退院の日となった。
長かったと思ったが、二週間とちょっとだった。
少しでも早く帰りたい。
母さんに電話した。
「もう支度できてるんだ。早く来てくれ。」
しばらくして母さんが娘と一緒に来た。
「お父さん、母さんが一人で来ようとしていたけど、
早く来いって言ったの?
母さんは一人でこの病院まで来るのは無理なのよ。
私が家に行ったら、玄関のドアに『先に行く』と貼り紙して
出ようとしていたんだから。
間に合って良かった、本当に。」
と娘が怒って言う。
「電話してきたって、まだパジャマじゃない。
これから清算してくるから、着替えていてよ。」
かなり怒りながら、病院の清算窓口のある下に行った。
請求書が出てくるのにも時間かかったようで
結局病院を出たのは11時過ぎになってしまった。
まあしょうがない。
帰宅早々、訪問診療の医者から電話があった。
「これから訪問診療の先生が来てくれるって。」
電話に出た母さんが言っている。
「退院した日に来るなんて非常識だ!
疲れているんだから、そっとしておいてくれ!」
そうもいかないと娘が言うので、ゆっくりできる気分になれず
待っていた。
言われた時間よりだいぶ遅くなってから医者が来た。
脂っこいものは食べるな、薬は必ず飲め、柔らかいご飯にしろ
消化の良いものを食べて満腹にならないようにしろ、
といろいろうるさく言っていた。
娘が
「入院先の担当のお医者さんはどう考えているんでしょうか?
次入院したら手術だ、と念書を書かせたり・・・」と聞いている。
訪問診療の医者はこう言った。
「訪問診療を受けている人が自分で判断して入院するというのは
どういうことだ、と言われました。
いつも診察していないのに、入院したい時だけきて治せと言われても
ということらしいです。
今度からは私に連絡してください。
私が入院した方が良いかどうか、判断しますから。」