途中でYくん、竹下の2人と合流し1台の車で赤坂の家へと向かう。
一体何があったのか( ,,`・ω・´)ンンン?竹下はすっかりYくんの「愛あるお説教」に心酔してしまったみたいで(-_-;)Yくんを見る目が違う。それに何故かYくんの事を「アニキ💛」と呼んでいるし(-_-;)・・・・。
もはや馬鹿馬鹿し過ぎて理由を聞く気にもなれなかったが、とにかく赤坂某の家へ向かう。
「あそこです。」
竹下が恐る恐る指差した向こうには、さっき見て来た白石さんのお宅より更に大きく感じる和風建築の豪邸が建っていた。塀の上からチラリと見える樹木はキチンと手入れされていて、赤坂某が自分で手を掛けたのだろうと思えた。確かに、自分が懸命に手入れして愛着が湧く気持ちが理解出来ない訳では無いが、だからといって家賃を踏み倒していい理由にはならない。ずっとそんな事を考えていた。
「さぁ、行こうか。」
私と竹下が車を降りる。Yくんも加わって3人になれば不要に相手を警戒させるだけだし、何より気の短いYくんなんか連れて行ったら「混ぜるな危険」以外の何物でも無い。まとまる話もまとまらなくなってしまう(´;ω;`)ウゥゥ
そんな訳で竹下1人を連れて家の前まで来たのだが・・・どうにも竹下が怯えて一歩が進まない。
「竹下さん、怖いのは分かりますけど・・・このままじゃ何も解決は出来ませんよ。私も一緒だから・・・。」
そう言って諭すが竹下は身体を震わせるばかりでずっと下を向いている。困り果てた私だって勿論怖い。竹下の怯えようを見れば尚更だ(´;ω;`)ウゥゥしかし、コイツがいなけりゃ「何しに来たの?」とでも言われかねないではないか。
半ば無理矢理引き摺る様に門前まで竹下を引っ張ってきた私は更に無理矢理インターフォンを押した。彼の顔は土気色に変化して、とてもじゃないが生きた人間の顔には見えなかった。
「はい・・・・。」
女性の声がした。多分、当事者である奥さんだろうと思った私は少し大きめの声でマイクに向かって言う。
「恐れ入ります!梅木と申しますが御主人は御在宅ですかぁ!」
すると女性は不思議そうな声で答える。
「梅木様・・・・どちら様でしょうか・・・。」
知らない人間だと警戒心を露わにした女性に向かって無理矢理竹下を引っ張り出し、モニターに向かって顔を見せた。
「あの・・・竹下さんと一緒に来ました!」
そう言うが早いか奥さんは驚いた様子で「少しお待ち下さい」と言ってインターフォンを切った。恐らくは旦那を呼びにでも行ったのだろう。動揺した様子がハッキリと伝わってきたのだ。
きっと赤坂某が血相変えて表まで出て来ると踏んでいた私は少し身構えていたが、結果は驚くべきものだった。
「お前誰だ!!」
何故かインターフォン越しの返事。拍子抜けしたと同時に勝負あったと確信出来た。予想と裏腹の展開に何故だか竹下に対して少し立腹してしまった私は眉根を顰め、竹下の背中を軽く叩いた。
「あ、私ですか?梅木と申します。」
「だからどこの梅木だ!!」
「いや・・・どこのって言われても・・・私は私だし・・・ブツブツ・・・。」
「何の用だ!!」
「あ、これは失礼しました。竹下さんの件でお話があって伺いましたぁ。」
「竹下ぁ!?俺は竹下に用なんてねぇぞ!!」
ここまで言われて正直「カチン!!」と来た。思わず口調が荒くなってしまう。
「そっちに用は無くてもこっちにはあるんだけどな・・・・。」
赤坂の勢いが止まった。
「そもそも会社に脅しかけといて用が無いって?そりゃおかしいだろう。」
「・・・・・・・・。」
「帰れと言うなら帰るがコイツ(竹下)から内緒にする代わりにって50万あんた受け取ったんだよな。」
「・・・・し・・・知らねぇ・・・。」
「分かった!ならいいよ。このまま警察に行って恐喝の被害届出すわ。」
そう言って身を翻した。モニターから私と竹下の顔が消えた(筈)ので慌てたのかほんの少し歩くと玄関をガラリと開け赤坂某が叫んだ。
「ちょっと待て!!」
そう声が聞こえたので後ろを振り返った。初めて見る赤坂の姿だった。
確かにデカいが下田さん程じゃないし、厳つい恰好はしているが薄いサングラスの下の目はクリクリして可愛い。目つきだけで言うならYくんの方が1万倍ヤバい。多少緊張して怖い思いした分損した・・・・と思うと拍子抜けは「怒り」に変わる。それが人間の感情だ。
そもそもいきなり奥さんとの「不貞未遂」現場に厳つい格好でズカズカ乗り込んで来られたもんだから相当動揺したのだろう。そこで凄まれれば相手を良く見もせずに頭の中は「怖い」という先入観だけに囚われてしまう。そうなってしまえば小さなネズミもカピバラくらいには見えてしまうものなのかも知れない。
こちらからは姿の見えないモニター越しに思い切り「ハッタリ」を効かせた効果で、相手を飲み込んめたので私から見える赤坂はまるで小さなネズミに見えた( ´艸`)
「・・・用は無いって言ったかと思えば待てって・・・一体どっちなんだよ・・・。」
振り返り様そう告げる。完全に赤坂を飲み込んだ以上、もう何の緊張も無い。そう言いながら竹下を見たが竹下も少し驚いていたようだった。そりゃそうだ。あんなに怖いと思っていた相手が小さくなっていれば当然のリアクションだろう。
庭の中を見渡したが奥さんの姿は見当たらない。余程バツが悪いのか。
私は赤坂の方に向かって歩く。赤坂が身構えた様な「動揺」を見せたのが分かった。典型的な「弱い者には強い」ヤツの態度だった。だから余計に腹が立った。
「赤坂さん・・・・あんた竹下から50万脅し取ったんだって?」
「・・・・・・・・。」
最初はそんな事微塵も考えはしなかったが、行き掛けの駄賃とばかりにそう呟いた。
(続く)
㈱OTS探偵社ホームページ
あいざわ調査室ネットショップ
←(騙されたと思って押してみよう)
にほんブログ村
←(もう一度♡)
にほんブログ村
弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)
株式会社OTS探偵社
代表取締役 梅木 栄二