回文二連俳句/渦連星〈双子座〉12 峰伝ひ | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

2句1章体をモジれば…という悪ふざけ、ですかね。
俳句二片がウラオモテ/メビウス・リンクするという趣向。

○みねつたひ/くもはいとはき/ひとしなむ
 魅熱旅/蜘蛛は糸吐き/ひと死なむ
 峰づたひ/雲は意図掃き/人詩並む
【返句】
 虚し問ひ/際どいは黙/ひた常見


死なむ:「なむ」は【連語】。完了の助動詞「ぬ」の未然形「な」に推量の助動詞「む」の付いたもの。なってしまうだろう。
詩並む(しなむ):詩を並べる。
ひた常見(ひたつねみ):「ひた」は「直」を当てる。もっぱら。いちずに。「常見」は、いつも見ている。絶えず見る。
第一句と第二句は日本語の多義性を応用し一つの詠みに二重の意味をもたせたもの、第三句は第一句第二句の逆読みで受けることによって、納めています。

憑かれたように蜘蛛が糸を吐き続け、人はただ生き死ぬのだろうか。
いや、峰々には雲が意匠を造形し詩人は詩を育む。
【返句】
今はただ口を閉じて連中のすることをじっと見つめているがいい。

「雑」の句です。「峰づたひ」は「峰入り」が夏の季語なので「夏」ではないかという疑念が生じます。が、「峰入り」は「大峰入り」のことで、修験者が修業のために大峰山(奈良)に籠ることから来たものです。しかも、熊野から吉野へ出るコースは「春」、吉野から熊野へぬけるコース(「逆の峰入り」)は「秋」としている。辞典では間を採って「夏」というわけですが、逆読みで季節が変わるのは、面白いと言えば面白いが面白過ぎるのもどうか、というわけでここは「雑」。
問いかけの句(誘いの句)をダブルにしてみました。アソビが過ぎるかとも思いましたが……
そろそろ春ですし……
そろそろ下着3枚の重ね着を減らそうかとも思うし……
啓蟄の地虫から嘲笑されて、ニンゲン弔鐘となるも小癪だし……
どうしたもんですかね……