家で暮らしていく(5)a | 小説 介護される日々

小説 介護される日々

介護される 介護する 寄り添う気持ちとともに。

この前、娘が来たときに

母さんには聞こえないように私に言った。


冷蔵庫の古くなっていたモヤシとカビのはえたショウガを捨てた、と。

「お母さんの様子、少し注意してみてね。」などと言う。


母さんは以前と変わらず買い物も行っているし、

食事もちゃんと用意しているんだから大丈夫だ、と答えた。

たまには冷蔵庫のすみに忘れたモノが転がっていることくらいあるだろう。


今日も娘は母さんと待ち合わせて買い物をして帰ってきた。

そうか、私の誕生日か。


「もう66歳になった。母さんは7歳下だから59歳。」と言うと

娘が

「何言ってんの。86歳でしょう。」と真面目な顔つきで反論した。


そうだったかな。

もうそんな年か。

まあいくつでもいい。毎日の生活には関係ないんだし。


娘と母さんと3人で昔の話をした。

そうそう木造の社宅に住んでいた時もあった。

あのあたりは今はどうなっているだろうか。

会社の上司も同じ社宅で娘をかわいがったくれたもんだった。

あの人もどうしているか、元気だろうか。