先日、長野県伊那市で講演があり、前から行きたいと思っていた「一夜の城」に行ってきました。天正10年(1582)の織田信長による武田攻めのとき、織田軍の先鋒をつとめた織田信忠が、武田方の高遠城を攻めるために築いた陣城といわれるものです。
場所は伊那市富県貝沼で、JR伊那市駅から高遠の方に約6キロ山に入ったところにありました。たまたま乗ったタクシーの運転手さんがそのあたりの人で、「一夜の城へ行って下さい」といっただけで通じたのはラッキーでした。詳細な地図をもって、くわしく説明しないと行けないと思っていたところ、一発で行けたので、時間の短縮にもなりました。
「そこへ行ってくれといわれたのは30年ここで運転手をやっているけど、お客さんで2人目ですよ」といわれ、私より先に行ったのは誰か、と気になりましたが……。
東西、南北、どちらも約50メートルの単郭の土塁で囲まれただけのものですが、虎口もしっかり残っていました。

伊那には造り酒屋が6軒もあるとのことで、その内の1軒の合資会社宮島酒店で1番おいしいといわれる「斬九郎」をおみやげにもらって帰ってきました。
NHK文化センターの企画「旅座」で、美濃・近江の戦国の城を案内してきました。1泊2日の日程で、岐阜城・彦根城・安土城・長浜城・小谷城の5つですので、かなり強行スケジュールではありました。
長浜城歴史博物館は私が同館の運営協議会委員をやっていますが、ちょうど企画展「日本中世の村落社会~菅浦文書が語る民衆の歴史~」をやっていましたので、コースに入れました。
「菅浦文書」は中世文書だけで1200点を超す、惣村研究にとっては欠かせない文書群です。私は学生時代、滋賀大学経済学部で保管されているこの文書を調査し、実際に手にとっていました。現在は国の重要文化財に指定され、敷居が高く、最近は実物をみる機会も全くありませんでした。
今回、1200点の内36点、代表的な文書が展示されていて、久しぶりに目にすることができました。会期が11月30日までということですので、興味ある方は足を運んでください。
11月24日までの会期で、静岡駅前にある静岡市美術館において、表記の展覧会が開かれていて、先日、見に行ってきました。久能山東照宮博物館所蔵のものは、自分なりに、結構見てきたと思っていたのですが、これまで博物館での展示がなかったものも、今回、展示されていて、見ごたえがありました。
中でも目をひいたのは、有名な「金扇馬標」です。写真では見たことがありましたが、実物ははじめて目にしました。今回、それが広げて展示されていて、その大きさに圧倒されました。これを見るだけでも、足を運ぶ価値があると思います。写真では、その大きさがわからなかったのですが、とにかく大きいです。
その他、ふだん見ることのない紀州東照宮の「東照社縁起絵巻」や、国宝の「久能寺経」も展示されていました。