今日なにごともなく(10) | 小説 介護される日々

小説 介護される日々

介護される 介護する 寄り添う気持ちとともに。

母さんに電話した。

「明日退院になったよ。

 清算もあるから、朝来てもらえるか?」


「退院決まったの?良かった!」


喜んでいた。良かった。

娘にも連絡してくれるだろう。

明日なるべく早く来てもらって家に帰ろう。

やっと帰れる。


部屋に戻ると、さっきゾロゾロと帰って行った中のひとり

知らないおばさんが戻ってきた。


「ご家族も今日来ていたのに、帰ってしまったんですか?

 一緒に説明聞いてもらえれば、退院の日もすぐ決められたのにね。」

などと言う。

誰なんだ?


「退院は明日にもう決まりました。

 今家族にも連絡しました。」と言うと

「え?そうなんですか?」と変な顔をしていた。


「どなたですか?」と聞くと

「今度担当になったケアマネージャーです。

 前の方から引き継ぎました。」と名乗った。

まったく知らない。

突然そう言われても、どうしたら良いのか。


「ここの病院は隣に老健ありますね。

 以前担当していた方がそこに入っていて、何回か来たことあるんですよ。 

 もう亡くなったんですけどね。

 じゃあ私はこれで。」


言いたいことだけ言って帰って行ったが、

今日は本当になにがなにやら、わからない事だらけだ。