明けましておめでとうございます。
本年も相変わりませずご厚誼のほどよろしく
お願い奉ります。
さてお雑煮の餅いくつ食べたかの問題ですが、
一つ半分といったらいいのでしょうか。
まあ聞いてくださいや。
うちのお餅は関東風切り餅四角系ですが、オレのきり方が不調法で大きさがマチマチ、形もなんとか四角形にみえるというていたらく。
「お餅いくつ食べるの?」
「いくつ?…だと? 我が家の餅には〈いくつ〉という量詞は無い。
〈いくつ〉はやめなさい」
「あら。〈いくつ〉がダメってリクツがあるかしら」
捜査一課が現場主義なら我が家の餅は現物主義だ。
みてきめる。
こっちの餅なら一個、そっちのなら三個、という具合だ。
すっかり尻の肉がそげてニンゲン軽くなった。餅きりには出羽に体重を掛けるが、となりの赤児を借りてきて背中におぶって重しの足しにしなさいよ、とつれあいはのたもうが、たかが餅きりにそこまでしては恥さらしとパンツのゴムを締め直し、よろめく腰に拍車を当てて一本勝負に打って出たのが悪かった。
右を見ようとすると右第二肋骨が痛い、左のものをとろうとすると腰椎の十三番目がうずく。立ち上がろうとすると尾てい骨が歯ぎしりをする。
ウチに手持ちの膏薬をはりめぐらせる。尻側はサロンパス背中は湿布張り薬トクホン…まるで借金の取り立て屋から嫌がらせにビラをペタされた玄関のドアだ。
女房殿は笑い転げている。久光の経皮鎮痛消炎外用薬のおかげでオレの背中は福笑いの3D版だ。
背中がピリピリするが、医者には行かない。行けたものではない。
餅をのどに詰まらせて救急車のお世話になるご同輩はたくさんいるが、餅で背中が薬炎症、というのは説明に困る。
身から出た錆といわれればその通りですが…
ではみなさんご機嫌よろしゅう…あいたたタ