アクセス(ジャスダック上場)に粉飾決算疑惑-2005年の売上水増しか!? | OX理論が測る企業価値

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26年前、資金繰りに特化した財務分析手法が産声をあげた。
それは、【あらかん】から【OX理論(アラーム管理システム)】へと進化を遂げた。
【OX理論】を土台として、企業分析にいそしむALOX社専属ライターのメールマガジン、それに付随するこぼれ話を掲載。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.04.28
 オックススタンダードメールマガジン  『 S T A N D A R D 』
             
 アクセス(ジャスダック上場)に粉飾決算疑惑-2005年の売上水増しか!?
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 『決算書のチャート化』

 数値をチャート化する講習を受けている。
 最初は、「数字をグラフにするだけだろ」と斜に構えていた。



 しかし、講座を進めれば進めるほどに「目から鱗」だらけで、
 興味深い。



 今回のアクセス社の企業分析において、少しだけ数値をチャート化
 してみた。やはり、数字が並んでいるだけよりも、100倍分かりやすい。



 ご興味のある方は、下記本文におけるグラフのURLをクリックして
 みてください。



 それでは、OXメルマガ『 S T A N D A R D 』をお楽しみください。



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 アクセス(ジャスダック上場)に粉飾決算疑惑-2005年の売上水増しか!?
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 オックススタンダード(株)   http://www.ox-standard.co.jp/
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 【報道概要】


 <2008年2月28日>
 ジャスダック上場のアクセスが、2005年3月期に売上高を水増しし
 連結最終黒字を装っていた疑い。銀行の融資打ち切りを避けるため、
 経営幹部が粉飾を行った可能性が強い。


 
 社内調査によると、売上高29億円のうち13億円は、本来2006年3月期に
 予定していたシステム開発関連取引を前倒しして計上したものだった。



 【会社概要】
 社名         株式会社アクセス (ジャスダック上場 )
 証券コード      4700
 監査法人      新日本監査法人



 【OX理論で分析】
 ※生存企業のため、公表は差し控えます。
 分析表をご希望の方は、個別に送付いたします。
 下記アドレスに必要事項をご記入の上、メールを送付してください。
 (メールの件名は必ず「アクセス分析表希望」と明記してください。
 必要事項が正確に記載されていない場合は、分析表をお送りできない
 可能性があります。ご了承ください。)

 
 ●メールアドレス:alarm@ox-standard.co.jp
 ●件名:アクセス分析表希望
 ●会社名:
 ●部署名:
 ●名前:
 ●備考(任意入力項目):




 【売上と売上債権の比較 (販売債権立替期間・売上債権回転期間)】
 粉飾があったと言われている2005年の数値を他の年度比較して見ると
 下記の通りである。


                              <単位:百万円>
 決算年月  売上高 販売債権合計 ※販売債権立替期間
  2002     1701      869           6.13
  2003     2860      1387           5.82
  2004     1452      218           1.8
  2005     2913      1520           6.26
  2006     1980      648           3.93
  2007     2313      390           2.02



  グラフ→ http://www.ox-standard.co.jp/pdf2/080428ratio.gif
  (グラフで見ると粉飾がなされた2005年の翌年(2006年)は、売上も
  販売債権も低い。2006年の売上を前倒ししているから当然だが。
  グラフ上の2005年の下にある2003年の数値も異常値である。
  売上に対する販売債権の額が多い。この年度に関しては、“粉飾”
  という報道はないが、異常な数値とは言えそうだ。)



 ※

 販売債権立替期間
 <計算式>
 販売債権(売掛金・受取手形)÷月商





 【異様に多い売上債権】
 数字の羅列だけを見ていると気付かないかもしれないが、

 グラフにすると2005年の販売債権額が異常に多いことが分かる。



 報道によれば、2005年は前倒し売上額として13億円あるという。
 その13億円分がそのまま販売債権に計上されていると思われる。

 その結果として、売上に対する販売債権の比率(アラームでは
 販売債権立替期間、一般的には売上債権回転率)が異様に高い
 数値となっている。



 

 【粉飾テクニック】
 今回の粉飾は、稚拙である。

 
 黒字にするために、売上を増やしただけである。
 その結果として、売上に連動する勘定科目に異常な数値が現れている。



 財務知識がある人物ならば、今回の粉飾を行う場合、売上を粉飾した
 結果として連動して増える販売債権も粉飾する。

 

 具体的には、「その他流動資産」や「棚卸資産」などの勘定科目に
 膨らんだ販売債権額を分散させる。その結果として、販売債権額の数値
 を抑え、粉飾の露見を防ぐことを画策する。


 

 【今後】
 粉飾が事実だとすると、「有価証券報告書への重大な虚偽記載」であり、
 上場廃止基準に抵触する。
 しかし、“重大な虚偽”がどうかは、いつも通り各証券取引所の判断で

 ある。

 
 アクセスについては、2005年売上額の半分近くを粉飾していたたこと

 になる。(売上29億円の内、13億円が粉飾)

 定量的見れば重大な虚偽だが、ジャスダックがどのような判断をするか
 注目したい。(HNW)




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 2月のメルマガにて、「もう一つメルマガを立ち上げようと思っている」
 と記載したが、さまざまなことが起こりすぎて、延期ということで・・。
 新メルマガを期待して頂いていた皆様に大変申し訳なく思っています。
 もう少々お待ちください。 (HNW)



発行元 オックススタンダード() http://www.ox-standard.co.jp/