ついついシリアスになってしまう今日この頃ですが~上前津BOB 鳥の巣ボーイズナイトVol.38 | ライブハウスの最後尾より

ライブハウスの最後尾より

邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/

 

駆けこむように新年のあいさつ回りをしてきた者です。

 

名古屋に行くと、どんな用事であれ大抵顔見知りに会うのですが、昨日は特にそれが多かったです。

 

俺、このまま人生のエンディングを迎えるんじゃないかと思うほどでした。

 

 

 

 

鳥の巣ボーイズナイトVol.38

 

ずいぶんとご無沙汰してました。行ってきました。

 

 

今回は、渡部裕也さんと須澤紀信くんのツーマンです。

 

紀信くんは一年ぶりの箱ライブだったそうですが、いきなりオープン直後からステージで喋らされ、良い感じにペースを乱されていました。

 

渡部さんは今年初頭から行っていたレコーディングの延長戦みたいに一週間の突貫工事で一枚のCDを完成させクッタクタになってからのステージです。

 

二人とも、自らを崖淵に追い込むアーティスト魂ですね(そうか?)。




 

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我ながら良い写真を撮っています。

 

ここから五年半ちょっとが経ちました。

 

 

 

現在。

 

 

変わったのは店の内装と、両者ともにギターを持っていないことくらいでしょうか。

 

 

歌い喋りの企画ですからね。

 

今日も写真のオープニングトークがグルーブし過ぎ、貫禄の45分押しでスタートでした。

 

 

・渡部裕也

 

会場のMusicBarBob店長であり、名古屋が誇る泣き虫天パシンガーの歌には、人生が刻まれています。

 

野球少年だった頃のことを歌った“Scene”や、音楽に打ち込むきっかけを描いた新曲の“シンガーソングライター”だけでなく、すべての歌が渡部裕也という人物の、人生の歌です。

 

 

そんな私小説・自伝的な曲たちからは、どこか不器用さも漂います。

 

 

喋りがとても面白いのは頭の回転が早いからこそです。

 

ギターがとても上手いのは、反復と体系立った賢い練習をし続けたからでしょう。

 

初めて一年足らずのピアノをステージで披露できるほどにできたのは、音楽的センスの良さを表していると思います。

 

 

それでも、人生を刻んだ楽曲はどうにも不器用です。泥臭さと言い換えた方がいいかもしれません。

 

巧さやカッコ良さより、そういうものが前面に出るからこそ、魅力的なミュージシャンなのかなと思いました。かなり今さらな感想でもありますが。

 

 

 

 

 

購入したアルバムには、“頭がデカい”なんてコミックソングと共に、息子さん(3)が作曲した歌も収められ、思った以上に深みのある作品で、失礼ながら意外な感動を呼び起こされました。

 

 

・須澤紀信

 

 

 

良い声、良い歌、良いギター。

 

何も付け足す必要のない天然有機栽培シンガーのメジャーデビュー三年目は、空白でした。

 

 

ライブはほぼ無く、リリースも無し、物販を何も持たずに名古屋に凱旋してきた意味は、外から見ているより重いんじゃないでしょうか。

 

 

当然、焦燥や苦悩みたいなものもあったでしょう。そんなシリアスさを一切出さずに、一年ぶりのライブをやや気負ってやり抜いたステージは、素晴らしいものでした。

 

 

鳥の巣ボーイズナイトは、ホームでありアウエーですからね。

 

 

綿密に立てたセットリストやタイムキープなど意味を為さない。主に渡部兄貴からの茶々や野次が入りますし、紀信君もそれに丁寧に乗っかってしまう律義さがあるせいです。

 

 

今日はちょっとしたスタッフ兼任で来ていた岡島大くんも、「ここは雰囲気に呑まれる」と、まるで夏の甲子園みたいなことを言ってましたが、鳥の巣の魔物は健在なようでした。

 

 

大事なところで噛んだりもしたけど、そろそろ名古屋と東京の活動期間が同じになると言いつつ、やはり原点はここだという嬉しいMCもしてくれた彼の三十路の令和三年に注目していきます。終演後はお客さんからのお土産で両手が塞がり切った姿に、きっと大丈夫だという予感もしています。

 

 

アンコールでは一切打ち合わせもなく一発決めの“糸”で、吊り橋みたいな緊張感のある締めの曲を披露して終演です。

 

 

夜の八時にほとんどの店が閉まった名古屋の街を歩いて帰る。道々に辛うじて開いているコンビニやらスーパーやらで食料を買い食いしつつぶらぶら歩いていたら、ベロンベロンになったギターの恩師に遭遇する。消えてしまいそうな日常の灯火と、決して消えない人の営みを同時に思う帰り道でした。

 

 

ついうっかりシリアスになってしまいます。

 

 

 

話は変わりますが、来月は俺もBobで歌います。

 

2021年2月23日(火、祝) 

上前津musicbar bob 

百陽たすくレコ発記念発足イベント 【omミドルlive(仮)】 

Ticket ¥2000円(1ドリンク込み)

開場15:00/開演15:30

出演

百陽たすく/いとうより/祖父江直人/ 429/二村ユーリ/鈴木勇作/ マクロスコピック/虹音

 

 

まだこの沈黙の令和三年は続きそうですが、そんな世界の片隅の端っこの先っちょの方で、やかましく歌っていきたいと思います。

 

よろしくお願いします。