大人になってピアノを始めたり再開した方からよく聞きます。
「私は技術がなくてもいい、共感してくれる様な演奏がしたい」
「技術より、誰かの心に残る様な演奏がしたい」
こういう意見、よくききます。
その気持、言いたい事、よく解ります。
ツェルニーとか速く弾けないけど、でも美しく弾きたい!
ツェルニーはともかくですが・・
けれど人の心に残る演奏は、技術がなければできません。
この「音楽と技術は一体」という事、
なかなか理解してもらえない事でもあります。
例えば、
拍子をきちんと理解し、それを伝える技術。
フレーズをきちんと理解し、それを伝える技術。
どの指で弾こうとも、音を均等に弾いたり浮き立たせる技術
和音で、必要な音を聴かせ、かつ美しいバランスで弾く技術
等々
これらは出来ていて当たり前ですが、大変難しいのです。
出来ていて当然ですから、聴いていてもその苦労は解らないのです。
なのにに、出来ていないと、大変聴き苦しくなります。
そして大変困ったことに、
どんな曲も実は地味に大変難しい!(汗)
「ずっと聴いていたい演奏」
技術がないとできないのです。
時々、それを理解できない方とレッスンで奇妙なすれ違いが起こります。
音の長さをきちんと守りましょう
(やれば出来ます)
↑やらずに平気な感性が困る
その和音はレガートにきちんと弾きましょう
(別に音が切れてもいいのに)
↑歌ってたら、そこで切らないでしょ!
もちろん、そんな風に私に仰る訳ではありません(笑)
が、その大事な話をしている時、目線が別の所を追う方、時々いらっしゃいます。
次の速いアルペジオやトリルの事ばかり考えているのが手に取る様に解ります。
(どうやったら弾けるのだ?秘訣があるはずだ)
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せっかくですから、ついでにお話、脱線しましょう。(*^_^*)
例えば「速いパッセージが弾けない!」![]()
速いパッセージを弾く手が育っていない方も多いです。
思う様に指を動かせないから、無理やり弾こうとグチャグチャになってしまいます。
これでは決して弾けません。
長らく強引に弾いてきた方は、特に4指、5指の動きが悪いです。
ゆっくり丁寧に、まず指を動かす神経と筋肉を作らなくてはなりません。
この作業を省略し、「コツ知ってすぐ弾ける様になりたい」、
気持ちは解りますが、無理です。
拍をきちんと取り、まずはゆっくりから、腕や手首でなく、指で丁寧に弾けば良いのです。
音楽として表現したい様に。
正しい弾き方を繰り返す事で、弾ける手を作っていく訳です。
音楽をきちんと理解していないと、違う弾き方で練習する事になります。
つまり音楽として当たり前にやるべき事を、きちんと習得する事が必要なのです。
話戻りますね。
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そんな生徒さんも、皆さん、やがて解って下さいます。
当たり前の事をきちんと覚えて、1つずつ注意し続ける事。
心に残る様な演奏がしたいのなら、それを積み重ねるしかないという事なのです。
技術と音楽は一体だという事を理解するのは大変難しいとは思います。
1つの例ですが・・・
いつもの原則
スラーの開始は意思を持って、そして最後は丁寧に。
これを徹底するのがどれだけ大変か、解りやすい極端な例です。
(趣味で練習される方には、無理がある曲で申し訳ありません)
右手で3つの声を弾きます。スラー、バラバラです。
でもこの原則は守られなくてはなりません。
頭こんがらがり、暗譜も大変、手もつりそうになります。
(メンデルスゾーン、厳格なる変奏曲より抜粋)
守られると、生命ある息遣いの絡み合いの様に、心に響きます。
守られなければ、うるさい騒音になります。
当たり前の事をきちんと守るのは、大変だという事。
「心に残る演奏」は技術がないと出来ないという事。
理解して頂ければと思います。
そして今ご自分が練習されている曲で、出来る事から積み重ねて下さい。
少しずつ、左右のスラーが違ったり、指の都合で弾きにくい事もあるでしょう。
でも、出来る限り、気をつけてみて下さい。
出来る限り、美しく弾いて下さい。
少しずつ複雑な事が出来る様になります。
大人からピアノを始めた方でも、心に残る美しい演奏が出来る様になります。
大変な事ですから、緩く、気長に、楽しく、積み重ねて頂ければと思います。
でも意外に、皆さん、早く上達されます。どうか心配なさらずに。
そんな訳で、いつものレッスン風景
「ああ~っ、惜しい!スラー最後のドスンが残念っ!」
「あ~ん!最後で玉砕!無念!」
と、こんな感じで、緩いです(笑)
先は長いです。正しく緩くコツコツ、続けましょう!
私、ほうれい線も気になりますので(笑)
笑いながら、楽しくレッスン出来ると嬉しいです!(*^_^*)
