回文俳句日記11月20日兼題「凩」 | ouroboros-34のブログ

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こころに映りゆく由無しごとを其処は可となく書き付けて
ごうなっだのでありますぐるらめ。

  凩にアングル群鴉二字らが子
  ———こがらしにあんぐるぐんあにじらがこ /

凩(こがらし):強い北西寄りの季節風。木を吹き枯らすということから木枯らしという。荒涼とした冬の訪れを音で先駆ける。初冬の季語。
アングル:写真の取り込み角度。
二字(にじ):二文字の漢字すなわち、実名。名乗り。(武士は実名を名乗ることから)武士の身分。

「こがらし」のテーマで、写角にカラスの群舞を入れ、サムライの子供たちをモンタージュしようと思うんだがどうかね。

サムライを「二字」と言ったと辞書にあって、これは面白い、句にしないでか、と思って作ったのがたのがこの句です。「二字」を「二文字」とした、次の句はどうですか。「韮(にら)」のことを「二文字」と言います。

  ●二を欠かさぬ性か食しもタフ
  ———ふたもじをかかさぬさがかをしもたふ

二(ふたもじ):韮(にら)。二文字。「女どもは韮を二文字と云ふぞ」(玉塵抄28)。古名ミラ。強壮野菜として知られ、俗称「起陽草」と言われている。仲春の季語。
食(を)す:【動詞】四段。①食べる、飲むなどの意の尊敬語。めしあがる。②着る意の尊敬語。めす。おめしになる。③治める意の尊敬語。統治なさる。しろしめす。

いつも韮をたべておいでですってね。食べ方も豪快でいらっしゃる。

ネギを「ひともじ」、茎を「く文字」と称し、いずれも女房詞。葱(ねぎ)のことを古語で「き」と一音で言っていたことによる。「一(ひともじ)」は、最も短く最も字画の少ない季語(冬)である。

  一の北へ枯れ臥す古葉哉    蕪村

「一字」そういえば、俳句で今日のような漢字一字の兼題を「一字題」または「一文字題」というのだそうです。尤(もっと)も「凩」は漢字ではありませんが…

蕪村の句は、「一」という一文字題で季語「晩冬」ということになります。
蕪村の句意は、「葱の末枯れはどれも北のほうへ揃って倒れている。無意味の意味をつくづく感じることだなあ」です。「一」の意味がわからないと、わからない句、ってことになりますね。