入梅⑪ | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

すると男性はハッとしたような表情を見せ、言葉よりも先に頭を下げた。

 

「本当に申し訳ありません。私…正直言いますと、誰を信じていいのか分からなくなってしまっているんです…だからお名刺の梅木さんが本当に梅木さんなのかどうか疑問に思ってしまい、つい…… 」

 

額に脂汗を滲ませながら釈明する河原氏は、精神的に相当参っているのだろうと思えた。特に悪意がある訳でも無さそうだし、仮にあったとてどうにでもなる。そう、自分に言い聞かせ、少しだけ声のトーンを落としながら免許証を出した。

 

「いえ、これでご安心頂けるのであれば安いものです…どうぞ」

 

そう言って視線を狩野省吾弁護士の方へ移すと、今度は先生が私に合掌して頭を下げた。

 

「本当に申し訳ございませんでした… 」

 

河原氏は、ひと通り免許証に目を通した後、申し訳なさそうに呟きながら、それを私に返す。私も会釈して受け取った後、それを再び鞄に放り込んだ。

 

「河原さん。少し安心した所で本題に入ってもいいですか」

 

先生が少しだけ冷淡にも聞こえる声でそう言うと、河原氏は取り出したハンカチで額の汗を拭いながら「はい」と、小さく呟いた。

 

「河原さん、河原さんの身分を明かさないと話が何も先に進まない。私の責任に於いて、彼には河原さんの事を少し詳しく話すけどいいですか? 」

 

そこまで言われてしまった河原さんはハッとした様な表情を見せて内ポケットから名刺入れを出した。

 

「すみません、自分の事ばかりになってしまっていて。私はこういう者です」

 

差し出された名刺には、県下で名の知れたドラッグストアの代表者だと書いてあり、その本社が隣県にある事は初めて知ったのだった。

 

「あぁ…私もよくここにはお世話になっています… 」

 

名刺に視線を落としながらそう呟くと、別に嫌味を言ったつもりでも無かったのだが、河原氏は更に恐縮し、何度も頭を下げる。その向かい側で狩野先生は苦笑いをしていた。

 

「まぁ、河原社長…お互い気を遣うのはそれくらいでよしましょう… 」

 

狩野先生の一言で、やっとその場が落ち着きを取り戻した気がした。私も先生に同調し河原さんに余計な気遣いは無用だという会釈をする。

 

「今回調査をお願いしたいのは…河原社長の奥さんの素行になるんだよ」

「はい… 」

 

先生がそう言うと河原氏がクリアファイルの中から切り抜かれて1枚だけになっていた証明写真を出した。

 

「拝見します」

 

目を通すと、どう見ても河原氏とは親子程にも歳が離れている様に見える女性が写っている。普通に見れば20代後半、悪く言っても30代前半くらいにしか見えない。

 

「あの…歳の離れた嫁でして… 」

 

予め用意していた様な口調で河原氏は呟いた。

 

「奥様はおいくつでいらっしゃいますか? 」

「今年ちょうど30になります。誕生日は来月ですので今はまだ、29です」

「なるほど」

 

明るい茶髪で派手なメイクを施した彼女は、まるで夜のネオン街から河原氏が無理矢理引っ張ってきたシンデレラの様な表情で写り込んでいた。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二