粉飾疑惑が急増中-平和奥田、ニイウスコー、中道機械 | OX理論が測る企業価値

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26年前、資金繰りに特化した財務分析手法が産声をあげた。
それは、【あらかん】から【OX理論(アラーム管理システム)】へと進化を遂げた。
【OX理論】を土台として、企業分析にいそしむALOX社専属ライターのメールマガジン、それに付随するこぼれ話を掲載。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2008.02.26
 オックススタンダードメールマガジン  『 S T A N D A R D 』
             
 粉飾疑惑が急増中-平和奥田、ニイウスコー、中道機械
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 『中小零細企業の資金繰り支援策、政府決定』

 
 政府は20日午前、中小企業向けに資金繰り支援策を決めた。
 原油高や建築着工件数の落ち込みで収益が悪化する中小零細

 企業の資金繰りを助ける狙いである。


 対策の骨子は(1)金融機能の強化(2)下請け取引対策

 (3)広報対策――の三本柱。(出典:日本経済新聞 2月20日 夕刊)




 この記事は、政府が中小企業の資金繰り悪化を認めことに

 他ならない。
 

 信用調査会社の発表においては、1月の倒産件数が1174件と
 4年ぶりに1100件を上回ったという。
 


 これから年度末の3月にかけて、倒産件数は増加する。
 セーフティネットが速効性と実効性を持っていればいいのだが・・・。


 
 それでは、OXメルマガ『 S T A N D A R D 』をお楽しみください。




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 粉飾疑惑が急増中-平和奥田、ニイウスコー、中道機械

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 【報道概要:時系列順】

 <2008年1月26日>日本経済新聞 朝刊
 『平和奥田が違法配当か、監査法人が指摘。』
 2006年9月期決算を粉飾して原資を捻出し、約1億1千万円を

 違法配当していた疑いのあることがわかった。




 <2008年2月15日>日本経済新聞 夕刊
 『ニイウスコー株、売買を一時停止、東証、粉飾決算報道で。』
 過去に不適切な取引があった疑いがあり、調査を進めているため、
 同日に予定していた2007年12月中間決算の発表を延期すると

 発表した。




 <2008年2月19日>日本経済新聞 地方版
 『中道機械が不正計上、利益2.5億円を水増し、社内調査中。』
 過去数年にわたり少なくとも約2億5千万円の利益を水増しして
 決算で計上していたと発表した。




 【会社概要】
 社名         平和奥田株式会社 (大証2部上場 )
 証券コード      1790
 監査法人      かがやき監査法人


 社名         ニイウスコー株式会社 (東証2部上場 )
 証券コード      2731
 監査法人      トーマツ監査法人


 社名         中道機械株式会社 (札証上場 )
 証券コード      8094
 監査法人      あずさ監査法人




 【OX理論で分析】
 ※生存企業のため、公表は差し控えます。




 【監査意見の追記】
 3社ともに監査法人から無限定適正意見を受けている。
 しかし、3社ともに共通するのは、その意見に“追記”が

 あることである。



 ※
 監査意見とは、監査法人が監査対象会社の財務諸表を妥当性
 (証券取引法監査)、適法性(商法監査)の観点から監査した結果、
 会社に対してその結果を表明する意見。
 
 無限定適正(適法)意見、限定付適正(適法)意見、

 不適正(適法)意見があるが、基本的には不適正意見は

 出されることなく、意見を差し控えることが多い。

 『参照:exBuzzwords』




 【監査意見の追記:最新の有価証券報告書より抜粋】

 <平和奥田株式会社>
 ・追記情報
 1.継続企業の前提に関する注記
 2.過年度決算の内容について重大な疑義が生じ、
   過年度決算を修正する必要がある事象が発生
 3.重要な後発事象に記載のとおり、会社は平成20年

   1月18日の取締役会において、指名解雇の実施及び

   連結子会社小椋建設株式会社の解散を決議した。




 <ニイウスコー株式会社>
 ・追記情報
 1.継続企業の前提に関する注記
 2.重要な後発事象に記載されているとおり、医療事業からの

   全面撤退および第三者割当増資による新株発行を決議している。
   また、会社は平成19年8月29日付でロングリーチグループおよび
   フェニックス・キャピタル株式会社との間で第三者割当増資に

   係わる株式引受契約を締結している。




 <中道機械株式会社>
 ・追記情報
 1.会計処理の変更に記載のとおり、会社は当事業年度から
   「固定資産の減損に係る会計基準」を適用して財務諸表を

   作成している。
 2.会計処理の変更に記載のとおり、会社は当事業年度から

   受取家賃地代に対応する費用を販売費及び一般管理費

   より控除し、営業外費用にて計上する処理に変更している。




 【考察】
 監査意見が無限定適正意見だとしても、追記がある場合は

 注意が必要だ。

 
 「追記とは、本来は中立な立場の監査法人が意見を言っている

 箇所といえる。つまり、追記については、監査法人として懸念

 される事実が記載されており、利害関係者に注意喚起している

 部分である」



 上記3社の追記には、「ゴーイングコンサーン

 (継続企業の前提の疑義 )」「決算訂正」「増資」「会計基準の変更」

 が記載されていた。


 
 ある意味では、粉飾の疑惑報道が出ている企業に相応しい

 監査意見と言えそうだ。




 【今後】
 粉飾が事実だとすると、「有価証券報告書への重大な虚偽記載」

 であり、上場廃止基準に抵触する。


 しかし、“重大な虚偽”がどうかは、各証券取引所の判断である。
 巨額の粉飾が発覚した日興コーディアルグループは、定量的に

 判断すれば確実に上場廃止だったが、何らかの定性要因が働き

 上場が維持された。


 
 上記3社についても、粉飾が事実だとしても、

 即上場廃止とはならない。(HNW)




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 先週末、引っ越しをした。
 この機会に古本、古着などを処分した。
 古本の中には、中学生時代に夢中になった
 横山輝光の『三国志 全60巻』も含まれる。



 中学生の頃、「三国志で誰が好き?」という会話がよくあった。
 諸葛亮公明や趙雲子竜、劉備玄徳と答える人が多かった。

 

 ちなみに、私は曹操孟徳が好きだった。
 自分の思い描く野望を着実に実行し、
 ひた向きに前進するのが気持ち良くて、爽快だった。
 
 自分に無いものに憧れていたのかもしれない。

 (HNW)


発行元 オックススタンダード() http://www.ox-standard.co.jp/