山王(11歳)vs銀時(6歳)。
取組板には尻尾に赤い帯が山王、白い帯が銀時であることが示されています。
勢子たちは牛をよく見ていますから個体識別できますが、同じ体色同士の闘いだと帯を見ないとのめしこきにはできません。この2頭は赤牛が山王、粕毛牛は銀時とすぐに識別できます。どちらも岩手県久慈市から導入された日本短角種です。
越後の角突きは、基本的に日本短角種が中心で、和牛、短角種と和牛のF1が活躍しています。
山王が横から攻める。銀時が体を預けて、山王の疲れを誘うという戦い。
下にもぐって攻めようとする銀時。
また横から攻める山王。
いつの間にかかけっこに。制止しようとする勢子。ですが、なかなか制止できません。肌寒い気候が牛は大好きで、元気いっぱいです。
戦いが終わると、観客の拍手の中、牛持ちが鼻綱を引いて場内を一周します。
越後の角突き始まって以来の歴史的瞬間です。
牛持ちは神戸市の荒木さん。酒と塩で清めたら女性は土俵に上がれないというしきたりがありました。
【荒木さんは「地元の方が場内へ送り出してくれたことがうれしかった」と感慨深げに語った】(読売新聞)とありますが、ゲートの所で躊躇する荒木さんを勢子が「行って来なよ」と背中を押していました。荒木さんの言葉はこのことを指しているようです。
山古志には角突き女子部があり、牛持ちが3人います。
牛が好きなら男女関係なく牛を引く・・・素晴らしいと思います。