どうも( ^_^)/
砂の匂いが嗅げる者です
嗅ぎ分けられる訳ではないですが 笑
さて、アジカンのニューアルバムです
2011年3月11日以降、音楽も大きく変わらざるを得なくなりました
あれだけのことが起きて、今までと同じようには演っていられない、という想いを感じる曲が多くリリースされる中、一番期待値が大きかったのがアジカンでした
特に後藤さんが、雑誌のインタビューでもかなりアグレッシブに言葉を紡ぐようになってきたというのが理由
ブログ・フリーペーパー・そして今アルバムタームでのシングル二曲
「もっと売れたい」というようなことを語っていたのがベストアルバムの時期
「『リライト』『ソルファ』でドンと売れた時は戸惑いが大きくてなかなか前に出られなかったけど、今は世間に訴えていきたいことも多いし、発言力を高めるにはやっぱり売れないと」
そして世に出たアルバム、その名も『ランドマーク』
震災、原発、特に原発の問題では、現実の切っ先で自分自身の無知と惰性を斬りつけられる感覚があって、さらに政治システムや体制のグダグダ感と頼りなさも存分に見た(それも結局俺自身の無関心っぷりが招いたブーメランですが)
結局、人は個人として世界という大海原を自力で渡っていくしかないのだ、国だの経済システムだのに依存して寄りかかっていれば、それが崩れた時に手痛いしっぺ返しを食らうのだ!
だからもっと個として自立せよ!精進せよ!転んだ膝には唾でもつけて改めて勇ましく歩きだすのだ!
・・・などと言われても、目印も何もないだだっ広い海はやっぱり怖いですよ
そこに大きく打ち建てられた、まさにランドマークがこのアルバムです、一曲ずつ紹介していきます
1 All right part2
軽快なドラムとギターリフから始まるロックチューン
後藤さんの近年粘り気を増してきた歌声とチャットモンチー橋本絵莉子さんの真っ直ぐ突き出るハイトーンが良い混ざり具合
2 N2
ちょっとタイトルが謎です、恐らく俺がモノを知らないせいです 笑
歌詞の内容は原発批判、オブラートに包むことを忘れたかのように直截的な言葉で綴られています
3 1.2.3.4.5.6.Baby
これもまた謎なタイトルで、絡みつくようなギターリフ、叫び出すような歌を聴きながらずっと考えてるうちに曲が終わってしまいました 笑
4 AとZ
歌詞を追いかけると、おそらくAtoZの意だと思われます
言葉遊びのようですが、中盤、終盤にかけて、ニヤッとなりました
アフリカンなビートで打ち鳴らされるドラムが聴きどころです
何度振り出しに戻っても、出口のない迷路で繰り広げられる哀しくもどこか愛しい生命の躍動でしょうか
5 大洋航路
さっき、大海原がどうとかこうとか書いていましたが、意図せずリンクしてしまったという心境です
水平線の果てまで続く広大な海の上、ゆらゆら揺れて危なっかしい、一人で漕ぐオールも頼りない、でもきっと大丈夫さ
軽快なリズムでならされる楽曲が、そう言ってくれているようです
6 バイシクルレース
私事ですがパンクしていた自転車を直しました
歩くより早く、でも自分の足を動かしている感覚が残る乗り物で、あちこち走るようになったんです
少しずつすり減るタイヤの不安と、太ももの筋肉が張ってくることを感じながら、ひたすら前へ、希望の方へ、さぁ進め
7 それでは、また明日
メジャーでのキャリア第一作『遥か彼方』を彷彿とさせる真っ正直なロックソングに、オリエンタルなエッセンスを入った楽曲
ストレートなギターロックの歌詞にするには難しいと思われる『それでは、また明日』というフレーズを違和感なく聴かせるのは、アジカンという日本語を大事に歌ってきたバンドが見せた一つの到達点とも言えます
ひたすらに遠くを見据え『遥か彼方』というメッセージが空回りするくらい、“今日の不安定さ”と“明日の不確実性さ”が増した現在に『それでは、また明日』という言葉が感動的
8 1980
1980年ということでしょうか、やや雑味増しのサウンドが古き良きロックという感じの曲
今の選択が、この先を決める
まだ20代前半でも、選挙には既に3回も行った
2030年に、果たしてこの国の原発は無くなっているだろうか?
9 マシンガンと形容詞
淡々とした曲に言葉を詰め込んでひたすら発射していく楽曲
鼓膜にジャブを撃つようにリズムを刻むベースが良いです
嬉しい悲しい楽しい虚しい愛しい侘しい優しい悔しい賤しい苦しい危うい明るい暗い怖い憎い尊い辛い悪い酷い清い臭い想い軽い温い近い遠い若い太い細い熱い深い鈍い渋い寒い永い痛い惨い脆い安い強い醜い疚しい激しい惜しい乏しい拙い連無い素気無い汚い美しい
いくら口から発しても、単体でその思い全ては伝わらない言葉たちが、歌詞を読み解くヒントなのではないかと思いました
10 レールロード
線路に乗って走る
行き着く先、それがほんの数分先の未来の話だとしても、なんだかワクワクします
レールロードとは、そうあるべきだと思うのです
11 踵で愛を打ち鳴らせ
BPM的に、踵でリズムを取りやすい
うん、それは関係ないか 笑
このアルバムに入っている曲の中では最も希望に溢れている曲だと思います
聴いている者の鼓動を徐々に高ぶらせていくような楽曲
12 アネモネの咲く春に
『ランドマーク』の最後を飾るのは、枯れた花のような赤茶色をした“これから”に向けて
「なににという訳じゃ無いが、とにかく、頑張れよ」
と語りかけてくるようなミディアムテンポの曲
確かな存在感を持ってストロークされるアコースティックギターの乾いた音がとても良い
寄る辺を無くしたと思ったら、このアルバムを聴こうと思いますし、リアルな現在が切々と歌われている曲たちは、今のうちに聴いておくのが良いと思われます
必聴の名盤です、是非聴いてみてください