望むこと(8) | 小説 介護される日々

小説 介護される日々

介護される 介護する 寄り添う気持ちとともに。

今日は秋らしい天気で気持ちがよい。

ベランダに出て景色を眺める。

この家ももう30年以上住んでいるが、

周りの様子はずいぶん変わった。


近所につきあいのある人もいないが、

住み慣れた場所だ。

見慣れた景色は安心する。

目をつぶっても動ける家の中だから、

足が悪くなっても大丈夫だし。


今日は娘が来て昼ごはんを母さんと3人で食べた。

寿司を買ってきてくれた。

久しぶりなので美味しかった。


昔の話をずいぶんした。

サラリーマン時代の楽しい思い出、大変だったこと。

母さんと小さい社宅で生活をスタートさせたこと。

そして子どもの頃住んでいた下町。

今はどうなっているのだろうか。


すると娘が昭和の写真をインターネットで探してくれた。

懐かしい風景が出てきて、

母さんと「ここに行ったな。」「この向かいに食堂あったわね。」と

古い景色を思い浮かべていた。


二人でいろいろ思いだして、

娘が帰ったあとも子ども時代の話に花がさいた。