楕円球空間 -7ページ目

Book of the year 2023

いろいろ読んだ割にはズドンと射抜かれる本はなかったような今年。その中ではG.オーウェルの「動物農場」「カタロニア讃歌」は印象的ではあったかな。

 

この後で記事にするつもりだけど、今年は黒井千次再発見の年で、「たまらん坂」「春の道標」「黄金の樹」と読んだ。「たまらん坂」以外は再読だけど、再読が30年ぶりくらい。「春の道標」は16歳、「黄金の樹」は21歳で初読したが、そんな昔に読んだ本でも自分の中に随分と残っていた、なんだか一瞬で青春時代に戻れた。

 

いろいろと書きたいことはあるので、それはまた別記事で。それにしてもgoogle mapを始めとするネットの威力はすごい。16歳になる春に読んでいろいろと調べたかったけどできなかったことが全部できるんだから。

Music of the year 2023

まぁコロナ明け(てないけど)ってことでそんなに行ってない。それも12月だけ。

 

・ラ・ボエーム/バイエルン国立歌劇場/A.バッティストーニ指揮

・D.ガッティ指揮/ドレスデン国立歌劇場オケ

 ベートーヴェン/プロメテウスの創造物序曲

 ストラヴィンスキー/ミューズを率いるアポロ

 シューマン/交響曲第1番「春」

・死の都/ドレスデン国立歌劇場/V.ユロフスキ指揮

 

もちろん死の都は素晴らしかったが、ストラヴィンスキーの「ミューズを率いるアポロ」が新しい発見だったかな。

 

CDのほうはあんまり買わなかったような・・。

今年はここに行きました2023

「コロナは死なない。消え去りもしない。」(フォークナーの言葉、の「過去」←「コロナ」)

 

そんな2023年。学会も出張もコロナ前に戻り、ここに行った。

7月・ソウル(ここで感染・でも卒業生との大宴会は素晴らしく楽しい)

8月・北フランス(暑い日本を脱出!涼しくて気持ちいい。帰りにパリで1泊)

8月・サンディエゴ(カリフォルニアにタイフーン襲来・ダルビッシュを観戦)

10月・ダラス(JFK暗殺60年の年に喜ばしい)

12月・ミュンヘン/ドレスデン(久々のドイツ)

 

来年はあんまりなさそう。夏のボローニャくらいか。

"Die Tote Stadt"見た!聴いた!

出張でドイツに10日ほど行ったんだが、ちょうど予定があってのでドレスデンで。

 

指揮がユロフスキ、パウルがフォークト、マリー/マリエッタがGusevaの予定が直前でVida Miknevičiūtė(ヴィダ・ミクネヴィキューテって発音するのか)に交代。

 

 

全く知らない人だったが、彼女が圧巻の出来で、ある意味Vogtを喰っちゃった。ゼンパー・オーパーのオケはただでも中低音が充実して鳴りまくる上に大編成で大音響の曲なのに、ピットから立ち上がる音塊をぶち抜いて声が通る。ルックスもスタイルも良くて天然の金髪なので演出上も最高。調べたら今年のジルヴェスターはベルリンでペトレンコ/カウフマンと出るっていうんだから、むしろGusevaがキャンセルしてくれてよかったくらい&よくこのクラスの人がスケジュール空いてたな〜、と。Vogtは喰われたものの、実直&純朴そうなルックスはカウフマンよりもこの役には合っているのかも、と認識を新たに(前記事である2021年6月の記事も参照)。発音は綺麗だし、声もよく通るし、2人のバランスはとってもよかった。

 

ということでほぼ不満ない、というかむしろここ5年くらいで見たオペラでも一番いい出来の1つと言ってもいいんだけど、文句を言うとするとユロフスキの指揮で、ちょっと守り過ぎ。この点はペトレンコ・バイエルンの演奏のほうが何枚も上で、ペトレンコのギリギリを攻めるけど破綻しない指揮はやっぱり素晴らしいな、と。

 

演出はDavid Böschで、昏く荒廃した背景で心が沈むわけだが、全体に脚本を丁寧に再現した演出で特に奇をてらうわけでもなく、現代性と古典性がバランスよく配置されている印象。ただ、最後は一捻りしてあって、パウルが最後に旅に出ると行って去っていくところで絨毯をめくるともうひと束長い金髪(遺髪)があって、それを頬ずりしながら横たわるシーンになっていて、完全には過去を払拭できない心情がうまくすくい取られてた。

 

ということで同じ出張でミュンヘンにも行って、そこで見たボエームもとってもよかったんだが(バリトンのDavide Lucianoという人が最高。Mimi役のNicole Carも安定の出来)、それが霞むくらいの印象的な公演。おまけを書くと会場係の女子が美人ぞろいでそこでも満足。

大学選手権・準々決勝

年末名物「あの」東海の再来は十分に予想できたものの、この結果を見るに1ヶ月前の京産ー天理のあの凡戦は何だったのか、と思う12/23。

 

そもそも慶應が12-41で天理に粉砕されたところで不思議な感じではあったんだが、まぁともかく東海が負ける展開(「前半が勝負のポイントで、慶應はロースコアの接戦で東海をリズムに乗せず前半リードできればアップセットの可能性もゼロじゃないかも(前半リードしても取り合いの展開〜東海が17点以上とっちゃう場合、だと慶應は勝てないかな)。」)は「慶應」を「天理」に置き換えても同じなので、そに意味では予想通り。そもそも立ち上がり10分で、これは今年も東海はやらかしてくれることを確信できた。肝心のスクラムで押せず(それどころか1本目は押し込まれ)、ラインディフェンスは食い込まれ、BKのボール回しでは恒例のミス連発でフェイズ10まで連続攻撃が続かない。特にミスで連続攻撃できないのは選手権での東海の毎年の課題で、そこが解決できないまま何年も同じパターンってのはどうなのよ。また恒例の「自分たちのラグビーが出来なかった」「準備していたものが出せなかった」という判で押したようなコメントがでるのかなぁ。流経が対抗戦4位の筑波に負けるのは想定内とはいえ、リーグ戦上位校のレベルは対抗戦の4位争い、関西リーグの3位くらいってことなのか・・・。そろそろ本当にコーチ陣総入れ替えが必要かも。もう一点心配なのは、メンバーの大半が付属校出身で同質化している点で、広くいい選手を集められるチームとしての魅力が陰っているのでは、という点(一方、付属校のトップは東海以外にも結構進学してる)。まぁ毎年の選手権での体たらくを見れば仕方ないという感じもある。東海が負けるのはもはや番狂わせではない、ってことで考えを改めた。

 

第2試合の京産ー早稲田は、そういう意味でひょっとしたら、というのがあったわけだが、こちらも京産のいいところばかりが炸裂した印象。そもそもリーグ戦で成功率60%のキッカーが11/11とは・・・。練習したんだね〜。1stスクラムのヒットで既に押し込んでいたのでFW戦では圧倒できることを確信したわけだが、早稲田のラインディフェンスが京産のパワーに勝てずズルズル押し込まれたのはやや驚いた。去年の決勝で帝京に粉砕されて選んだ道が「フィットネスとパワーとディフェンスの強化」だったはずで、1年かけた結果がこれか・・・、と。こちらもそろそろ首脳陣の入れ替えが・・・。相良さんクラスの優秀なヘッド招聘が待たれるなぁ。帝京・明治に通用せず、この日は京産にも・・・と。早稲田もFWが小さくて選手集めに苦労している感じだし、その上SOにバランスのいい人材がおらず、SHの宮尾が怪我で代役でまかない続けた、という点を差し引いても寂しい試合内容。京産は去年のリベンジってことで徹底的に叩きのめした。毎年書いていることだが、FW(かせめてSH)がキャプテンじゃない年の早稲田は弱い、っていうジンクスは今年も生きてたかなぁ。伊藤が主将じゃなぁ。精神論でまとめちゃダメなのかもしれないが、パーマかけてる時間あったらタックルの練習しろよ、と。

 

秩父宮の2試合はスコアも含めて順当で、これで準決勝は

明治ー京産

帝京ー天理

か・・・。この日を見ると明治ー京産は相当に接戦になるかも。どちらもFW戦で互角に組めること、明治は京産のパワーに負けずにラインディフェンスでゲインラインを切らせないこと、京産はキッカーが好調を維持すること。このへんがキーか。帝京はさすがに有利だと思うが天理のスクラムが優勝した年並みに低くまっすぐになってきたので、FW戦で押し込めないと意外と苦労しそう。楽しみな1/2になりそう。

最近読んだ本(順不同で)

「ツバメのせかい」(長谷川克)

「球審は永野さん」(大園康志)

「ニーチェ入門」(竹田青嗣)

「亜鉛の少年たち」(S.アレクシエヴィッチ)

 

「ニーチェ・・」は新聞のニーチェ特集を見て。奇矯な思想だ、と思う部分もある反面、ある意味屈折した理想主義という面で共感できる面があるのも正直なところ。とにかく教養として読んでみて価値はあった。「亜鉛の・・」は「これでもか!」と続く読むのもつらくなる戦争体験(アフガン戦争byソ連)のルポ。同じことが同じ思想に基づいてウクライナで、そしてガザで行われている現実を鑑みるに冥い未来しか予感させない。「ツバメ・・」は一転、長閑で明るい、しかし厳しいツバメの世界の解説本で、名著「ツバメのひみつ」の続編。「ひみつ」のほうが驚きや面白さ、啓蒙書としての価値があると思ったが、こちらもなかなか。「球審・・」は高校野球の名審判である永野元玄さんの野球人生を、親族のテレビマンが書物にまとめた本。まずまず面白いが、ちょっと散漫で最後まで読み通すのはやや飽きる。

堀江翔太・引退

残念だけど、さすがに年齢考えるともっと続けてとは言えないなぁ・・・。

 

本当に稀代の名HOで、歴代でも最高のHOじゃないだろうか。力だけに頼らず、テクニックとハンドリング技術と高さと走力と、さらに微妙な違いや変化を感じ取る感性・いい意味での繊細さが傑出してた。残りの時間で体力とパワーだけの坂手に、その持てるエッセンスを注入してくれ!人間性も素晴らしくて、誰にでも好かれていつの間にかグループの中心にいる人、って感じ。娘がいて、その娘が堀江を旦那さんとして連れてきたら「でかした!」って言うだろうな〜。

 

ドレッドヘアがトレードマーク、って言われてたけど、自分の中でのパンツの裾が上がってくるのがトレードマークだなぁ。

ラグビー大学選手権展望2023

来週から実質的にスタートする今年の選手権。今年も大予想しちゃうぞ。左が準々決勝(組み合わせ予想)の勝者(予想)。

 

帝京ー関西学院:もうここは鉄板。二軍でも圧勝できる。けが人が出ないことだけが重要。一方で主力メンバーの連携を高めるにはいい調整試合なので、うまく使うことも重要。

 

 

東海ー慶應:昨日の試合を見るまでは天理が慶應に勝てるかも、と思ったわけだが、あんな慶應でも天理には勝ちそう(だいたい慶應はどんなに強くない年でもなぜか関西の大学とか関東の新興校には強い。これぞルーツ校の威光?)。で、あんな東海でも慶應には勝ちそう。筑波が別の山で本当によかった。まぁでも油断はできない。前半が勝負のポイントで、慶應はロースコアの接戦で東海をリズムに乗せず前半リードできればアップセットの可能性もゼロじゃないかも(前半リードしても取り合いの展開〜東海が17点以上とっちゃう場合、だと慶應は勝てないかな)。

 

早稲田ー京産:京産は期待してるわけだが、スクラムの再整備と留学生の突破力を周りがうまくサポートできる体制の構築に成功しないと苦しいか(留学生の使い方&フォローの仕方については去年から指摘してる。そろそろ熟成の時期か、と)。キックの精度の問題もあって、今年は勝機は薄いか・・・。

 

明治ー筑波:流経は東海相手に善戦したようだが、所詮相手は「あの」東海。常磐線対決は真面目でひたむきな筑波勝利、とみた。いづれにせよ明治有利は動かないか。

 

ということで帝京ー東海、明治ー早稲田の準決勝になりそうで、まぁなんとなく決勝のカードも予想できないこともないけど、残り1ヶ月の伸びしろもあるので、ひとまずここまで。

 

 

早明戦2023

11/23の早慶戦後に「慶應ー帝京は50点差以内なら実質的な慶應勝利」「早稲田は相当に苦しい明治戦になる」と書いたが、まずは慶應が10-54で実質的には帝京に僅差で勝利して(皮肉です)迎える早明戦。

 

立ち上がりにラインアウト⇒モール⇒HOがトライ、というシーンで既に明治勝利を確信。平均身長178cmで、184/186cmのLOが一番大きい早稲田に対して明治は190cm台が2人いて、サイズで既に圧倒している明治。当然PGは蹴らずにタッチキック⇒ラインアウト、になるわけで、明治はちゃんとわかっている&あそこで14番までモールに入ってしまう大局観では早稲田はまずい(ディフェンス崩壊の予感)、と。暫く早稲田は耐えていたが、明治は早慶戦の両校よりずっとラグビー理解が高くて何度かチャレンジして失敗したらサッサとPG狙うことに変更して点差をつけて(8-0)、一度スッキリしてから今度は再度ラインアウトモールでトライ(15-0)。このへんから試合の趨勢は見えてあとは明治が何点とって何点差で勝つか、に自分の興味はシフト。後半途中まで早稲田が攻める場面がなく、一方的にサンドバックになるだけ。それでも少し前なら決死のタックルでゲインライン切らせずに焦らせて逆襲できたが、今日は明治がフォロワーが非常にうまく機能して(練習した、という印象)、さらにパワーとサイズ、あと意外な(?)BKの綺麗なサインプレーどどんどんゲインラインを切ってじゃんじゃん得点する。早稲田はFWがサイズ負けして守りきれず、BKはやはり懸念通り伊藤のディフェンスが全然ダメで、守れないチームは勝てない、という通りに。

 

41-3になってこちらもボンヤリしたが、明治もさすがにボンヤリしてきたのか、想定されていた「劣勢になったときの早稲田のヤケクソ個人技攻撃」をうまくいなせず、今度はジャンジャン早稲田がトライを取ることに。明治はただでも2人キック処理で下がるのでラインが1-2人足らないのであんまり過激な守ると危険なわけだがBKのラインディフェンスがとってもシャローで、前半は早稲田もギャンブルせずに保守的に攻めていたので機能していたものの、ヤケクソ攻撃になると伊藤を止めるのに四苦八苦してた。まぁこのへんが修正点かな。38-46で流石にまずい!と思ったが、LO山本が理想的にラックをめくってトドメのトライで勝利。58-38は力関係としては明治には不満だろうが、まぁ快勝というやつだろう。

 

これから選手権だが、まぁ明治は国立行きはほぼ確定。早稲田は組み合わせに恵まれて、こんなのでも国立に行っちゃうんでしょうかねぇ。二度目の早明戦になるとどんなに一度目でボロ負けしていても早稲田が頑張るので明治は慢心せずに(廣瀬主将も戻ってくることだし)、確実に決勝に行ってもらいたい。

京産ー天理

勝ったほうが関西リーグ優勝、というこの一戦。

 

戦前の予想では京産が有利、と思っていたわけだが、右プロップが変わったせいなのか、そもそも今年は去年までほど強くないのか、冴えない試合に。そもそも両チームとも前半から異常に反則が多く、ハンドリングスキルにも欠け、キレイなサインプレーも出せない、という完成度の低さで、おまけにレフリーの致命的なミスジャッジ(どうみてもノックオン。WTB自身がトライしたとおもっていないんだから・・・)が試合の趨勢に莫大な影響を与えてしまって・・・。どこを取ってもダメダメな試合になってしまった。京産が最後に逆転して優勝はしたものの、鼻白んだだけ。

 

京産は去年までのパワーや突破力にも欠けるし、キック&ラッシュが今年の得意戦法らしいんだが11/23の慶應同様キックの精度が悪くて効果は今ひとつ。一番まずいのはキッカーが成功率の低さで、たまたまこの試合では50mのPGが入ったので結果的には勝ったわけだが、このキッカーで選手権を勝ち上がることは難しい。天理は大きくないFWが健闘はしているものの、日本一になったときのような完成度には遠く、BKの突破力にも欠ける。今年はベスト4はお互い遠そう。