まいバ志・於ほご:道しるべの文字が面白かった | のめしこき日記

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 白井城(群馬県渋川市)は1258年(康元元年)、長尾景煕が築城し、以後白井長尾氏の居城となりました。白井長尾氏は特に室町時代中期に長尾景仲・景信が関東管領山内上杉家の家宰となり、上野国・武蔵国の守護代にもなって隆盛を誇りました。豊臣秀吉の小田原征伐の折北条氏に与したため、白井長尾氏滅亡します(1590年)。その後は本多康重の3万3千石藩主(1590~1600年)を経て、数代後1623年廃藩となります。

 廃城後白井宿は城下町の機能は失いました。また、主要街道の宿場町ではないものの吾妻川と利根川が合流する交通の要衝であり、前橋城・沼田城、渋川宿、北牧宿、草津温泉への便もよく流通の要衝地として機能しました。

 

 白井には江戸時代の道しるべがいくつか残っています。その内小さな松原の道しるべ(高さ90.5㎝、幅30㎝)が印象に残っています。

左 ゑちご  あがつま 道

 

右 まいバ志 於ほご 道 

 江戸時代前期にすでに厩橋から「前橋」となっているので、漢字の読めない人にも分かるように「まえばし」、または越後の影響を受けて「まいばし」までは理解できます。「バ」「志」はなぜ「ば」「し」と彫らないのか?
 「おおご」も「お」が方偏を崩したものに「こ」では読めないのじゃないかと思います。パソコンの辞書(MS-IME)には入っていないし、ネットの漢和辞典にも入っていないし。 野次馬根性旺盛な爺さんには、いやぁ興味深い。

 

 上さんにどう読むか聞いてみました。

のめしこき:変な字があったんだけど、なんて読む?

上さん:ああ、「お」でしょ。

のめしこき:え~! どうして読めるん?

上さん:最近習ったんだ。

 「おくやまに」・・・習字で習ったそうです。

のめしこき:漢字?

上さん:変体仮名ってって言って、片仮名・平仮名の仲間。今は使われていない仮名だって。

 

まいバ志(前橋)・・・平仮名・片仮名・漢字

於ほご(大胡)・・・・・変体仮名(於を崩したもの)・平仮名

 いやぁ、江戸時代の人は大変だ。

 

右 ぬまた 双林寺 道

 沼田が平仮名で双林寺が漢字。「ぬまた・そうりんじ」か「沼田・双林寺」に揃えた方が良さそうって、のめしこきは思っちゃいます。 

 

嘉永三年庚戌六月吉日 念仏講中

 念仏講の人々が旅人のために幕末の1850年に建てたもののようです。

 

 それにしても、印象深い文字使いです。