昔の親は、今と比べて子どもを厳しく躾けてきたと思います。

子どもを自分の持つ「権力」で、子どもの行動を規制・強制してきました。

 

 

私たちは、それが当たり前だと育った世代です。

 

現代では、親はとっても優しくなりましたよね。

 

親のかかわり方が変わり、

子どもが規制の概念にとらわれずに伸び伸びと自由な生き方も増えているように思います。

 

すごくいいこと!

 

なのですが、

一方で

不登校やうつ、精神疾患などは増え続けていて、

生きにくさを感じている子どもも増えている??のも事実だとしたら、

 

なぜ?

私たちの子どもの頃よりももっと自由なはずなのに。。。

 

そう思うことはありませんか?

 

一体、親はどうしたらいいのでしょうか?

 

 

 

親業を作った臨床心理学者のトマスゴードン博士は

その謎も具体的に紐解いて、私たちに教授しています。

 

ゴードン博士は7冊の本を書かれているそうです。

 

その中で、人間関係が悪くなる「元凶」についても、丁寧に語ってくれています。

 

ゴードン博士は「親の力」を2種類に分けながら、つい曖昧になって陥ちがちな「落とし穴」についても、記述しています。

 

これは、一度読んだだけではすっ飛ばしてしまう箇所でもある(笑)

 

なぜなら、あまりにも当然のようになっていることは、違う概念を「理解できない」からです。

 

だからこそ、私はそこを丁寧に解説したいと思っているのですが、

これも、しょせん私レベルの解説なので、限界があると言わざるを得ません。

 

頭の理解でなく、腑に落ちて理解するという「腹落ち」ができるか否かは、その方自身の感性や知覚によりますし、それこそがまさに親業の学びの道と言えるのだと思う。

 

と、

前置きが長くなりましたが、

 

ここで紹介したいのは、

な、な、なんと、温情主義の親のほうが、子どもから拒絶・怒り・敵対される恐れがある、、という衝撃の事実を記述しているところです。
 

労使関係史の専門家によると、もっとも激烈なストライキは、経営陣が「温情的で家父長的な」会社によく起きたという。

「親業」P160 権力主義の12の悪影響 拒絶・怒り・敵意

 

 

よく似た記述は教師学にもあるので、ここも紹介しますね。

 

温情主義の教師も、しばしば最もきびしい仕返しの槍玉にあげられる。口では慈悲深そうに言いながら、自分が権力を使っているのを隠しているからだ。そんなとき生徒は、欲求不満を発散させると同時に、教師の慈悲の手にかみついてしまったという、罪悪感をもつ。生徒は「二重にしばられ」て、分裂症のような狂気の行動をとる。(パターソンの研究より)その意味では、ただ憎まれるだけの暴君のほうが、温情主義の教師よりましといえる。

「教師学」P184 生徒が用いる処理方法 仕返し、報復

 

←ここんとこは、「教師」を「親」に、「生徒」を「子ども」に代えて読んでみるといいと思う。

 

 

クローバー

 

私は、ココを初めて読んだとき、そして「教師」を「親」に代えて読んだときに心の震えが止まりませんでした。

 

あ~

これね。。。

 

欲求不満を発散したいという突き上げるような気持と、

大切な人の慈悲の手にかみついてしまった、という、大きな罪悪感と、

 

二重にしばられてしまっているのは、子どもなのかな。

 

なので、分裂症のような、深刻な影響が出てしまうことがある、ということが書かれているのですが、

 

これって、親は子どもにとって、暴君つまり「悪役」としての存在でいる方が、子どもの精神衛生の上ではマシだということ、なんですよね。。。

 

 

ああ、

 

以前、私自身が親への持っていき場のない感情に揺さぶられて、

それでも「いい子」であることを、捨てようと決心したとき、

 

 

得体のしれない罪悪感が押し寄せて、身体の半分がもがれるような苦しさを感じて、

 

 

あの時、

自分らしく生きたいという、突き動かされるような本能の叫びのようなものをどうすることもできずにいたけど、

同じくらい、親を裏切っているような懺悔の気持ちにいたたまれずに、本当に苦しくて、毎日泣いて過ごしていたけど、

 

その時の事が溢れてくる。

 

 

それも、後からやっと、理解できたことなんだけど、私は自分の親にいつまでも権威を与えてしまっていた、ということ。

 

これも本に書いてある(笑)

 

クローバー

 

 

よく似た記述は、私が大好きな河合隼雄先生の本にあるのを紹介済みですね。

 

これこれ~

「理解ある親」をもつ子はたまらない

 

 

親業的に解説しているこちらもどうぞ

偽りの受容とは?理解ある親のふりをしていませんか?

 

 

クローバー

 

 

権力が子どもに悪影響があるのは事実かもしれないけれど、

だからと言って、それを全て失くしていくのは現実的ではないかもしれません。

 

だからこそ、

その意味を正確に理解しておくことが、子どもとのかかわり方を考える時に、役に立つと思うのです。

 

そして、親・教師の望ましい態度についても、正しく理解しておく方がはるかに効率がいいと思います。

 

「親が子どもに権力・権威を使う」については、あまりにも当たり前に慣れ親しんでいるし、多少は必要だと思う事もあるかもしれませんが、

 

ここの所も、整理しておくとよいと思います。

 

もし、

「そんなもんだよ~」って、どこかで自分に言い聞かせながら、感情を押し殺して「ふた」をしながら、生きてきたのだったら、

 

それは、無意識に表れているかもしれません。