上場企業の倒産時期を予測する-ニイウスコー・トスコ・アリサカが倒産- | OX理論が測る企業価値

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26年前、資金繰りに特化した財務分析手法が産声をあげた。
それは、【あらかん】から【OX理論(アラーム管理システム)】へと進化を遂げた。
【OX理論】を土台として、企業分析にいそしむALOX社専属ライターのメールマガジン、それに付随するこぼれ話を掲載。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.06.05
 オックススタンダードメールマガジン  『 S T A N D A R D 』
             
 上場企業の倒産時期を予測する-ニイウスコー・トスコ・アリサカが倒産-
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 『フレームワークでまとめる』


 

 情報をフレームワークでまとめる講習を受けた。
 最初は、「情報をカテゴリーごとにまとめるだけだろ」と

 斜に構えていた。

 

 しかし、講座を進めれば進めるほどに“混沌とした情報を

 整理する能力”が付いたような気がする。





 下記の算式は、あらゆる分析において成立すると思われる。
<情報収集+まとめる+ビジュアル化≒何事も理解が容易!>



 これを企業分析に当てはめれば、スーパーな分析ができる

 ・・・と思っている。
 

 

 しかし、理想と現実のギャップは激しく、苦悩する日々です。



それでは、OXメルマガ『 S T A N D A R D 』をお楽しみください。


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上場企業の倒産時期を予測する-ニイウスコー・トスコ・アリサカが倒産-
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 オックススタンダード(株)   http://www.ox-standard.co.jp/
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 【上場企業の倒産が頻発】

 上場企業が4月末から5月末にかけて3社破綻した。

 2008年4月30日 ニイウスコー(東証2部:証券コード2731)
 2008年5月27日 アリサカ (ジャスダック:証券コード 2328)
 2008年5月30日 トスコ (東証2部:証券コード3304)





 【急増!?する倒産件数】

 年初の見込み通り、倒産件数は増えている。
 ただ、ここ数年にはない“急増”であるため、世間では

 「心の準備ができていない人」が多数いるようだ。



 <参照:今年の倒産を予測する【2008年】>
 http://ameblo.jp/oxalarm/entry-10067547719.html





 【上場企業の倒産日分析】

 5月末に相次いだ上場企業の倒産。
 この現象から、下記の疑問が湧く。


 
 <疑問>
 なぜ、5月末に2社も倒産したのか?
 上場企業には、倒産する時期に偏りがあるのか?
 
 



 【月別上場企業の倒産分布】
 上場倒産企業の倒産月ごとに調べた結果が下記である。
 (2002年から2008年5月末日までの倒産企業)


 <チャート>
 http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/default-monthly.pdf

 〔倒産件数 2002年~2008年5月まで〕
 1月 7
 2月 7
 3月 10
 4月 12
 5月 10
 6月 6
 7月 7
 8月 2
 9月 7
 10月  8
 11月  2
 12月  2


 3・4・5月の倒産件数が多い。
 しかし、月別ではやや区分が粗過ぎて傾向が掴めない。





 【月別(上・中・下旬)上場企業の倒産分布】
 上場倒産企業の倒産月(上・中・下旬)ごとに調べた結果が

 下記である。
 (2002年から2008年5月末日までの倒産企業)


 <チャート>
 http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/default-monthly2.pdf

 〔倒産件数 2002年~2008年5月まで〕
 1月上旬 0
 1月中旬 3
 1月下旬 4
 2月上旬 0
 2月中旬 4
 2月下旬 3
 3月上旬 3
 3月中旬 1
 3月下旬 6
 4月上旬 2
 4月中旬 6
 4月下旬 4
 5月上旬 3
 5月中旬 2
 5月下旬 5
 6月上旬 3
 6月中旬 1
 6月下旬 2
 7月上旬 2
 7月中旬 3
 7月下旬 2
 8月上旬 0
 8月中旬 2
 8月下旬 0
 9月上旬 1
 9月中旬 1
 9月下旬 5
 10月上旬 1
 10月中旬 1
 10月下旬 6
 11月上旬 0
 11月中旬 1
 11月下旬 1
 12月上旬 0
 12月中旬 1
 12月下旬 1



 
 このチャートから下記のことが言える
 ①決算期末3月9月に倒産件数が多い
 ②決算短信の提出前後(4月下旬~5月下旬)も

 倒産件数が多い。
 

 (※有価証券報告書提出時期の6月下旬~7月下旬も

 やや多い)


 ※
 倒産が発生しない時期(1月上旬:正月だから?)もあるよう

 だが、あまり参考にはならない。





 【総括】
 上場企業の倒産は、決算期末が多いのは当然だが、
 決算短信提出期限である期末後45日付近も多い。
 



 <今後>
 これから有価証券報告書の提出が本格化する。
 提出が遅延する企業は、“危険な兆候”と言えるだろう。



 
 ※
 あくまで、今回の分析は統計結果である。
 それゆえ、個別企業に当てはめて、「もしかしたら、あの上場

 企業も倒産するのでは?」と考えるのは、早計すぎる。
 上場企業の倒産日には、偏りがあるという認識を持ち、
 その上で個別企業の状況に応じた分析を行うのが、

 常道である。





〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇



 データをチャート化することに、はまっている。
 今回作成した上場企業の倒産時期分布図も想定していた

 3月末と9月末以外にもピークがあり、興味深い結果となった。

 「数字をチャート化するのはコンサルタントだけ」という時代は

 過ぎ去ったと感じる日々です。(HNW)

発行元 オックススタンダード() http://www.ox-standard.co.jp/