盤を押します。

実際にはその動きが内部で(2ケ所?)変換され、弦をハンマーが下から叩きます。



実際と逆の動作で音を出す事、

動作が直接でなく変換されて音が出る事

音が出る場所が自分から遠い事


厄介な楽器ですネ。




豊かでよく響くフォルテを出そう!・・・・すると

つい、鍵盤にのしかかって思い切り!


がっちゃん!



細かい音を速く正確に弾こう!・・・・すると

つい一生懸命指を動かす
(昭和に習った人は特にそう教わってます)・・・すると


カクカクバタバタ!


と、こういう事が起こります。頑張っているのに悲しいです。



例えばフルートで、豊かなフォルテ

思いっきり、ぴ~~~~、とはならないでしょう。

自分が耳障りな音を出した事が、感覚ですぐ解るからです。



楽器の特性、大雑把に言うとピアノは

自分がやらかしている事を、自覚しにくい

という事で、怖いですね~




少し話が迂回します。

今の40~50代位の方達で、子供の頃にピアノ教室に通った方達

しっかり指を動かして、速く正確に大きな音で、と教わった方が多いです。

ハノン、ツェルニー、バッハ、ときちんとやりました。

手もしっかりしてますし、音楽の基礎もあり、ピアノが好き。

なのに、・・・・・



ツェルニー、嫌い!

多くの方に大変嫌われてます。

BGMの様な音楽が、ここまで嫌われるのもおかしな話です。

美しさを知らないから、苦しい記憶だけが残るのです。




モーツァルト苦手

多くの方が沢山弾いたはずなのに、苦手意識を持ちます。

本来の美しさはわかる。でも、弾きたくない・・・




頑張って練習して、怖い先生にやっと「いいでしょう」と言われたモーツァルトのソナタ

でもその弾き方では美しくない。




「でも、これが正しいのよね?」

と、なかなか記憶から抜けないのです。


おかしな話ですが、子供の頃に教わった価値観を否定するのは大変なのです。

幼児期から訓練を要するので、どこかでそれがずっと脳を支配してしまいます。




またまた話が迂回します。



音が美しいな~

フレーズの弾き方が美しいな~、

響きが美しいな~


と思う演奏に共通している事を考えてみます。




丁寧な打鍵

鍵盤をゆっくり押すと柔らかく豊かな音が出ます。

鍵盤の底に到達する時間が短い程、固い音になります。

それがきちんとコントロールされています。

がちゃん!ジタバタ、ではないですね。



美しさを自分が味わう事

音、フレーズ、響きの美しさ

弾いている人が味わっていなければ、聴き手には伝わりません。

伝えるべき事を間違いなく読み取る知識、伝える技術が必要です。

つまり、音楽をきちんと理解しなくてはなりません。



聴き手が味わう時間を、きちんと提供する事

この響き、きれいでしょ?、はい~!次!

返事をきかずに次々進まれると、ちょっと残念ですね。



打鍵の仕方とか、脱力とか、音階の弾き方とか・・・

確かに個別にも難しいです。


ピアノは非音楽的になりやすく、気づきにくいという事

丁寧に打鍵する事

音楽を理解し伝え、美しさを味わう事

聴き手が味わう時間を提供する事



どうして良いか解らなくなったら、ここに帰りましょう。



基本ですから抽象的です。

具体的に、打鍵や、音楽の基礎や、余韻について・・・

説明していきしょうね。
ハノン39番、音階(スケール)

長調の音階は調号のとおり、最初の音から順番に弾きます。

調号のとおりですから、意外な音は出てきません。

安心してなだらかに聴こえます。その様に弾くのが自然です。



短調はちょっと複雑な事情があります。

複雑な事情ですが、大人のピアノ、ならではの味わいがあります。

ハノン39番を見ると、短調の音階が2つ、書かれています。

なにやら♯やら♮やら???



実は短調には3種類の音階があります。

調号のないイ短調が解りやすいですね。


1、自然短音階

ハノンには書かれていません。調号どおりの音階です。

イ短調には♯や♭はありませんから、白鍵だけを弾きます。




音階の開始の音を主音といいます。この場合、

そして音階の7番目の音。この場合、



この7番目の音が主音の半音下である場合
導音、
と言います。



自然短音階は、音階の7番目の音が、主音の全音下になってしまいます。

導音と主音の間は、半音でなくてはなりません

が、この、ソ、と、ラ、の間は全音


つまり自然短音階には、導音がありません。



導音は主音に進む性質があり、メロディや和音において大切な役割を担います。


導音がないと困る!・・・・でも7番目の音、主音が恋しい!

そこで



2、和声短音階

 
 音階の7番目の音を半音上げて、♯ソ(導音)を作りました。

これで問題は解決で、こんな風に和音が自然で美しいです。

 
 導音の♯ソが、主音のラに向かってます。
(これ、和声の基礎の掟です)

これが短調の和音です。
 
これを弾く時、 ♯ソが、主音のラに行きたい~~~っ!
と切に願う気持ちが大切です。


主音が恋しい・・・

大人のピアノならではの音階練習もいいですね(笑)


声楽等では、この音が主音に向かう時は、ピッチを高めにとります。

再度確認してみましょう。和声短音階


 
今度はファ、と♯ソ、の間が、異様に開いてしまいました。


意外性のある、エキゾチックな響きです。

この音階の独特なこの雰囲気

アラブ風の響きみたいで美しいです。

このファ、と♯ソ、の間の音階らしくない開き


その為に一層目立つ、導音♯ソが、主音のラ、にすり寄る異様さ

時に焦燥感、時に不自然さ、何でも味わってしまいましょう!

大人の特権です(笑)



けれどこの音階、段差があって不自然です。

やや音階らしくありません。


じゃ、その前の、ファ、も半音あげちゃう!、そこで

3、旋律的短音階


 
上りと下りが違います。

導音、♯ソ、は主音、ラ、に行く役目があります。

でも音階の下りでは、役目は終わり。

あんまり♯や♮がつくと、何調だかわからなくなります。

役目が終わったら元通りに戻しました。




上りは♯が2つもつくので、やや昂揚感や華やかさが生まれます。

下りは・・・え?という空虚さ

華やかさを表す♯が消え、短調らしい寂しい響きに戻ります。

妄想が好きな方は恋の後の空虚さを感じてもいいですね(笑)


 短調の音階は、3種類それぞれ表情があります。

導音を高めに意識し、主音へ向かおうとする意志を持つ事は基本です。
時に、主音にすり寄る美しさも表現できます。


2つの音が半音上げられた旋律音階

なめらかで華やかな美しさがあり、下りの自然短音階が寂しく聴こえます。



音のそれ自体の動き、並び方を意識する事は大切です。

作曲家がどの様に音を並べているか?

そこには表現してほしい事が書いてあるのです。



ハノンは大変効果的な教材です。

非音楽的な練習だけに終わりがちです。



音階の練習を指の体操だけに終わらせるのは勿体ないです。

理論は単なる知識ではありません。

音の動き、性質そのものを味わいながら練習してみて下さい。


どんな風に弾こうかな?もっと美しく弾きたいな!


練習がとっても楽しくなりますよ。

だって音楽ですもの(*^_^*)

入眠時のお気に入りの曲です。

永遠に寝てしまうのではないかと思えるくらい、安らかな曲です。

学生時代、古楽の授業で初めて聴きました。

はい、居眠りしました!(笑)

パレストリーナ代表作、マルチェルス教皇のミサ曲

https://www.youtube.com/watch?v=5wVaD2_RmO8

パレストリーナ進行、ともよばれる、なだらかな音階の動きが美しいですね。




いきなり話は現実問題の、音階です。

例、ハノン、39番、スケール(音階)



スケールは曲中で、部分的にでも何でも、とにかくよく使われます。

典型的ハ長調と典型的変イ長調では、曲を通じて使う鍵盤が随分違います。

色々な調で使う鍵盤を、理屈でなく感覚で捉えられる事も大切です



等々理由は色々ですが、とにかく沢山弾いておいて損はないです。




で、なぜパレストリーナの話から音階なのだ?という事ですが。

音階は、なめらか、です。

調性で使われる音を順番に弾いていくのです。




そこで音階を、美しく滑らかに弾くコツ、となりますが。


そこは私特有の、大変大雑把な話(笑)


丹田をきちんと締めて、上半身を楽にする事。

と、しつこいですが、これは基本中の基本です。



多くの方がやらかしますが、親指に手の重さをのせない事

目を閉じて聴いていると解ります。

あ、今、親指使った(ドスン)、

又親指だ(ヨイショ)・・・それ指遣い違うじゃん!(笑)

と、指遣いが丸聴こえです。


なめらかで美しい音階が、悲しい事になってしまいます。

鍵盤を押すのでなく、歌う事を考えたらおかしいですよね。



次に手の形を丸くし、最低限で良いから、指の付け根を支点に動かす事。

付け根でなく、第二関節から指を動かす人がいます。

すると指を動かす度に指先が前方を向く事になります。

効率悪く、掌が動いてしまう事も多くなります。


目を閉じて聴いていると、手の使い方が丸聴こえです。

何となくパタパタ、掌から音がスカスカ。




実は、別にどういう弾き方でも構わないのです。

聴いていて美しければ(あまりに大雑把?)

又、弾きにくいのもつらいです。思う様に弾けません。


丁寧に美しく、楽に弾ける様に、それがその人の正解なのです。



もちろんレッスンではきちんと説明します。

でも最後は、自分の耳と感覚が先生です。

美しく弾こうとする努力、感覚を磨く努力、何より一番大切です。




音階は、その調の中で使われる音を、順番に弾きます。

ハ長調なら黒い鍵盤は弾きませんよね。つまり調性からはずれないのです。

なめらかで意外性がない、つまり、安らかな安定した美しさです。



曲の中で、音階の様なフレーズが出てきて、臨時記号がない時

そこをどう弾くべきか、わかりますよね(*^_^*)

えっ?・・・という音はいけません。



ところでこれは長調の音階のお話

短調は特有な事情があります。それは次回


そこでハノンの39番をもう一度見てみましょう。

何故、短調は音階が2つあるの????

答えは音階の後の、最後の2つの和音にあります。

和声の問題と密接なのです。


続きは次回に(*^_^*)