anikiのkaratechopper

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土曜日の夕方4時すぎ、テレビを観ていた僕は、「もういいだろう」と冷蔵庫からビールを取り、グイッと飲んでいた。


突然、パァンっと破裂音!


「???」


床に青いガラスの破片。


驚いてソファから立ち上がり、よくよく見ると、僕がサプリメントを飲む時に使う青いカップが粉々に割れていた。


カップはいつも小さなカゴみたいなものに入れていて、キッチンの前のカウンター的な所に置いていたのだが、そのカゴの中で爆発していたのだ。


カゴから破片が飛び出して散乱するくらいだから破裂音にも納得がいく。


とりあえずもう一度グイッとビールを流し込み、その破片を片付けた。


ポルターガイストか? 一瞬そう思ったが、今の時代スマホで検索すれば大抵の事は判明する。


調べてみると、強化ガラスで作られたガラス製品は、その性質上キズや温度変化で強度のバランスが崩れて、ヒビが入ったり、割れたりするとのこと。


やはり破裂音とともに飛び散った体験談などもあった。


超常現象かとちょっとドキドキしたけど、すぐに答えが出てちょっとガッカリである。


そして写真を撮るのを忘れてしまったことが、さらにガッカリなのである。


なかなかトラウマになる体験だった。


ということでもう一本。缶のまま派なので手元は安全なのである。





とある現場の入場時の書類とともに、検便を提出しなければならない事案があった。


感染症対策。もう当たり前のことであろう。


その検便という言葉で、30年くらい前に出会ったある男の思い出がフラッシュバックしてきた。


「ポキール山本」そう呼ばれていた男である。


通常は「山ちゃん」の愛称で呼ばれ、気は優しくて力もち、そして明るい性格で人気者であった。


そんな山ちゃん、なぜポキラーに変身したのか?


仕事が終わり、宿舎に帰ってから仲間たちと一杯飲みながら麻雀をはじめた山ちゃん。


3人打ちの麻雀なので、4人 5人いる時は誰かが抜けなければならない。


そんな状況になった山ちゃん、横になってテレビを見ながらチビチビ飲んでいたら、いつの間にか寝てしまい、なぜかトランクスが脱げていき、寝返りの汗ばんだお尻にそこら辺に散らかっていた紙がくっついて、そのまま眠っていたその寝姿から「ポキール山本」というハイスペックなあだ名がついたのである。


僕はこのポキラー誕生は聞いた話であり、歴史的瞬間に立ち会ってはいないのだが、山ちゃんの人柄も相まって、かなり笑ったことを思い出した。


あの頃の職人たちは豪快な人達であふれていたと思う。


僕が見聞きした出来事だけでも一冊の本ができそうである。


暑くて、寒くて、時には命がけで大変な仕事に加えて、飲み過ぎ、食べ過ぎ、睡眠不足、本当に超人たちだらけであった。


検便でそんなことを思い出した2025年。


今年よろしくお願いいたします。


なのである。



タクシーを降りホテルへ。


ガチャリと鍵を開けて部屋に入る。


あらためて見ると、なんだか修学旅行で泊まった旅館を思い出した。


飾ってある人形に罪はないのだが、夜中にひとりぼっちだとホラーを感じる方もいるだろう。




繰り返すがお人形さんに罪はない。


そして黒電話。アンティークだ。


でも、夜中に突然鳴るとこれもホラー指数は高いだろう。


でもこの雰囲気がノスタルジックでとてもいいのである。


もちろん何事もなくぐっすり眠ることができた。


朝、とりあえずシャワーを浴びようと浴室へ。


日曜日って感じの町の様子が丸見えだ。


今まで生きてきた経験値で、お湯と水のハンドルをひねり、ちょうどいい温度を待つ。


待つ。


待つ。


待つ。


ま...。


一向にお湯が出ない。


水が出るハンドルを締めお湯のほうをマックスにひねりあげる。


だが、出ない。


お湯は出ないのである。


お湯が出ないことを奥さんに伝えると、もしかしたら給湯のスイッチがあるかもと、もう一度部屋をチェックするが、そんなものはない。


僕は「諦める」という勇気を振り絞り、そのシャワーに身を投じた。


「うぅぅぅ はぅっ」


止まりそうになる心臓を叩きながら必死に耐える。


しかし人間とは丈夫なもので、しばらくすると慣れてきて、シャワーから出てくる水の遠くに温もりすら感じるほどになるからすごい。


シャワーを終え、バスタオルで身体を拭き、しばらくするとポカポカしてきた。


これは勇者のみ味わえるご褒美タイムかもしれない。


さあ次は奥さんの番だ。


僕と違って冷静な奥さんは、インフォメーションブックに目を通し始めた。


そしてある文章を発見する。


「お湯が出ないときは蛇口側にレバーを下げ、お湯全開で3分出しっぱなしにしてください。ボイラー君が眠たい目をこすりながらお湯を沸かします」


と記してある。しかも蛍光イエローでラインまで引いてあるのだ。


奥さんは勝利を確信し、その文面通り行動し、3分間待つ。


そろそろかな!と浴室を開けると、湯気ゼロである。


それどころか、遠くに感じられたほのかな温もりも消失、たんなる冷水になってしまったのだ。


もう一度文章に目を通すと、


「23時以降はボイラーが停止し、お湯が出ません」


と、なんのマークもなく記されていた。


ここにマーカーだろ!と独り言をつぶやき、奥さんは浴室へと消えていった。


「キャア〜〜〜っ」


朝なのにホラーな叫び声が響き渡る。


当然だ、11月中旬なのである。






そしてチェックアウト。


チェックインの時に聞いていたが、「明日は午後4時まで誰もいません」と。


鍵をフロントに置いて帰るシステムなのだ。


いろいろと驚きを散りばめたホテルだったけど、これぞ旅の思い出!一生忘れることはないだろう。


エントランスを出て、写真を撮りながら奥さんがつぶやく。


「See you....アゲインは言えないな〜」


楽しい旅路であった。