㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

人生悲喜交々・・・・。


そんなお話が日常の「探偵事務所」へようこそ!


「探偵」という生き方を通して日々どこにでも起こりうる問題や悩みを少し変わった切り口で考えてみたいと思います・・・。


私のブログを見て、悩んだり凹んだりしている方が少しでも元気になって頂けたら幸いです!

【12時25分】

 

じっと張り込みを続けている私達の前に、柏原幸広達が姿を現す。どうやら、パチンコでそれなりの成果が上がったのだろう。外へ置いてある灰皿の傍で煙草に火を着けて彼が一服始めると、同行していた女性は景品交換所の方向へ小走りで向かっている。

 

「ありゃパチンコに勝ったって解釈でいいのかい? 」

「十中八九そうっすね」

 

定時の見回りでも柏原幸広、女性共に結構な出玉を積み上げていた事から、ほぼ間違い無いだろうと断定出来た。

 

「もしかして今日は上がりか? 」

「さぁ、そればかりは分かんないっすよ昼休憩の可能性もあるっす! 」

「そうか… 」

 

昨日と同じようなリズムでは無い可能性が出てきた事に少し安堵しながら、私達は彼らの動きを注視している。ほんの2、3分待っていると、すぐに女性が柏原幸広の元へ駆け寄り、現金を手渡しているのが見えた。

 

「やっぱり今日は帰るっすかねぇ… 」

「かもな… 」

 

予想通り、柏原幸広は自宅方向へ向かって歩き出す。女性も彼の腕に自分の腕を絡ませ同じ方向へと歩いていく。

 

「行こう、Yくん」

「っす! 」

 

そう思った矢先に2人が国道へ出た所でタクシーを停めたのが見えた。瞬間、思わずYくんに「待って! 」と制し腕を引っ張った。

 

「タクシー乗るぞ!ちょっと待て!! 」

 

私がそう叫んだ事で、Yくんは再び助手席に乗り直し、2人の動向をじっと見つめている。

 

「勝ったせいか気が大きくなってるっすね」

「だな。豪勢なランチでも喰いにいくのか? 」

「かもっすね! 」

 

自分達が尾行されている等とは、全く考えもしない2人とタクシーの後をついていく事はそう難しくは無い。私は出来るだけ国道で離されぬ様に後ろへついて車の流れが途切れるのをタクシーと同じように待った。

 

暫くすると信号で車の流れは堰き止められて、タクシーはスムーズに出ていく。同じ様に私達も、タクシーの後をついていく。

 

「どこ行くっすかね?この暇人達は? 」

「さぁな… 」

 

昼間から豪勢にもタクシーで2人が向かう先など考えもつかない。せいぜい、いつもよりはちょっといい昼食を離れた場所で食べるくらい。勿論、さっきYくんに言った通りだ。時間だってちょうど昼時だし。

 

我ながら行動予測の貧困さに呆れつつも、慎重に尾行を続ける。持っていたハンディカムは既にYくんに手渡されていて、肝心な標識毎、どの道を通って移動したかを念の為に記録していく。

 

「こりゃ街だな… 」

「みたいっすね… 」

「面倒くせぇな… 」

「右に同じっす… 」

 

当たり前の話だが、繁華街で降りられて徒歩でブラブラされれば、当然に2人とも車を置いて後を追わなければならない。神経は遣うし大変な事この上ない。勿論、この仕事には尾行が付きものだから仕方が無いのは分かっているのだが。

 

【12時45分】

 

「着いたっすね… 」

「だな… 」

 

タクシーがハザードランプを点滅させ、昨日女性が降りた所と、そう変わらぬ場所に停車するのを見た。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二

 

 

 

「なんすかそれ? 」

 

Yくんは私の意図が分からず不思議そうな顔をして尋ねる。それは当たり前のリアクションだと言えるのかも知れない。

 

「いやな、このまま調査を続けても柏原幸広が不正を働いているって証明出来るか? 」

「見りゃ分かるっすよ。健康そのものでしょ? 」

「だけど…本人があちこち痛めていて痛いからどうしようも無いと言ってしまえば、それを覆す材料は無いだろう? 」

 

Yくんは無言で考え込んでいる様だったがすぐに口を開いた。

 

「だったら僕が追い掛けるっすよ! 」

「何だよ?追いかけるって? 」

「僕が追い掛けてヤツがもし、走って逃げりゃ足は大丈夫って事にならないっすか? 」

 

子供の頃の学力では、私なんかより遥か上をいっていた筈のYくんが放ったひと言を聞いて、思わずため息が出た。

 

「お前はバカか?そんなもん、Yくんだって熊かなんかに追いかけられりゃ必死で走って逃げるだろう? 」

「僕ぁ闘うっす! 」

「あぁ、そう…そりゃどうも…失礼しました… 」

 

もはや溜息すら出ない…。

 

「いずれにせよ、本人が痛いって言うのを違うって証明するのは、ある意味『悪魔の証明』みたいなもんなんだよ」

「なんすかそれ? 」

「いちいち面倒くせぇな…例えば、私は幽霊を見た事が無いから、普段、その存在を信じてはいないんだ」

「うん? 」

「だけど、誰かに『じゃあ、幽霊がいない事を証明しろ』って言われても、それも無理だ。言ってみりゃ、そう言う事だよ」

「??? 」

 

柏原幸広が身体を痛めている事が「嘘」だという事は証明出来ないとの意図で説明してみせたのだが、あんぽんたんなYくんには何の事だか理解出来ていない。そして同時に、これらは私達が調査を行う上で度々ぶつかる「壁」でもあるのだ。

 

だからこそ、ほんの薄皮1枚でも真実に迫る報告書を作りたい。しかし、彼の日常を観察した記録だけではいざ、それを見せつけた所で一笑に付されてしまうだろう。まだ結論は出ていないのだが、そうなってしまう事を想像するだけでも悔しい。

 

「でも…まだたった2日じゃないっすか。今からそんな事言ったって何も分かんないっすよ… 」

「……? 」

「勿論、僕は頭いいっすからね。社長の言ってる事はすぐに理解出来るっす! 」

「……嘘つけ… 」

「だけど、調査には思わぬハプニングが付き物っす。最後までキッチリ仕事してから考えたらいいんじゃないっすか? 」

「…… 」

 

私はいつも調査をしながら頭の中で報告書を作っている。勿論、自分達が見たままを脚色無く報告する事は当然なのだが、それでもその報告書が身を守る「武器」となり得るものなら、少しでも高い角度から役立てて貰えるよう、常に考えておかなければならない。

 

だからこそ煮詰まりかけていた私の頭に冷や水を浴びせたYくんの一言だった。

 

「まぁ、それもそうだな… 」

「っすよ! 」

 

(続く)

 

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「ふぅわ…眠ぃ… 」

 

翌日も私達は前日と同じ時間に柏原幸広の自宅前を陣取って張り込みを続けている。前日からの疲れなのか慢性的な疲労なのか、もはや区別をつける事は困難だった。

 

【09時50分】

 

「やっぱ来たっすね」

「だな… 」

 

新台入れ替えの昨日よりはやや遅めだが、やはり開店に合わせてこれまた昨日と同じ姿で降りてくる柏原幸広と女性の姿を確認した私達。

 

毎日、仕事にこのくらい情熱を傾けてくれれば、柏原幸広も、もっと違う生活を送っていた事だろう。まるでルーティンの様に、2人は酔っているのかヘラヘラとした笑顔で肩を組み、パチンコ店の方へ歩いていく。

 

「じゃあ、僕は行ってくるっすよ… 」

「あぁ、よろしく… 」

 

Yくんはそう言い残し、気怠そうに車のドアを開ける。私も同時に降りて自分達が停めているパーキングの清算にかかる。まだ、この調査は2日目でしかなかったが、こんな分かりきった行動を1週間、のんべんだらりと続けていいものかと、私なりだが疑問も湧いてきていた。

 

千里眼と言っても差し支えない狩野省吾弁護士が、一体何を私達に期待して仕事を託してくれたのか。その答えはまだ輪郭すらも見えはしない。当初聞かされた話の様に、怪我で出勤出来ない筈の柏原幸広は見る限り、どこも痛めている様子も無く、有給休暇宜しく毎日を女性とパチンコ三昧で過ごしている。

 

私達で無くとも、事情を知らない第三者が彼の様子を見れば、皆が皆「健康そのもの」とジャッジを下すだろう。しかし、「痛み」だけは、怪我をした当人にしか分からない部分がある。怪我を負った当人が「痛い」と言えば、それを真っ向から否定出来る立証手段は皆無だ。

 

「この調査…これ以上私達に何が出来るのだろう… 」

 

このまま時間が過ぎて行き、あっと言う間に契約された調査期間が終了してしまえば、彼が健康体であるにも関わらず会社を休んで遊び呆けているであろう…という結果が残るだけ。あくまで「あろう」に留まるに過ぎない。

 

他人には様々な事情があり、見ただけの主観で善悪を判断する事は、この仕事を続けていく限り、安易に行ってしまわない様、常に慎重ではあるつもりだ。しかし、ここまであからさまに遊んでいる様子を目の当たりにすれば、彼が不正を働いている事に間違いは無いと烙印を押してしまいたくなる。

 

これが調査会社の限界なのか。そんなジレンマを感じながら、彼らの後をついていくだけの私だった。

 

「退屈っすねぇ… 」

「…… 」

 

溜息をつきながら尾行を終えたYくんが助手席に乗り込んでくる。私は無言のまま彼らが入ったパチンコ店の出入り口をずっと眺めていた。

 

「なぁ、Yくん… 」

「なんすか? 」

「これって…きっとパターンだよな? 」

「まぁ、間違いないっすよね」

「なんか…上手くは言えないけど、どこか切り口を変えないとこのまま終わっちゃうよね? 」

「まぁ、そうっすよね」

「こんなんで報告書作った所で何の価値もないぞ… 」

 

(続く)
 

 

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【18時32分】

 

大通りで停車したタクシーの後方、数十メートルの場所に私達も同じように車を停車させる。

 

「社長…まさかっすよね? 」

 

Yくんが不安そうな声で言う。

 

「大丈夫だろう。格好はジャージだったし… 」

「でも…大きな袋持ってたっすよ」

「Yくん!言うな!! 」

 

そう言ったきり2人は押し黙る。暫く続いた沈黙の後、タクシー代金の清算を終えた女性は開いたドアから降りてくるのが見えた。

 

「もう!僕ぁ知らないっすよ! 」

「…… 」

 

2人が予感していたのは、彼女がどこかで洋服を着替え、所謂「同伴出勤」をしたらどうなるのかという不安だった。最悪、21時出勤なんかされた日には、2人してヘロヘロになってしまう。

 

鵜飼が鵜を川に放した様に、Yくんが小走りで駆けていく。

 

街の雑踏に紛れて尾行するYくんと、その数メートル前を行く女性の後ろ姿を眺めながら、どうかすんなり店まで連れて行ってくれる様にと、心の中で祈っていた。

 

私は繁華街で車を停車させたきり、Yくんからの連絡待ちをするしかない。

 

【18時40分】

 

焦れる様に車内でYくんからの吉報を待つこと数分の後、すぐに電話は掛かってくる。

 

「どうだ!? 」

 

急いた様に結論を求める私。

 

「ダメっすよ… 」

 

Yくんの力ないひと言を聞いた瞬間、私も崩れ落ちそうになる。瞑った目尻から涙が零れ落ちそうだった。

 

「って!嘘っすよ!! 」

「はぁ!? 」

「多分、着替えるみたいっすけどね。女は先に店に入ったっす! 」

「マジか!? 」

 

全身の力が抜けそうだった。普通なら「何くだらねぇ嘘ついてんだよっっ!! 」って怒る場面なのだが、もはやその力すら残されてはいなかい…。怒るにもそれなりの「体力」は必要なのだ。

 

「場所、どこだ? 」

「銀杏通りのKビルっす!3階には1店舗しかないっすから、そこで間違い無いと思うっすよ! 」

「そっかぁ…よかった…ご苦労様… 」

 

この時ばかりはYくんの働きに免じて、こちらから迎えに行ってやろうと車を出した。もしも長くなりそうだったら、Yくんだけを生贄に置いて帰る所だったから。

 

【18時45分】

 

「っす! 」

「お疲れ様」

 

勤務している店を自ら判明させたからなのか、不思議とYくんは少しばかり元気になっている。本来なら、私も少し喜びを分かち合って元気にならなければならない場面だが、早朝からの1日は少し長すぎた。

 

「さぁ、帰ろうか… 」

「っすねぇ… 」

「どうだ?たまにはメシでも喰って帰るか…? 」

「いや、僕ぁ疲れたっす… 」

「だよな…私も言ってみただけだよ… 」

 

会社を興して二十数年、当時は2人とも若かった。24時間を軽く超える調査をこなしても、一晩眠ってしまえば翌日にはやる気満々で現場に臨む事が出来た。しかし、今はどうだ?2人のオジサン達は、技術を向上させはしたものの、肝心の「体力・気力」が続かない。

 

小学生の時分から、互いを見知った2人も気持ちだけはその時のままで、身体と見た目はすっかり凋落を迎えつつある。しかし、そんな現実を受け入れるには2人はまだ若すぎる?疲れすぎて分かんない(´;ω;`)ウゥゥ

 

(続く)

 

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【18時00分】

 

「Yくんあれ…! 」

「かあっ!!面倒くさいっすねぇ!! 」

 

Yくんが腹を立てる気持ちも理解出来ないではない。階段の前に1台のタクシーが停まったのが見えたのだ。誰が乗るか見届けなくてはならないし、最悪これに乗ったのが柏原幸広だったとしたら、当然に無視は出来ない。

 

今日1日、集中しっ放しだった私達にとって、このタイミングでタクシーの到来にはただ狼狽するだけだ。

 

「勘弁してくれよ… 」

「まったくっす… 」

 

ブツブツ言いながらもハンディカムを構えた私もそうだったが、横に乗っているYくんも同様、これに乗るのは十中八九柏原幸広で間違いないと踏んでいた。だからこそ狼狽してみせたのだ。

 

【18時05分】

 

「おっ!? 」

「うん!? 」

 

階段を柏原幸広の彼女?が降りて来るのが見えた。朝からずっと見ていたジャージみたいな姿に髪の毛だけ綺麗にアイロンでカールされていて、誰がどこからどう見ても「夜のお仕事」に出勤します的な井出達だ。

 

「……おい、どうするよ… 」

「さぁ… 」

 

柏原幸広を調査する上で、余計な情報と言えば余計な情報だ。私は目を閉じて暫く考える。彼女が出勤している店を突き止めた所で、当該調査と関係あるとまでは言い難い。

 

これ以上Yくんに相談した所で、きっと同じ返事を繰り返すだけだろう。そう思った私はひとつ決断する。

 

「しんどいけど…行こうか? 」

 

私がそう言うと、Yくんは「やっぱり」と言わんばかりにやる気の無い返事を返す。

 

「っ…す… 」

 

私とて気持ちは同じだ。しかし、こんな調査が毎日続くのであれば、余計な情報であってもどこで何が役に立つかはやってみなければ分からない。無駄な動きだと理解した上で、私は慌てて車を出庫させる為の支払いを済ませる。

 

「出たっすよ! 」

「あぁ、分かってるって… 」

 

どの道行き先は繁華街だ。タクシーが進む進路なんて、おおよそ見当がつく。駐車場のフラップ板を下げた私は荒々しく車を出した。

 

狭い道を飛ばして国道まで出ると、運のいい事に先の方で信号停車しているタクシーが見える。そこからは少し速度を落としてピタリと後ろに付ける。

 

「Yくん」

「何すか? 」

「雑居ビルに入ったらあまり無理しなくていいぞ。店まで判明させるのは遮二無二今夜で無くてもいいからな… 」

「分かってるっすよ」

「わざわざエレベーターまで一緒に乗る必要は無いよ。どのフロアか分かればそれでいい」

「くどいっすね!分かってるっす!! 」

 

一度、緊張感が途切れてしまえばそれを元に戻すのは難しい。そんな時こそちょっとしたミスが後々決定的な後悔に繋がる事を知っている私達だからこそ、くどいと言われても確認事項は怠らない。例えそれが関係無い捕捉情報だったとしても…だ。

 

そして、そう言いながらもひとつ気になっている事があった。余計な不安は的中しないに越した事は無いのだが。

 

そんな私達バカ2人の不安を他所に、タクシーはまるで決められた道を繁華街の方へと進行して行った。

 

【18時30分】

 

夕方の渋滞に巻き込まれながらも、タクシーは繁華街の大きな通りで減速しながらハザードランプ点滅させた。

 

(続く)

 

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【16時20分】

 

結局、店内で彼女の姿を見つける事は出来なかった。勿論「手洗い」に入っている可能性だってありはするのだが、こればかりは確かめる術も、時間も無い。

 

そんな彼女に見切りを付けて、私は柏原幸広の住むアパートへと戻った。車が柏原幸広の自宅前、コインパーキングに到着しそうになった時、アパートの手前、塀の影に身を寄せていたYくんがぬっと出てきてパーキングへ駐車し直した車に乗り込んでくるとポツリと呟いた。

 

「アイツ…一体なんなんっすかねぇ… 」

「さぁな、彼女と喧嘩でもしたか? 」

「わかんないっす」

「そりゃそうと、女性も店内から消えてたぞ! 」

「マジっすか? 」

「あぁ、もしかしたらトイレかも知れないけどな。わざわざ確認まではしなかった」

「そうっすか…… 」

 

私達はそう言ったきり…後は黙り込んで再び張り込みに入る。もしも今日、このまま柏原幸広に動きが無ければどこかでここにも見切りを付けて調査を終えなければならない。そんな事を考えながら…

 

【17時05分】

 

「おい、Yくん」

「なんすか? 」

「どう思う?この調査… 」

「どうって…何をっすか? 」

「いやな、朝も早かっただろう。柏原幸広は夜間行動すると思うか? 」

「さぁ…言っても今日が初見っすからねぇ…さっぱり見当も付かないっすよ」

「だよなぁ… 」

 

Yくんの言う通り、柏原幸広の行動パターンが分からない限り、明日からの調査をどう進めていったらいいか私もその判断には大いに悩んでいた。

 

【17時18分】

 

「おい! 」

「っす! 」

 

2人の視線が一斉に道の方へ釘付けになる。柏原幸広の彼女が帰宅してきたのが見えたからだった。

 

「やっぱー…トイレか何かに行ってたみたいね… 」

「どうっすかねぇ…社長が見落としてただけじゃないっすか? 」

「よく考えてみろよ。あんな派手な女、見落とすと思うか? 」

「まぁ、確かにっすね… 」

 

彼女は換金して余った出玉を景品に交換したのだろう。結構な量な菓子を袋一杯にぶら下げている。

 

「どうやら大勝ちしたみたいだな」

「っす! 」

 

どうでもいい会話をしながら私はハンディカムを回していく。すぐに彼女はアパートの入り口から階段を上り柏原幸広の待つ部屋へと消えていった。

 

「このまま…また、S●●三昧じゃないっすかねぇ… 」

「そうかもな」

 

表現は下品極まりないが、私もYくんの意見に同意した。仕事もせずに朝から2人でパチンコして、勝った負けたに関わらず適当な時間に帰宅しては欲望の赴くままに身体を重ねるだけの生活。今日は調査初日だが、そんな爛れきった生活が目に浮かぶ様だ。

 

「Yくん、キツイけど今の時間じゃ(調査を)切るには中途半端だから、18時まで我慢してくれ」

「っすねぇ… 」

「時間きた瞬間に今日は終わろう」

「了解っす! 」

 

彼女の帰宅を見た事で、今日の終わりも見えてきた。ここからの残り時間が身体に堪えるのは承知の上で、張り込み作業を継続する事に決めた。

 

【18時00分】

 

「ボチボチやめようか… 」

「っす! 」

 

そんな手短な会話を交わし、調査を終了しようとしていた瞬間だった。

 

「ん? 」

「なんすか?? 」

 

私とYくんの視線は再びアパートの入口へ注がれる事になる。

 

(続く)

 

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【16時00分】

 

「おい、まだ16時だよ… 」

「っすねぇ… 」

「時間だから…次はYくん見てこいよ」

「へいへい… 」

 

パチンコ店の駐車場で車の中にじっと待つだけの時間はかなり窮屈で退屈だ。たまに警備員なんかが様子を見に来るが、明らかにこちらを不審とまでは言わないが、意識しているのは分かる。

 

万一、警備員から声を掛けられたとしても朝からYくんが実際に店内で遊戯しているので、言われる筋合いでは無いと無視していた。

 

「異常は無いっす。ただ… 」

「ただ何だよ? 」

「あの女、台は変わってたっすけど、かなりドル箱積み上げてたっすよ!このままいけば結構な大勝っす! 」

「へぇ…そうなんだ… 」

 

Yくんが言っている事の意味はよく理解出来ないが、とにかく相手の女性に所謂「博才」がありそうだという事は分かる。もし、柏原幸広が負けたとしても、彼女の大勝でカバー出来そうだ。可能性のひとつとして、大勝ちで浮かれた2人が、その勝った稼ぎでどこかに外食に出掛けたとしても不思議じゃない。

 

先の見えない張り込みに多少、辟易していた頃だった。

 

「出てきたっすよ! 」

 

Yくんが小声で叫んだ。思わず彼が指差す方向を見る私。

 

確かに、柏原幸広が1人で店の外へ出てくる様子が見える。咄嗟にハンディカムを手に取り、撮影を始める。

 

「何で…1人なのだろう… 」

 

彼の行方を目で追っていたが、彼は景品交換所に立ち寄る事はせずに、そのまま歩いて道路へ出ようとしている。

 

「僕が行ってくるっす! 」

「あぁ、頼む! 」

 

すっかり2人「セット」だとばかり思っていたので、予想外の展開に少し慌ててしまう。万一、柏原幸広が単独でタクシーなんかに乗る可能性も考慮し、エンジンを始動した。

 

しかし、これまた思いがけず、すぐにYくんから電話が掛かってきたのだ。

 

「アイツ、アパートに帰ったっすよ! 」

「マジか?何で?? 」

「そんな事僕に聞かれても分かんないっす!とにかく帰ったっすけど、どうするっすか? 」

「そうだな… 」

 

あくまで調査対象者は柏原幸広であり、彼を尾行したり張り込んだりするのがセオリーだ。しかし、何だかここに置き去りの女性の存在も気にはなってしまう。

 

二手に分かれる事も考えたが、あくまで柏原幸広。彼のみをマークする事に専念しようと決めた。

 

「いいよ、Yくんそこにいてくれ。今から帰ってくる」

「っす! 」

 

仕方なく、私は1度車を降り、店内へ隠しカメラを持って入る事にした。女性の姿を最後に撮影し、アパートへ引き返す為だ。

 

夕刻が近付くにつれ、徐々に人が多くなっていく店内。私は台列の端から彼女を探していた。

 

「おかしいな…いない… 」

 

Yくんとは交代で様子を見ていたので、彼女を見落とすという可能性は無い。しかし、いつの間にかその姿が店から消えている事に気付いた。

 

「何でだろう… 」

 

柏原幸広といい、女性といい、実に不可解な行動が多すぎると、思わず舌打ちしてしまう私だった。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

                        株式会社OTS探偵社
                        代表取締役   梅木 栄二

 

 

 

【13時00分】

 

「社長!起きるっす!!もう昼っすよ!! 」

「……ん!? 」

 

車内で泥の様に眠り込んでいた私は、Yくんから身体を思いきり揺さぶられてやっと目を覚ました。

 

「ふぁ…?今…何時? 」

「13時っす! 」

「え!?もうそんな時間?? 」

 

時間を聞いて少々パニックになる私。そんなに眠っていたのか?店の出入り口を確認するが、特段変わった様子もある筈は無く…

 

「アイツは? 」

「相変わらずっすよ。店を出る前に見たっすけど、パチンコはサッパリだったっす」

「そうか…で、女性の方は? 」

「女はちゃっかり玉、出してたっすよ。大当たりとはいかないっすけど、手堅く出玉を積み上げていってるって感じっすね」

「そうなんだ… 」

 

やはり想像通り、今日はこのままパチンコ三昧で終わるのだろうと考えた。意味も無く張り込みを続けるのも退屈だが、下手にあちこちウロウロされるよりは幾分かマシだ。ぐっすり眠ったお陰で体力も充電出来たし、ここから先は集中して調査に当たる事が出来る。

 

「しかし…アイツら、このまま昼食も摂らずに打ち続けるのかねぇ… 」

「パチンコ好きなヤツなんて、そんなもんっすよ」

「そうなんだ… 」

 

パチンコ素人の私にしてみれば、こんな場所で1日中座り続けていれば、いい加減お尻が痛くなってしまいそうだ。どんなに勝ち負けが掛かっているとはいえ、そこに丸1日を費やす事は出来そうにない。

 

そう思っていた矢先、私は肝心な事を思い出した。

 

「!! そういやYくん、どうだったんだ? 」

「何がっすか!? 」

「何がっすかはないだろう。勝ったのか負けたのか? 」

「パチンコっすか? 」

「そうだよ。勝ったら軍資金私に戻すって言ってただろう? 」

 

私がそこまで言うとYくんは天を仰ぎ溜息をついた。

 

「僕が勝ったと思うすか? 」

「そんなの私には分かる筈ないよ」

「ふぅ…これだから素人は… 」

「何だよっっ!? 」

「たった1万ぽっちの軍資金で勝てる程甘くないっすパチンコってヤツぁ… 」

 

そう、どこか遠い目をしながら答えるYくん。まだ昼になったばかりだというのに、まるで瞳の中には夕焼けでも映っているかのような表情に見えた。

 

「そっか…分かった… 」

 

たった1,2時間の睡眠と引き換えに1万もスッてしまった罪悪感からか、私もすっかり落ち込んでしまうのだった。陰でYくんがほくそ笑んでいる事にすらも気付く由もなく…

 

Yくんがニヤニヤしている事になど、全く気付かない私は、じっと店の出入り口付近を眺めている。今、いる場所からなら全部で4カ所ある出入り口のうちの3カ所を網羅出来ているし、その中のひとつには所謂「景品交換所」に1番近い出入り口も入っている。

 

比較的大きなパチンコ店とは言えど、丸1日傍にいたら、さすがに覚えられそうな気がしてしまう。1時間に1回、私とYくんが交代で様子を見に行く事でそこをカバーしようという事になっていた。

 

「しかし…退屈だなぁ… 」

 

そんな愚痴を溢しながら、私は煙草の煙を吐いた…  

 

(続く)

 

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普通に考えれば、仕事もせず2人で閉店までパチンコ台にしがみ付いていたとしても何ら不思議では無い。一度そんな想像を始めてしまうと、今の自分が段々暇に思えてきて…朝からバカ食いしたおにぎりの影響もあって急に睡魔が襲ってくる。

 

「ヤバい…眠いっ… 」

「はぁ!?何言ってんすか?まだ始まったばかりっすよ! 」

「なぁYくん… 」

「なんすか? 」

「一生のお願い。アイツの横でパチンコ打って見張ってて」

「嫌っすよ。金も無いのに」

「軍資金出すからさ… 」

 

そう言った途端、Yくんの態度が変わった。

 

「マジすか!? 」

「あぁ、マジよマジ。大マジ」

「なら話は早いっす。ごっつあんっす!! 」

「はいこれ… 」

 

私はそう言いながら、千円札を財布から1枚出してYくんの目の前に差し出した。

 

「何すかこれ? 」

「何すかこれって何すか?足りないの? 」

「あんたバカっすか!きょうび子供じゃあるまいし、千円で何が出来るっすか!? 」

「え…そうなの?? 」

「社長はパチンコやんないっすから高校生くらいの頃で思考が停まってるっすよ!何すか千円って!せめてその10倍は出して貰わないと困るっす! 」

「はぁ!?1万も?? 」

「当たり前っすよ!今は1万あったって、負けりゃすぐに消えて無くなるっす! 」

「マジか…怖いなパチンコって… 」

「社長が何も知らないだけっすよ」

「…… 」

 

そんなお金がなきゃパチンコすら出来ないなんて全く知らなかった私の無知。しかし眠い…容赦なく、どんどん襲ってくる眠気の中、Yくん1人にここで張り込ませて、自分だけがグーグー寝ているなんて出来ない。

 

「分かった。分かったよ… 」

 

私はそう言いながら渋々万札を出した瞬間、Yくんから物凄いスピードで掠め取られた!

 

「何だよオメェ!もしも勝ったら、その1万円返せよ。利益は折半だからな! 」

「あんた自分が眠いから張り込めって言っといて、何が折半すか!?利益はやんないっすよ! 」

「何だよケチンボ!! 」

「ケチンボって…昭和っすか? 」

 

とにかく私は今、猛烈に眠い。こんな不毛な議論をずっと続けている意味が無い。そう思い、彼の主張を嫌々承諾する事にした。
 

「何かあったら電話して起こしてくれ。万一、その金ですぐに負けて店を出る羽目になっても、最低2時間くらいは眠らせてくれよ。頼むぞ」

「わかったっすよ。安心して永遠に眠るがいいっす! 」

「うるせぇ馬鹿野郎! 」

 

そんな会話を終えた後、Yくんは意気揚々と車を降りていった。私は知っている。彼は根っからの勝負師なのだ。例えパチンコでも、勝負とあらば絶対に勝ちにいく性格だ。

 

「ふんっ!早々に負けちまって自分の金も全部スッちまえ!思いきり笑ってやる!! 」

 

そう言いながら私は運転席のシートを深く倒した。陽気の柔らかい暖かさと連日の疲れからくる睡魔でやがて深く眠りに落ちた私だった…

 

(続く)

 

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「なにやってんすか? 」

 

Yくんが開口一番そう言って呆れている。

 

「パチンコ屋の事がよく分かんなかったんだよ!って言うか…アイツ見てた? 」

「心配しなくっても社長の事なんか全く見てないっす。2人だけの世界っすよ! 」

「そっか…そりゃ助かった… 」

 

柏原幸広達2人が、こちらを全く見ていなかったと聞かされほっと胸を撫で下ろした。まだ、私達やこの車を彼らに認識されるには早過ぎる。

 

近くのコンビニに車を停車させた私は、一旦車を降りて店内で煙草をひと箱購入する。たとえ一時とはいえ、タダで駐車場を借用するのも気が引けてしまうからだ。

 

煙草を買い、コンビニを出た私は再び車に乗り込み、じっとパチンコ店の駐車場を眺めていたのだが、時間の経過と共に徐々にそこへ入ってくる車の数も増え、そろそろ中へ入っても目立たないだろうと思い始めた。

 

「…いいとこに停められなくなる前に行くか… 」

 

再び大通りへ出てパチンコ店に入っていく。詳しくないので要領を得なかったのだが、今日は新台入れ替えの看板が上がっている事に今更ながら気付いてしまう間抜けな私。

 

それを目当てに店外へ並んでいるであろう柏原幸広が見える位置に車を停めて撮影場所を陣取ると、2人の様子をハンディカムで撮影していく。

 

「しかし…みんな仕事はしてないのかな… 」

 

どこから集まってくるのか、明らかに勤務中であるだろうスーツ姿の人も目立つ。わざわざ仕事をサボタージュしてまで、我先にと店先に並ぶ気持ちが私には理解出来ない。別にパチンコを打つ為にいる訳でも無いYくんを、ここで車へ帰そうかとも考えはしたが、今並んでいる列を不意に離れると目立つ可能性もあるので下手な指示は出来なかった。

 

【10時00分】

 

店が開いたのか、並んでいた人々が続々と店内へ入っていく。Yくんは私なんかよりもずっとパチンコには詳しいので、どうするのか黙って見守っていたのだが、彼らの後を追うようにそのまま店内へと入っていった。

 

そして数分もしないうちに再び店の外へと顔を出してこちらへ戻ってくる。どうやら2人が何を打つのか確認作業までキッチリ仕事をしてきたようだった。

 

「社長、ちょっとコンビニ寄ってきていいっすか? 」

「いいけど…どして? 」

「女の子を見てくるっす! 」

「気持ちは分かるけど…もう交代していないんじゃない? 」

「そうっすか…言われてみりゃ、そんな時間になったっすねぇ… 」

 

狼狽したYくんは助手席のドアを開け不機嫌そうに乗り込んでくる。

 

「アイツら2人してかなりパチンコ好きみたいっすね」

「そうなんだ… 」

「っす。打つ時は全く別行動だったっすから… 」

「へぇ、そうなの!? 」

「っす。労働意欲は全く感じられなかったっす! 」

「だろうねぇ… 」

 

呆れながら、さっきコンビニで買った品物をYくんに差し出した。Yくんは「っす! 」と小さく頷いて袋をア開けている。

 

(続く)

 

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