望むこと(10) | 小説 介護される日々

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介護される 介護する 寄り添う気持ちとともに。

今日は銀行の担当者が書類を持ってくると言っていたが

この時間になってもまだ来ない。


どうしたのか。


来ていた娘に「銀行はどうした?」と聞くと

「午前中に来たじゃない。

 書類書いて渡したでしょう。」と言われた。


銀行に言いたい事があると思っていたのに、

来たのか、もう?


「他の銀行に変えるとか文句言っていたじゃない。」と娘が言う。


ぼけたか、私も。


娘が帰ったあと、印鑑がないことに気づいた。

いくら探してもない。

誰かに持って行かれたか!


一応娘に「印鑑知らないか」と電話みる。


「お父さん、印鑑はさっき左の引き出しにしまっていたよ。」

引き出し?

机の左の引き出しをあけたら印鑑があった。


娘に「あった。すまなかった。」と電話で言った。


今日は疲れることばかりだ。

誰か来るとか来ないとか、

大事なものがなくなるとか。

なんだっていうんだ。


やはり母さんとふたりで静かにやっていくのが良いんだ。

望みはそれだけなのに、騒々しいことばかりで嫌になる。