八黴出づ時のまの木戸追尾かや
———やかびいづ ときのまのきど ついびかや /
八黴(やかび):「八」は、名詞の上に付いて、数の多いことを示す複合語を作る。「八重」「八千代」「八衢」。典雅する場合でなくても使って構わないだろうが、ここでは「黴」が季語なので詠嘆してみせた。
時の間:ちょっとのあいだ。ほんの短い時間。
ここ幾ばくも無いうちに、黴が目に付くようになってきた。あそこにもあった、ここにも出た、と追い回しているのはいかにも歓迎しているようで、我ながら滑稽なことだなあ。そばに植えた常盤木(年中ミドリの木)との対比で木戸が古色付いて何やら趣きが出てきたぞ。
《常盤木は木戸》(ときはぎはきど)じゃわいなア。
入梅です。蒸します。ダルくて眠いです。じゃわいなア、と気取ってる場合じゃないです。