八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -13ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

大人になってピアノを始めたり再開した方からよく聞きます。

 

「私は技術がなくてもいい、共感してくれる様な演奏がしたい」

「技術より、誰かの心に残る様な演奏がしたい」

 

こういう意見、よくききます。

その気持、言いたい事、よく解ります。

ツェルニーとか速く弾けないけど、でも美しく弾きたい!

 

ツェルニーはともかくですが・・

けれど人の心に残る演奏は、技術がなければできません。

 

この「音楽と技術は一体」という事、

なかなか理解してもらえない事でもあります。

 

例えば、

拍子をきちんと理解し、それを伝える技術。

フレーズをきちんと理解し、それを伝える技術。

どの指で弾こうとも、音を均等に弾いたり浮き立たせる技術

和音で、必要な音を聴かせ、かつ美しいバランスで弾く技術

等々

 

これらは出来ていて当たり前ですが、大変難しいのです。

出来ていて当然ですから、聴いていてもその苦労は解らないのです。

なのにに、出来ていないと、大変聴き苦しくなります。

 

そして大変困ったことに、

 

どんな曲も実は地味に大変難しい!(汗)

 

「ずっと聴いていたい演奏」

技術がないとできないのです。

 

時々、それを理解できない方とレッスンで奇妙なすれ違いが起こります。

 

音の長さをきちんと守りましょう

(やれば出来ます)

↑やらずに平気な感性が困る

 

その和音はレガートにきちんと弾きましょう

(別に音が切れてもいいのに)

↑歌ってたら、そこで切らないでしょ!

 

もちろん、そんな風に私に仰る訳ではありません(笑)

 

が、その大事な話をしている時、目線が別の所を追う方、時々いらっしゃいます。

次の速いアルペジオやトリルの事ばかり考えているのが手に取る様に解ります。

(どうやったら弾けるのだ?秘訣があるはずだ)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

せっかくですから、ついでにお話、脱線しましょう。(*^_^*)

 

例えば「速いパッセージが弾けない!」叫び

 

速いパッセージを弾く手が育っていない方も多いです。

 

思う様に指を動かせないから、無理やり弾こうとグチャグチャになってしまいます。

これでは決して弾けません。

 

長らく強引に弾いてきた方は、特に4指、5指の動きが悪いです。

ゆっくり丁寧に、まず指を動かす神経と筋肉を作らなくてはなりません。

 

この作業を省略し、「コツ知ってすぐ弾ける様になりたい」、

気持ちは解りますが、無理です。

 

拍をきちんと取り、まずはゆっくりから、腕や手首でなく、指で丁寧に弾けば良いのです。

音楽として表現したい様に。

 

正しい弾き方を繰り返す事で、弾ける手を作っていく訳です。

 

音楽をきちんと理解していないと、違う弾き方で練習する事になります。

つまり音楽として当たり前にやるべき事を、きちんと習得する事が必要なのです。

 

話戻りますね。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そんな生徒さんも、皆さん、やがて解って下さいます。

 

当たり前の事をきちんと覚えて、1つずつ注意し続ける事。

心に残る様な演奏がしたいのなら、それを積み重ねるしかないという事なのです。

 

技術と音楽は一体だという事を理解するのは大変難しいとは思います。

 

 

1つの例ですが・・・

 

いつもの原則

スラーの開始は意思を持って、そして最後は丁寧に。

 

これを徹底するのがどれだけ大変か、解りやすい極端な例です。

(趣味で練習される方には、無理がある曲で申し訳ありません)

 

IMG_20161011_095918573.jpg

 

右手で3つの声を弾きます。スラー、バラバラです。

 

でもこの原則は守られなくてはなりません。

頭こんがらがり、暗譜も大変、手もつりそうになります。

(メンデルスゾーン、厳格なる変奏曲より抜粋)

 

守られると、生命ある息遣いの絡み合いの様に、心に響きます。

守られなければ、うるさい騒音になります。

 

当たり前の事をきちんと守るのは、大変だという事。

「心に残る演奏」は技術がないと出来ないという事。

理解して頂ければと思います。

 

そして今ご自分が練習されている曲で、出来る事から積み重ねて下さい。

少しずつ、左右のスラーが違ったり、指の都合で弾きにくい事もあるでしょう。

でも、出来る限り、気をつけてみて下さい。

出来る限り、美しく弾いて下さい。

 

少しずつ複雑な事が出来る様になります。

 

大人からピアノを始めた方でも、心に残る美しい演奏が出来る様になります。

 

大変な事ですから、緩く、気長に、楽しく、積み重ねて頂ければと思います。

 

でも意外に、皆さん、早く上達されます。どうか心配なさらずに。

 

 

そんな訳で、いつものレッスン風景

 

「ああ~っ、惜しい!スラー最後のドスンが残念っ!」

「あ~ん!最後で玉砕!無念!」

 

と、こんな感じで、緩いです(笑)

先は長いです。正しく緩くコツコツ、続けましょう!

 

私、ほうれい線も気になりますので(笑)

笑いながら、楽しくレッスン出来ると嬉しいです!(*^_^*)

脱力が出来ないので教えて下さい

と言われる事がよくあります。

中にはツェルニーで教えて、とか、モーツァルトで教えてとか
指定されてくる事も多いです。

確かにこれらの曲は特に欠点が出ますよね。
余分な力は音楽を壊しますし、弾きにくいです。

で、「一度レッスン受けたらすぐ楽に弾ける様になる!」
申し訳ないですが、そんなにムシのいい楽な話は世の中ありません。

そんな事を宣伝している方に習う事はおすすめしません。、



脱力というのは、コツがあってすぐ出来る事ではありません。

余分な力が入る原因に、肝心の所の筋力や柔軟性の不足、神経回路の未形成という問題があります。

子供の頃から相当弾いた方は、筋力、神経回路は一応出来てます。
ただそれまでの弾き癖で、違う筋肉や神経回路が発達している事もあります。

そうなると修正には、それなり時間がかかります。

つまり、1度や2度のレッスンでは、問題提議しかできません。
今後何に気をつけて練習すべきか、それに気づいて頂けたらと思います。


ここで1つの例です。
プレ・インヴェンションより、テレマンのスケルツォです。

問題は2段目の最初の右手16分音符、リピートの前

指が動かないとこぼしてました。

動きにくい3.4指を使うので弾きにくいです。

IMG_20160903_130718200.jpg

で、指が動かないと少しイライラされ、無理やり弾こうとします。

ここで肩、肘、手首が突っ張ってしまい、指は余計動かなくなります。

物事、力任せでは解決はいけませんネ(*^^*)


落ち着いて頂き、まず考えて頂きます。

このリズムを勢いで一気に弾こうとする事がそもそも間違いです。

音符が全部つながっていませんよね。

せぇ~の、
(勝負一発!)、ミ~レミファミレミドレミファ
・・・・これ間違いです


心臓にも悪いですよね(笑)

4分の3拍子で1拍ずつに、分けて書かれてます。
①ミ~レミ、②ファミレミ、③ドレミファ

落ち着いて1拍ずつ、ゆっくり丁寧に弾いてもらいます。


中には気難しい方もいて・・・

「ゆっくりなら弾けます
速いから弾けないんだってば


急がば回れと申します。
速く弾けないところは、ゆっくりでも弾けてませんってば(笑)

ゆっくり頭を整理して正しい弾き方をします。
すると余裕が生まれ、ぎこちなくても少しずつ弾けてきます。

ぎこちなさをとる為に、少しゆっくり指先と対話して弾いてもらいます。
これが大事で、この対話で神経回路が出来てくるのです。

「次は3あなたよ、次は4あなた、落ち着いてきれいな音で」


ほんのすこしの反復練習で、随分滑らかに弾ける様になります。

もちろんご本人はまだまだ弾きにくいはずです。

けれどこうして、少しずつ指先への神経回路を作ります。

そうすると指が少しずつ思い通りに動く様になります。
少しずつですよ。

それを反復する事で、動かす筋肉も出来てきます。


少しずつ勢いに任せず、少しずつ楽に弾ける様になります。
余分な力も抜けてきます。



大事なのは、何度も言いますが、

丁寧に美しい音で弾く努力をする事です。


聴き苦しい音やいい加減なリズムは、丁寧で美しい音と、そもそも弾き方が違います。

多くの間違いは、違う弾き方でやたらに練習する事にあります。
違う手の使い方で、違う筋肉や神経を育てるのはナンセンスです。

弾きにくい所は、ゆっくり丁寧に、美しく弾く様に練習して下さい。


それを期間をかけて反復していくと、すると自然に楽な弾き方を体が覚えます。
やがて思い通りの打鍵ができる様になるのです。

弾きにくい原因は打鍵にある事が多いです。
それは少し先のお話

とはいえ、それでは気が長い話ですね。


すでに余分な力に悩まされている方に・・・

肩が上がったり、肘が広がったり、息が詰まってないか。
指先が前を向いていないか
肘を支点に、手をやたら上下に動かしていないか

これらは余分な力が入っている時に多い症状です。

これ、見ていると襲いかかるみたいで怖いですネ
(笑)


気づいたら落ち着いて、リラックスしてみましょう。
それを気をつけて繰り返すだけでも、違ってきます(*^^*)

少しずつ、出来ることから気をつけてみて下さい。

音には愛情を込めて、音楽は愛ですから(*^^*)
大人の方でピアノが大好き!という方達
皆さんお忙しいのに、真面目で練習熱心です。

「基礎からきちんとやりたい!やりなおしたい!」
という話をご自分の先生にされると、


ツェルニー

勧められる事が多い様です。
昔、これがいやでやめたのにな~・・・という話に花が咲き(笑)



私が音大を卒業した頃、大人の生徒さんは本当に少なかったです。

ピアノは大変難しく、演奏のプロ目指すなら子供の頃から、となります。
脳が発達する年齢に合わせると効率が良いのです。

①絶対音感が6歳位まで
②速く正確に指を使う神経は11歳位まで。
③バッハの様な多声音楽を成長期に継続練習する事
④自然に歌える様に幼少期からソルフェージュ必須

ピアノを弾く脳を育てる訳です。
従来の子供のレッスンです。


この②の速く正確に指を動かす神経回路の形成
ツェルニーが用いられてきました。

ツェルニーは譜読みが楽です。
指の運動の反復=パターンが決まっている
曲の構造=パターンが決まっている


なのでどんどん進んで、沢山様々な速い動きを経験する必要があります。
♯や♭だらけで、譜読みに時間がかかっては困るのです。

そして古典の和声、リズム、形式が一応整っています。
どんどん弾いていくうち、基本の和声進行、拍子、メロディ等々が身に付きます。

1曲に時間をかけて完成させるのではありません。
とにかく、すぐに一応弾ける様になるのが目的です
基本一応弾けるなら、とっとと次々進みます。

「とにかく沢山手に当てる。すぐ弾ける様になる事」

音楽の基本構造が身に付き、基本のパターンの技術も覚える
ぱっと楽譜を見て、パターンを読み取り、迅速に処理する脳を作る

ここで身に付く奏法だけでは勿論足りません。
バッハ等の多声音楽で、多声脳の形成と同時に、手の複雑な筋肉を作る訳です。



・・・で、大人のピアノに戻ります。

子供はなるべく様々な曲を弾ける様に、育てる必要があります。

で、大人の方は、好きな曲が弾きたい!訳です。
弾きたくない曲は、弾かなくて(弾けなくて)良いのです(笑)

なので、ツェルニーをやる必要は特にないと私は考えます。
他の事で十分対応できます。

もちろん大人でもツェルニーは有用です。
但し、一応プロを目指す子供と、同じ使い方をすべきでないと思います。

例えばリトルピアニスト等は譜読みが比較的楽で短いです。
楽譜や弾く事にまだ慣れていない方には、有用です。

30番は基本の動きが多くなり、1曲も少し長くなります。
ゆっくりでも丁寧に弾く事により、音楽の基本が身に付きます。

1つ1つの奏法もきちんと覚えられます。
30番に出てくる奏法は、一応マスターすると良いです。
でもゆっくりでいいのですよ。


無理して指定テンポを目指すより、出来るだけ美しく弾く事の方が大切です。

大人の方で基礎からという気持ちでツェルニー30番に取り組まれている方

「美しく丁寧に弾く事」を絶対忘れないで下さい。
テンポを上げる事より、それが一番大切な基礎です


指の動きの為にも、まず感性を磨く事が基礎です。
指を動かすために必要になるのも、繊細な感覚。

無茶にテンポをあげて、感覚や感性を壊すのは本末転倒です。


ツェルニー40番以降は速く弾く事が目的の1つになります。
大人の方はご自分が選んだ曲で十分と思います。


もちろん、やりたい!と言われれば、きちんと対応致します。
それも大変有効な練習になります。

ただし、上達したかったら、独学厳禁!


多くの大人の方がピアノを習う時代の、まだ歴史がひどく浅いのです。

大人の方は、思考回路が出来上がり、経験も価値観もそれぞれ異なります。
練習できる時間も人それぞれです。

でも音楽の基礎をきちんと築けば、大人の方でも相当弾ける様になります。

大人の方の演奏で「あ、ちょっと残念!」な場合
ほとんどは、指が動かないでなく、「そこ、音楽間違ってる」です。

音楽として間違うと、身体は違う動きをしてしまいます。
そして弾きにくく、弾けなくなる事が多いのです。

恐らく皆さんの想像以上に、技術と音楽は一体なのです。


難所をトチる事はよくありますが、音楽が間違っているから弾けない、という事が案外多いのです。

大人の方に大事な基礎は、「音楽の基礎」

基礎練習とはハノン、ツェルニー・・・
こういう発想では、どんなに練習しても上達に限りがあります。

じゃ、音楽の基礎ってどうすればいいの?

大雑把に・・・

あまり難しくない曲の方が効果があります。
短くていいです。きちんとした美しい作品が良いです。

楽譜に書いてある事を、きっちり、まず守りましょう!
おやおや?な事があるはずです。
それが出来ない所が、欠けている基本です。

そして、常に「出来るだけ美しく弾く」事

感性、感覚を磨く事は最も大事な基本です。


ということで、やはり音楽は愛ですネ(#^^#)