望むこと(9) | 小説 介護される日々

小説 介護される日々

介護される 介護する 寄り添う気持ちとともに。

往診の医者が来た。

訪問診療という制度だと言う。


看護師と医者が二人で来て、

まずすることは自分達の手を消毒することだ。

診察途中も何度も手をぬぐっていた。


やることと言ったら脈と血圧を測るくらいで、話もしない。

こちらの顔もあまり見ない。


まあ面倒なくて良いと思えば気が楽だ。

薬だけ出してもらえれば良いんだから。


薬はずっと前から変わらない種類の薬だ。

これがたくさんあって、今やどの薬が何のためなんだか良くわからん。

毎食後に飲むのもやっと、という感じになってきているが、

しょうがない。

今の暮らしをずっと続けていくには必要なことだ。


医者が帰ったあと、少し腹痛がしたので、

横になった。

夕飯はおかゆにしてもらおう。


腸閉塞が心配だが、医者は何にも言ってなかったし、

少し休めば大丈夫だろう。


そういえばそろそろ銀行に記帳に行って、金もおろしておかないと。

娘に通帳と印鑑を渡して頼むか。

母さんには無理だろうし。