回文俳句日記6月10日兼題「涼し」 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  涼しさや涼しさ師事すやさし数珠
  ———すずしさや すゞしさしゞす やさしずず /

「涼しさ」は、夏の暑さの中にあってこその格別の涼味をこの季語の本意とする、と歳時記にあります。然らばこの対比効果を見習おう。お数珠をまさぐっていると、だんだん優しい気持ちになってくる。

繰り返し記号「ゞ」を文字として回文構造に取り込んでみようと試みました。江戸文学には盛んに用いられたおもしろい工夫だと思います。
回文俳句では、普通の表記では中七は「すずしさしじす」です。逆読みすると「すじしさしずす」となり正しく逆置きになっていません。ここは「ゝ」を使うことで回文にすることができます。