さて、ここで用いた「しりとり」の連携構造をすこし詳しく見てみましょう。
【オモテ】
【ふりだし】い-ろ—ろ-は—は-にーに-ほ―ほ-へーへ-とー……み-しーし-ゑーゑ-ひーひ-もーも-せーせ-すーす-京(ウラにつづく)
【ウラ】
京-すーす-せーせ-もーも-ひーひ-ゑーゑ-しーし-みーみ-め…―と-へーへ-ほーほ-にーに-はーは-ろーろ-い【あがり】
オモテとウラの貼り合わせは、上記のようにメビウスの帯のような一回ひねったカタチになるのでしりとり空間はトポロジカルな構造となります。
沓冠(上下)いずれから読んでも同じ文となる俳句を回文俳句といいますが、ここでは順逆で別文の俳句となるように趣向しました。
「回文」ではない新しい試みなので日本語では名称が無く、「名付け」もいろいろ考えました。(複文・層文・番文・重文・伴文・共文・メビウス文・反芻文・捩文・輪文・螺旋文・渦文・歪み文・転文・帀(そう)文)…「メビウスの帯」のようにオモテとウラを一回ひねって糊付けしたような構造になっています。往きと還りで意味が変わらない「回文」と裏腹な性格をあらわす名称———新しい仕組みですから新しい名称「帀文(そうもん)俳句」もすてがたいのですが、「「「回」「転」から「転文」がわかりやすいかと思いました。「転ぶ」といい、転轍機、転向、転変(地異)、などウラトオモテで意味が変わる性格を表しているようです。
正式には「帀(そう)文(もん)または匝(そう)文(もん)」通称「転文」ということにします。
因みに回文を英語でパリンドロームPalindromeというのに対し、帀(そう)文(もん)をシモードニラップSemodnilapといいます。
(つづく)