匝文俳諧/しりとり式駅伝双六 白駒(はっく。「歳月」のこと) | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

回文俳句と似ていますが、回文と違うところは正逆が違う別の俳句になるところです。回文俳句のほうが易しいです。

こ——え  

氷解/白駒乗り野馬/研ぎ鋺柄         (初春)
 ーーこほりどけ はつくのりやば とぎまりえ
襟巻と/流行りの靴は/気取り鉾        (三冬)

季語:氷解(こほりどけ)・初春。襟巻・三冬。
白駒(はっく):①白い馬。②歳月。光陰。
野馬(やば):①野飼いの馬。②陽炎。
鋺(まり):土や金属製の酒や水を盛る器。もい。
気取り(けどり):人の心を惹き付けること。魂を奪うこと。
鉾(ほこ):もともと武器でしたが現在は祭祀の色どりや景気づけの祭具。まつりぼこ。

 氷も溶けるのです。———底抜けに明るい。
歳月は陽炎のように跡形もなく忽ち消え去るのですね。酒器を手に取り傾けながらそんなことを思うのです。
 流行のブランドのマフラーと、コンビネーションのブーツで装備してわたしは今や、祭りの出番待ちの楽屋のホコですよ。

「氷」の歴史的仮名遣いは「こほり」ですが、現代仮名遣いはどうでしょうか。手元の歳時記で、「こうり」と「こおり」が入り混じっています。
氷・氷蒟蒻・氷豆腐・氷解・氷流るる・氷橋・氷柱・凍る——コウリ派
氷水——コオリ派。辞典ではすべて、氷蒟蒻も氷砂糖も氷白玉も氷汁粉も氷水もすべて、コオリでした。通常、漢字なので、どちらでも実害はありませんが、ウチらのミセでは困るのです。
 季語「氷解」は、体言では「コオリドケ」用言では「コオリトク」となって読みが清濁バラバラです。コオリドケで作った句は皆無ですから、コオリトケにするか、いっそのこと廃止したほうがいいのではないでしょうか。

母音で始まるニホンゴは少ない。「え」で始まる冬の季語は「えりまき」唯一つです。これにはオドロキました。マウスを手にしたら季語にぶつかる、と言われる季語の増殖氾濫すると言われるこの時代、ですよ。あまり驚いたのでヘン
な文になってしまいました。

すっかり春になりました。ゴワゴワした冬物をきがえました。体が軽いです。ルンルンです。

現代詩の同人誌に参加して現代詩をつくり、出しました。
『幻代詩アンソロジー』Vol.4という本です。《回析散文詩/源氏物語和歌に隠されたヒ・ミ・ツ》というタイトルです。ユニーク過ぎるし、恐々出したのですけど、プロの詩人がアッとおどろきましたよ。   ライトバース出版・刊¥1500.
マジで評判がいいので、Vol.5-6-7と続きを連載するつもりです。
内容は、源氏物語の料理解体ショー、といえばいいのかな。