どうも( ^_^)/
映画の後はモスな者です。
そういえば昔、ファストフード店が食用ミミズを使ってるという都市伝説がありました。
都市伝説、実話怪談、陰謀論、どれも語り口は魅力的で、ワクワクします。
しかしひとつ忘れてはならないのが、「それが本当だったとしても、自分たちの生活に影響はほとんどまったく無い」ってことです。
アポロが月に辿り着いていなかったとして、エリア51に宇宙人がやってきていたとして、残念ながらそのことと俺たちの生活は何の関係もない。
仮にマックの肉がミミズだったとして、ワクチンに5Gが混じっていて打ったら我ら一人一人にIPアドレスとWi-Fi機能が搭載されるとして、それはもうどうしようもない。
力なき市井の一般ピープルである我々に、大企業や国際社会が仕組んだ陰謀をどうにかすることなどできない。
ゲノム編集で牛肉と同じ味になったミミズを腹に溜め込むしかないし、一人二人が拒否したとして粛々とワクチンは打たれ続けていくのです。諸行無常。5Gが身体に馴染んだらパスワード教えてください。
冗談はここまでにして、『ゴジラVSコング』はそんな楽しい陰謀論の物語でした。
・使命に目覚める陰謀論
俺が都市伝説や陰謀論を好きなのは、ぶっちゃけてしまえば暇だからです。
日々の家事やら賃金労働やらその他こまごました作業やらを終えたら、特にやることがない。時間はけっこう余る。
そんな暇人に、陰謀論は手っ取り早い使命を与えてくれます。
「この謎を暴かねばならない。世界を救わねば」といった類の、ヒロイックな使命です。
映画の主要キャラの一人バーニーはそんな陰謀論者の一人ですが、彼の境遇は暇人というには少しかわいそうなもので、彼を見つめる脚本の視線は、いくぶん優しく思えます。
作中時間で五年前、前作『KOM』で大変な目にあったマディソンも、いろいろ思うところあったのかゴジラ限定の陰謀論者です。この手の人間の造形としてよくあることですが、とにかく行動力がある。ストーリーを引っ張る存在として、陰謀論者がいかに使い勝手が良いかがよく分かります。
で、二人が追う陰謀は真実でした。大企業が、とんでもない陰謀を企てていました。
このときの二人の快楽物質の量たるやとんでもないものだったと思われます。
多国籍な巨大企業が陰謀の主役になるのは新しいタイプですが、この映画にはもう一つ、古いタイプの『地球空洞説』が出てきます。
マジか、と思いました。まさか2021年にジュール・ヴェルヌの『地底旅行』の実写映画が見られるとは思いませんでした。
こちらもまさかの真実で、怪獣たちの故郷として描かれています。
こんな楽しくて気分の高揚する世界ってなかなかお目にかかれません。
世界を滅ぼそうとする悪徳企業!?
南極から地球の空洞に行ける!?
ちょっと楽しすぎるので、「これちゃんと現実に戻ってこられるのか」と心配になります。
・すべては怪獣が占めて、締めてくれる
しかし、この映画は大丈夫です。
何せタイトルが
ゴジラVSコング
ですよ。
「怪獣なんてけったいなモンがのっしのっし歩いてる世界なんだから、エイペックスは世界征服を狙う巨大企業だし地球に空洞もあるんだよ!」
という制作者の声が聞こえます。
その通りとしか言いようがありません。
ゴジラが熱線を吐き、キングコングが斧を手にし、海上で、街中で大喧嘩するのを観ていればいい。
トンチキな陰謀と都市伝説に染まった頭が、パッと晴れ渡ります。
陰謀論よりもずっと楽しい「映画の時間」の始まりです。
ぶん殴れ! ぶっ壊せ! 人間なんか気にするな! やっちまえ!!
驚きの隠し怪獣も登場し、映画後半はずっと七歳児みたいな笑みを浮かべていたと思います。
そんな楽しみにどっぷりと浸らせてくれる怪獣の魅力が満ち満ちた映画です。
そして、劇場を出て「大企業の世界征服? 地球空洞説? ……それなんだっけ?」となるわけです。頭は怪獣で占められ、また映画はきっちりと締まり、怪獣によって余計な考えはなくなるのです。
モスバーガーではエビカツサンドを食べました。
(^ω^ )エビ……
(^ω^ )エビラ?
(^ω^;)エビラの肉!?
あまり怪獣にのめり込み過ぎるのも考えもののようです。