「時代劇」の衰退がはなはだしい。
時代劇には固有の要素があり、衣装・道具・背景・殺陣など現代劇にはない日本独特の文化を伝承する。
観客動員数や視聴率はまあまあだが制作費がかかるのでその伝承を維持するのがむずかしくなっているのが現状だ。
そこで時代劇振興委員会ではこのほど「昭和」も時代劇に含めることになった。振興基金として幅広く徴収の網をかけようというわけである。
時代考証も従来のようなお目こぼしは認められず厳しくなるはずである。
例えば《花子とアン》では机上は万年筆と原稿用紙だけというシンプルなものだったが、スポイト・インク消し・吸い取り紙も用意されなければならなくなる。
蠅叩きと団扇(煽ぐものとしてではなく、叩いた蠅を集める道具として)もなければならず、蠅帳・蚊帳も欠かせない。
ペットレンタルでは蠅を飼育して(繁殖できないように処理済み)撮影現場に都度適宜搬入することになる。
蠅は五月だけではない。一年を通して需要がある。
一例としてイエバエ飼育を挙げたが時代考証が厳しくなれば新たな付帯産業も生じてくると政府筋は見ている。