O   開催から少し時間が経ってしまいましたが、先日のラグビーワールドカップについて、今日は府中というラグビーの町からお届けしたいと思います。

 
T   なんで府中はラグビーの町なんですか?
 
O   それは正直、よくわかってないんですが(笑)。
 
T   あれ?調べたんじゃなかったの?言うんなら調べてからにしてくれよ(笑)。・・・今調べたところによると、東芝とかサントリーという強豪チームがあるから府中はラグビーの町と言われてるみたいだね。
 
O   なるほど。ちなみに府中は今年放送されてたラグビーのドラマ『ノーサイド・ゲーム』の舞台でもあったね。
 
T   まあ、我々は府中にラグビーを見に来たわけではなく、いつものように競馬を見に来たわけなんですが(笑)。
 
O   休日は競馬に対談と、もう人生終わってますね(笑)。
 
T   ということで、閉幕から半月ちょっとが経ったわけですが、大会を振り返ってみてどうですか?
 
O   僕は完全に「にわか」で、最初の頃はラグビーだラグビーだと盛り上がって、終わってから対談やることも決まってたんで、あれを話そうこれを話そうってことも考えてたんだけど、今はもう時間が経って薄れてきちゃったな。何を話そうとしてたかも忘れちゃった(笑)。
 
T   そんな盛り下がることを冒頭から言わないでよ(笑)。
 
O   でも今までラグビーをじっくり見たことなんかなくって、最初はラグビーのルールすら知らなかったけど、見ていくうちにルールも少しずつわかってきて、奥の深いスポーツなんだってことはわかったよ。
 
T   たしかにラグビーを普段から見てる人もそんなにいないかもね。僕も正月にやってる大学ラグビーを見るぐらいだったな。もちろん生で試合を見たことはなかったし、ルールもそれほど知らなかった。
 
O   サッカーとはまたルールが違うからね。
 
T   そうだね。とくに違和感があったのが、審判がどっちのボールかを示すのに、サッカーだとゴールに向かうチームのほうに手を挙げるんだけど、ラグビーは自陣のチームに手を挙げるんだね。最初はなんで相手ボールなんだろう?って不思議だった。
 
O   同じようなことで言うと、ラインアウトも違和感があったな。サッカーは出したほうの相手チームのスローインから始まるけど、ラグビーだと出したほうのラインアウトから始まったりする。それも最初はわからなかった。
 
T   出したやり方によっては出した側のマイボールになるんだね。最初はいろいろと違和感があったけど、見ていくうちに慣れてきたね。
 
O   では、日本戦から振り返ってみましょうか。まず開幕戦の日本対ロシアは会社の人たちとスポーツバーで観戦してたんだけど、ロシアに勝とうという意気込みでウォッカを飲んでたら、そのまま潰れてしまうという僕にとっては波乱の幕開けだった(笑)。
 
T   全然ラグビーと関係ないじゃん(笑)。
 
O   でもその甲斐もあって(笑)、日本は4トライを決めて勝つことができたね。
 
T   じゃあ次のアイルランド戦のときはアイルランドビールを飲んで観戦したの?
 
O   いや、初戦ぐらいでそれ以降はそんなことしなかったけど(笑)。で、日本はそのあとアイルランドに勝ち、サモアに勝って、勝ち点を積み上げていったんだね。
 
T   そもそも日本の選手も、開幕するまではリーチ・マイケルぐらいしか知らなかったけど、大会が進むにつれてどんどんヒーローが出てきたね。笑わない男稲垣とか、ジャッカル姫野とか、ハットトリック決めた松島とか。
 
O   スタンドオフの田村とかもね。今まで全然知らなかったけど、今大会を通じて知ることができたよ。
 
T   あと、左のウイングの福岡は、ラグビー引退して医者になるようなこと言ってたけど、そういうの聞くとラグビーの選手ってやっぱり頭いいんだって思うね。
 
O   そしてその次のスコットランド戦。面白い試合だったんだけど、僕はその日結婚式帰りで、酒に酔って頭が痛い中やっとのことで見てたので、なぜか苦しい感じとともに記憶に残ってる。オフロードパスとか、後半スコットランドに点を入れさせないためのディフェンスとか、見どころは多い試合だったから、僕もちゃんとしたコンディションで見たかった(笑)。
 
T   まあ、でもそういうエピソードと一緒に覚えてるのも思い出に残りやすいよね。
 
O   あ、あと「ハカ」も気になりましたね。それこそワールドカップ前にはドラマ『ノーサイド・ゲーム』を見てたわけだけど、その中でもハカの話題が出てて、それもあって気になってたから、その意味でもニュージーランドの試合を見てみたいと思ってた。
 
T   ニュージーランド以外にもああいうのやってる国あるよね。サモアとか。
 
O   サモアのは「シバタウ」って言われてるんだよね。また違うものみたい。
 
T   あれって、やるチームとやらないチームがあるから、もちろんみんなやればいいと言えばそれまでなんだけど、やらないチームはただ見てるしかないんだよね。
 
O   で、イングランドが、ニュージーランドがハカやってる間に、V字フォーメーションでそれを見るという奇策に出てた(笑)。
 
T   でも威嚇されてるのをただ見てるだけなのも嫌だよね。見てる側に立てば、片方だけやるのは不公平じゃないかな。
 
O   たしかに違和感はあるよね。片方はきちっと整列していて、片方は踊ってるって、見てて変な感じがする。
 
T   国歌斉唱を片方しかやらないようなもんだよね。あの時のイングランドはキャプテンが不敵な笑みを浮かべてたのも言われたけど。
 
O   そうそう、テレビで見てたら画面にアップで映ったんだよね。
 
T   しかもあれは出ちゃいけないラインを出てたらしくて、ペナルティを食らってたね。
 
O   ああ、それでペナルティなのか。僕は紳士的でない態度がいけなくてペナルティなのかと思ってたよ。あのV字フォーメーションは僕も見てて「おい、やってきやがったな」って思ったから(笑)。
 
T   闘いはもうそこから始まってるってことだね。でもそういうところがニュージーランドの強さの秘訣かもしれない。
 
O   国歌斉唱かどっちかを選べるようにすればいいのにね(笑)。ハカやるんだったら国歌斉唱はやらない。国歌斉唱やった上でハカもやってるから、あの時間は何なんだってことになっちゃう。
 
T   あと、監督が後ろのほうの席にいるのも気になったな。最初、実況と解説の人なのかと思って見てた(笑)。
 
O   そうそう、たしかにあれは気になった!
 
T   そうして見てたら机をバンバン叩くし、解説なのになんでそんなに興奮してるのかと思ってた(笑)。で、そのうちにそれが監督だってことがわかった。
 
O   あれはどうやって指示出してるんだろうね。そして、なんで下に降りてはいけないんだろうか。
 
T   でもコーチは下にいて、監督の伝令を受けて交代の指示とか出してるっぽかったけど、なんでだろう。上からのほうが見やすいからかな。
 
O   そう言われると気になることはたくさんあったね。リプレイの呼び方がサッカーと違うのも気になった。サッカーだとVARって言ってるのが、ラグビーだとTMOって言われてた。
 
T   しかも面白いのが、審判も会場のでっかい画面でリプレイを見るんだよね。
 
O   たしかにサッカーだと審判専用の画面が用意されてるね。
 
T   サッカーはそれで審判が自分で操作しながら見るんだけど、ラグビーは会場でみんなと一緒に見るから、それはそれで面白いと思ったな。
 
O   そういう細かいこと気になりだすと、本当にいろいろ気になっちゃうんだけど、そういうのも面白さの一つだったりするんだよね。
 
To Be Continued...
T   あとは面白かった点だと、石原さとみが日系アメリカ人の役で出てきて、イーオンで鍛えた得意の英語力を発揮するんだけど(笑)、ゴジラを英語風の発音で「ガッズィーラ」って言うんだよね(笑)。
 
O   スペルは「GODZILLA」で、「GOD」が入ってるとか言うんだよね。
 
T   一方でアメリカ版のゴジラだと、渡辺謙が博士として出てくるんだけど、みんな「ガッズィーラ」「ガッズィーラ」言ってる中、一人だけ「ゴジラ」って言ってる(笑)。アメリカ映画だからセリフもみんな英語なんだけど、「ゴジラ」の部分だけは日本語の発音になってて面白かった。
 
O   もともと「ゴジラ」って名前は、「ゴリラ」と「クジラ」から作った造語らしいんだけど、アルファベット表記にすると「GOD」が入るんだね。で、片や初代『ゴジラ』の設定では島の神様的な言い伝えからとって「ゴジラ」と名付けられてる。偶然なんだろうけど、どっちにも「神」の要素が入ってるんだね。石原さとみのおかげで気づくことができたよ(笑)。
 
T   神に選ばれし存在ということかな。そもそも『シン・ゴジラ』ってタイトルも、「シン」をカタカナにしてるのはいろんな意味を持たせてるみたいなんだけど、そのうちの一つに「神」って意味もあるみたいだね。
 
O   あ、そういうことなんだ。なんでカタカナなんだろうとは思ってたけど。勝手に新しいという意味での「新」だと思ってたよ。
 
T   まあ一番にはそういう意味があるんだろうけど、「シン」にはいろんな漢字が当てはめられる。庵野監督はよくそういうことするんだよ。
 
O   たしかに考えてみると「真」なんかもあるし、いろんな解釈ができるね。さっきちらっと音楽の話題が出たけど、音楽に関して触れておきたいのが、昭和ゴジラのテーマ曲ともいうべき『怪獣大戦争マーチ』だね。
 
T   『シン・ゴジラ』では電車が突っ込むシーンで使われてるね。庵野監督自身がオタクだから、ああいうのも本家をリスペクトして使ってるんだろうね。
 
O   あの曲がすごく良いんだよね。何年か前に日立が企業広告で、黒澤明にスポットを当てたCMをやってたんだけど、そのBGMにもこの曲が使われてた。取り上げてるのは黒澤監督なのに、使ってる曲は円谷作品というのはミスマッチなんだけど(笑)。そのCMが、そんなに回数見たわけでもないのに、すごく印象に残った。それだけあの曲が持つ高揚感がすごいんだと思うな。
 
T   誰しもが耳にしたことのある曲だとは思うから、それを劇中で使うというのは、見る人の心をくすぐるよね。
 
O   実はゴジラ作品ってそんなに見てなくて、見た作品でももう内容は忘れちゃったりしてるから、具体的にどういうシーンでかかってたかっていうのは覚えてないんだけどね。
 
T   あとは庵野監督の天才ぶりについても話したいんだけど、あれだけアニメ界で成功していて実写でも成功できるってすごいと思う。両方できる人っている?宮崎駿も新海誠もアニメだけだし、そもそも実写をやろうとは思わないんじゃないかと思う。
 
O   そうだね。そもそもアニメと実写じゃ必要な技術が全然違うと思うからね。
 
T   普通はどっちかだよね。この前見た新海誠のインタビューでは、新海誠は実写っぽくアニメを描くけど、では実写でいいんじゃないかというと、そうではないって言ってたし。かと言って、『シン・ゴジラ』をアニメでやるのも違うと思う。
 
O   アニメじゃ面白くないね。アニメだと官僚たちのやりとりのリアリティがなくなっちゃうからね。
 
T   そこを実写でやろうと思って、実際にこれだけの作品を作ってしまうのは、やっぱり庵野秀明は日本屈指の人材だと思うな。
 
O   僕はよく知ってるわけじゃないけど、変人って話も聞くけどね。
 
T   NHK教育の『課外授業 ようこそ先輩』って番組があるけど、それに庵野秀明が出たことがあって、その中でクレイジーだと思ったのが、子供たちを自分の実家に連れてって、自分の両親にインタビューをさせてた。
 
O   どういうことを訊かせるの?
 
T   それは子供の自由なんだけど、お父さんお母さんも普通の人だから、いきなり子供にインタビューされて困っちゃってる感じだった。テレビで素人の自分の親を出して子供にインタビューさせるって発想、普通は浮かばないでしょ。
 
O   天才と変人は紙一重ってこともよく言われるけど、そういうことなんだろうね。
 
T   エヴァでの碇シンジの心理描写とかも、実際に感じたことがある人じゃないと書けないと思うし。
 
O   やっぱり劣等感なんかも感じながら生きてきたのかな。碇シンジはいわゆるヒーロー物の主人公というより、内面に弱いものを持った存在だからね。敵との戦いの前に、自分の心の中での葛藤があったりして。
 
T   「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ…」ね(笑)。大学のときにエヴァを教材にした授業があったんだよね。90分の授業時間のうち60分ぐらいはエヴァを見てる授業で、めちゃくちゃ人気で立ち見が出るくらいだった(笑)。エヴァを見ながら先生が途中で止めて、ここの描写はこういう心理状態を表してるって真面目に解説する授業だったんだけど、大学の教材にもなるってすごいよね。その先生も、碇シンジには庵野監督自身の心理状態が投影されてるんじゃないかって話をしてた。
 
O   普通の心理状態の人だったらああいう作品は作れないよね(笑)。それは『シン・ゴジラ』を見ても思うな。
 
T   長谷川博己がインタビューで、自分もエヴァが好きだから、撮影中にエヴァの話を庵野監督に振りたかったんだけど、とてもそんな話ができる雰囲気じゃなかったって言ってたよ。そういうオーラも出てる人なんだね。
 
O   そういえば、後から調べてわかったんだけど、『シン・ゴジラ』の劇中で、「どこどこ地区の方は避難してください」っていうパトカーのアナウンスの声で庵野監督が一瞬出演してるみたいだね。
 
T   それを言ったら『風立ちぬ』でも庵野監督は声優をやってるね。なぜ庵野監督を使ったのかは未だに謎で、完全に宮崎駿監督の酔狂じゃないかと言われてるけど(笑)。
 
O   たしかにキャスティング的に考えても、主人公の堀越二郎とは年齢も合ってないよね。庵野監督を使うには年の差が20歳ぐらいありそうな気がする。
 
T   声優でも役者でもないわけだしね。
 
O   若干、棒読みっぽい気も…(笑)。
 
T   そうも言われてるよね。宮崎監督は庵野監督のこと好きみたいだけど。『風立ちぬ』は作品全体を通しても、趣味で作ったなって感じがするからなぁ。
 
O   宮崎監督も、俺も本当はクレイジーなんだぜっていうのをアピールしたかったのかな(笑)。やっぱり天才と言われる人は常人にはない感覚を持っているんだね。
 
T   来年はエヴァの新作もやるみたいだし、庵野監督にはアニメも実写もクレイジーな作品を作り続けてほしいね。
 
O   『シン・ウルトラマン』ってのも計画されてるみたいだね。
 
T   そうみたいだね。それも楽しみだ。
 
O   庵野監督はウルトラマンも好きみたいだから、ゴジラは今回こんな感じだったけど、ウルトラマンがどうなるのかってのも気になるね。
 
T   では、楽しみに待っていましょう。
 
The End.
T   あとは庵野秀明監督ということで、『エヴァンゲリオン』との相似性も、エヴァファンとしては見逃せないところではあるね。まず音楽にエヴァの曲をそのまま使ってる。音楽を担当してるの鷺巣詩郎さんというエヴァと同じ人で、この方は実は『笑っていいとも』の曲も作ってるんだよね。
 
O   へぇ、そうなんだ。アルタということで、ここ新宿とのつながりもあるのね。エヴァは自分も一度は見たことあるから、音楽はわかるよ。あの『踊る大捜査線』っぽいやつとか。
 
T   それに随所に実写版エヴァっぽいところもある。さっきの多摩川で自衛隊が食い止めるシーンとか、使徒が攻めてくるところみたい。ああいうところはニヤニヤしちゃう(笑)。
 
O   ヤシオリ作戦とかもね。
 
T   そうだね、名前も似てるところがあるね。
 
O   ヤシオリ作戦も急に出てくるよね。「これをヤシオリ作戦と名付けよう」と言うんだけど、ヤシオリの意味がわからない。後から調べたらヤマタノオロチを倒すときに飲ませた酒の名前ということはわかったけど、何の予備知識もないところでヤシオリ作戦とか当然のように言われても、全くピンとこない(笑)。コンクリートポンプ車でゴジラに凝固剤を飲ますところに因んで名付けたんだとは思うけど。
 
T   電車を突撃させたりもするよね。
 
O   無人新幹線とかね。新幹線にも「新幹線N700系」ってテロップがちゃんと表示されてた(笑)。
 
T   そう考えるとすごいよね。ミリタリーファンもエヴァファンも電車ファンも、もちろん怪獣ファンも、みんなが満足できる。
 
O   建設機械ファンもかもしれない。あれで使われるコンクリートポンプ車って、生コン車とつなげてビルの高いところとかにコンクリートを送るための車らしいね。この映画を見るまで知らなかったけど。
 
T   まさに総合エンタメ作品だね。あとはこの作品に出てくる政治家や学者はみんなカッコいいね。長谷川博己が演じる官房副長官も、竹野内豊がやってた役も、日本政府もこれぐらいしっかりしてたらなって思わせられるね。
 
O   いかにもT君が好きそうな感じだっていうのは見ててわかったよ(笑)。
 
T   モチーフになってる人もいるみたいだね。例えば、女性の防衛大臣は小池百合子をモチーフにしてるんだったと思う。
 
O   余貴美子さんがやってた役ね。防衛大臣を女性にしてるのは面白いと思ったけど、小池百合子がモデルになってたんだ。
 
T   責任は誰がとるのかってやりとりも面白かった。あとは高橋一生がいたりする学者チームがあったりとか。この作品は劇場にも2回見に行ったけど、何回でも見たいって思えるぐらい完成度が高いと思うな。
 
O   学者という点で初代『ゴジラ』の話をすると、実は初代『ゴジラ』も人間ドラマがメインで、ゴジラが上陸して暴れる時間ってたぶん1時間半ぐらいある上映時間のうちの10分間ぐらいしかないと思うんだけど、学者の話が大半を占めているんだよね。志村喬さんが生物学者をやってたりして。
 
T   あ、そうなんだ。
 
O   で、その志村喬さんの研究によると、ゴジラは恐竜の生き残りか何かで、地層の中に眠っていたんだけど、水爆実験の影響で地層が破壊されて外に出てきちゃったみたいなんだね。今まで、初代『ゴジラ』を見る前までは、ゴジラって放射能の影響を受けて突然変異が起きてああなったのかと思ってたけど、もともとゴジラはあの形の恐竜の生き残りで、水爆実験によって被爆したから放射能を帯びてるってことらしい。『シン・ゴジラ』では自ら放射能を生み出してる感じになってたけど。
 
T   『シン・ゴジラ』のゴジラは、別に水爆で出てきたとかそういうことではなかったよね。
 
O   前提なく急に出てきたよね。
 
T   『ゴジラ』のもともとのポイントは、当時のビキニ環礁での水爆実験という現実的な事件があったことにつながってるけど、今に置き換えると水爆実験というのは現実的ではないから、そういうことにはしなかったのかな。
 
O   初代『ゴジラ』の頃には第五福竜丸が被害に遭う事件があったりしたから、警鐘を鳴らすような意味合いも込められているんだよね。最終的にはゴジラを倒して終わるんだけど、志村喬さん演じる学者が最後に「ゴジラはこれが最後の一匹とは思えない。水爆実験を続けていると、第2第3のゴジラを呼び寄せることになりかねない」といったセリフを言って終わる。
 
T   人類に対する警告があって、社会性が高い作品になってるんだね。
 
O   最初は社会性のある作品だったんだけど、その点、『シン・ゴジラ』は急に出てきて暴れられてるから、理不尽感がある(笑)。社会的なメッセージはとくにないんだね。
 
T   でも初代『ゴジラ』以降もかなりエンタメ化してるからね。いつも不思議に思うのが、ゴジラは単体で出てくると人類の敵になるんだけど、逆に他のモンスターが出てくると味方になって、単体なのか複数なのかで立ち位置が全然違ってる(笑)。そこが若干ご都合主義なんだよな。
 
O   『ゴジラ』がヒットしたんで、東宝さんも調子に乗っちゃったのかな(笑)。
 
T   それに『ゴジラ』がヒットした後って、大映とか松竹とか他の制作会社も似たような作品を作ったんだよね。
 
O   ガメラとかがそうだよね。
 
T   そうそう、ガメラ。ガメラはまあまあヒットして何作か作られてるんだけど、ヒットしなくて1作しか作られてない作品もある。各制作会社が競って作ってたから、二番煎じ的な感じになっちゃうのかな。その当時の怪獣映画ブームについて考えるのも面白い。
 
O   昔の作品と今の違いは知識面にも見ることができて、初代『ゴジラ』で学者がゴジラが現れた近くの大戸島ってところに調査に行くシーンがあるんだけど、放射能が出てるって言ってるわりには防護服も着ずに軽装で、素手でいろいろ触ったりするんだよね。見てて大丈夫かなって心配になる(笑)。
 
T   放射能に対する無知さが表れてるのかな。
 
O   その点、3.11を経験したからかもしれないけど、『シン・ゴジラ』には東京が放射能で汚染されるとかそういう描写が出てくるから、リアルになってると思う。
 
T   あと、エンディングについてだけど、『シン・ゴジラ』のエンディングって諸説ない?
 
O   たしかに意味がわからなかったな。
 
T   人間っぽく見えるとか、そういう話もあったと思うけど。
 
O   途中で学者の誰かが、ゴジラの第5形態は小型化・有翼化して世界中に飛び散っていき、そうなったら世界は終わりだみたいなことを言ってたから、そうなる一歩手前だったってことを言いたいのかと僕は思ったな。
 
T   へぇ、そんな場面があったか。
 
O   ゴジラがあの形でなくなっちゃうってあたりが、庵野先生ならではの発想だね。
 
To Be Continued...