親の「確証バイアス」 | 国分寺発達障害児学習指導教室smileのブログ

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確証バイアス」とは、心理学用語で、「自分が見たいものを見ようとすること」です。


人間は、自分の気持ちや仮説を確証しようとしながら物事を見てしまうものです。

客観的に物事を見ているつもりでも、自分の考えを肯定する部分に無意識にフォーカスしてしまうという脳の動きは、誰しもに起こることです。


私は、親が子どもを見る時も、多分に確証バイアスがかかっていると感じています。

もちろん、私自身がそうです。


長女のことも次女のことも、ありのままに見ているようで、そんなことはできていないのだろうと思っています。

私が「そう思いたい」から、そう見えるんじゃないかな、と、いつも意識しています。


また、逆に自分の確証バイアスを意識して、差し引いて厳し目にジャッジしようとするタイプの人もいるのではないでしょうか。

生徒さんの親御さんを見ていても、どちらのタイプもいらっしゃいます。

人の考え方は本当に様々ですし、どちらがいいとか悪いとかいうことではありません。


が、発達障害のある子どものことを考える時、自分を含め、周りの大人の「確証バイアス」のかかり具合が気になることが多いのは事実です。

なぜなら、

定型発達の子と違って、発達障害児は自分の考えを言葉で言えないことが多いからです。

だからこそ、子どもの動機や考えや現状は、「親の目」を通して認識するしかない、という状況になります。 


できるだけ正確に把握したいところですが、大なり小なり、実際の子どもの現状と、親の認識がズレてしまうこともあると思います。


例えば、

『お子さんが急にギャーと泣き喚いた』時、

←『親を困らせようとしてわざとやっている』

『どこまで許されるか、大人の反応を見ている』

と親御さんが思っていたりしますが、

私の目には『触れたものの感触が嫌だったんだろうな』とか『単に眠いんだろうな』としか見えない時があったりします。

「親の反応を見ようとしていない」物理的な事実を、親御さんはキャッチできていないように見える時があります。


『お子さんが、指示されたことをやらない時』 

←『できるはずなのにやる気がなくてやらない』

と親御さんに見なされているけれど、本当は「指示理解そのものができていない」ためにやれない、という場合もあります。


本当の動機を読み間違えると、対応を間違えてしまいます。

結果、何かしらの問題行動につながってしまうケースは多いと思います。


(ABAで、「消去バースト」と呼ばれるものがありますが、消去バーストと思われているケースのうち、動機の読み間違いによる対応の誤りもけっこう多いんじゃないかな、と私は疑っています。その場合、その対応はとても危険だと思います。)


親は、自分が納得しやすい高次元な原因を考えがちな気がします。

が、実際の「子ども目線」は、もっと単純なことが多いように見えます。


私自身のことでいうと、次女の就学や就労について考える時、娘のことをすごく考えるわけですが、確証バイアスがジャマしてくるなあ、、と、よく思います。

私は、昔大学で、認知心理学か何かの講義で確証バイアスについて学んでから、自分の考えに対して、心の中でいったん「反論」してみるようになりました。

なので、娘のことを考えるときも、あらゆる方面から反論し、あらゆる可能性を想定してみるのですが、それでも何度も間違えてしまいました。


我が子にはどうしても確証バイアスがかかるので、正直言って、娘のことは今でもよく分からないままです。娘の能力も、私は正しく把握しきれていないと思います。

(生徒さんのことのほうが、はるかに正確に理解できている気がします。)

なので、迷った時には、色々な人の意見を聞くようにしています。


とりとめがなくなってしまいましたが、、

我が子とはいえ、他人を理解しようとする時には、自分自身を理解していないと難しいなあと感じます。


親が子どものことを考える時は、

自らの「確証バイアスを自覚すること

が大事だと思う、今日この頃です。



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