㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

人生悲喜交々・・・・。


そんなお話が日常の「探偵事務所」へようこそ!


「探偵」という生き方を通して日々どこにでも起こりうる問題や悩みを少し変わった切り口で考えてみたいと思います・・・。


私のブログを見て、悩んだり凹んだりしている方が少しでも元気になって頂けたら幸いです!

2時間も作業をするうちに遅れていた作業も随分と先へ進んだ気がしていた。

 

「ザッ、ザッ! 」

「( ,,`・ω・´)ンンン? 」

 

さっきから何だか変な足音がしていたのだが、ずっと気のせいだとばかり考えていた。しかし、これまた気のせいか、その足音が聞こえてくる感覚も少しずつではあるが短くなっているような気がして…

 

「おつかれさまですぅ… 」

 

妖怪ひーが出勤してきた。

 

「お疲れ様。体調は大丈夫か? 」

「うん。だいじょうぶだよ」

「そうかそりゃよかった… 」

「Yぶちょうはどう? 」

「分からない。ただ、今日明日あたりの仕事は無理だろう」

「そっか…たいへんだね」

「だからひー!今日は頼むぞ」

「うん」

 

見る限り、崩した体調を無理している様子も無いし、ひーは無事だったようだ。

 

「おい、ひー!私はもう少しだけ作業を続けるから、お前はまったりしておけよ… 」

「まったりってなに? 」

「そこはいいよ。適当にしとけって事」

「ふーん… 」

 

私は面倒臭そうに呟きながら作業を続けていく。

 

「なんじからいくの? 」

「お昼迄にはここを出よう。12時には出るから、道具の準備をしておいてくれ」

「わかった」

 

最近、他のメンバーとは連絡すらも取っていない。休んでいた事もあるが、とにかくスタッフ同士のコミュニケーションすら取れない程に抱えている案件が捌けていかないのだ。このままでは河野京子と同行していた男性の調査へ入れるのはいつになるかも分からない。

 

そんな事を様々考えていると、キーボードを叩く手がいつの間にか止まってしまうのだが、また思い直してキーボードを叩いた…

 

 

 

 

【12時50分】

 

ひーと2人、河野京子の自宅に到着したのは、やがて13時になろうかという頃だった。彼女の車は位置情報で自宅を指していたので、きっとガレージの中に仕舞ってあるのだろう。真っ赤な車は見当たらない。

 

「当分…出掛けなさそうだな… 」

「かもしれないね」

 

仕方なく付近の張り込み場所に車を停める。今日に限って言えば曇天でこそあるものの、雨は今の所降ってはおらず、こんな日に尾行が出来るかどうか分からないのは複雑な気分になる。

 

こちらの都合通りに動いてくれないのがこの仕事…と、言ってしまえばそれまでなのだが。

 

【13時25分】

 

「あ、でた! 」

「出たって…幽霊じゃあるまいしお前… 」

 

ガレージが開き、赤い車が顔を出す。河野京子の表情すら見えはしないが、彼女が車に乗り込んでいるのは確実だろう。とりあえずは仕事をさせてくれそうだと安堵する。

 

「しゃちょう、いったよ」

「分かってるよ。心配するな… 」

 

彼女の外出から少し遅れて車を出した。相変わらず危ないとも受け取れる彼女の運転に辟易しながら、後を追い掛ける。

 

国道3号線に出る信号待ちをしていた赤い車がいつもとは違い、熊本方面へ下る為に左折のウィンカーを出しているのが見えた。

 

「今日はいつもとは違うな… 」

 

まだ、それくらいのイメージしか湧いてはこなかった。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

                        株式会社OTS探偵社
                        代表取締役   梅木 栄二

 

 

「うう……ヤバい…どうしよう… 」

 

こんなリスクを少しでも減らす為に、基本、スタッフは用事がある限り出勤はしないのだが、今度ばかりは勝手が違う。万一、Yくんだけでなく、ひーにも移してしまっていたら、大幅な戦力ダウンは免れない。しかも、これは私の責任なのだ。

 

身支度を整えた私は、少し焦って会社へ向かっていた。会社へ着いたらすぐにひーの体調も確認しなくてはならない。

 

さっき、狩野省吾弁護士から福岡でも調べを進めて欲しいとの打診があったにも関わらず、会社はそれどころではない程のピンチにある。

 

事務所へ到着し、階段を駆け上がる。鍵を開けて誰もいない事務所はひっそりと静まり返っていて、気休めかも知れないが、淀んだ空気を入れ替える為に窓を開けた。

 

「あぁ、そうそう。ひーに連絡しなくちゃ… 」

 

スマホを手に取りひーに電話する。5回ほどコールしてみたがヤツは出ない。

 

「マジか…ひー大丈夫かな… 」

 

「健康管理」等という言葉を全く考えた事の無かった私は、自分自身を責める。いつもの事とはいえ、突っ張った食い意地の汚さが、今回の事態を招いたと言われても反論の余地は無いだろう。疲れも蓄積していたし、甘いものを食べて吹き飛ばそうなんて甘かった?

 

「( ,,`・ω・´)ンンン? 」

 

スマホを見るとひーからの着信。すぐに出た。

 

「ひー!お前大丈夫か? 」

「なにが? 」

「何がって…風邪を惹いたりしていないか? 」

「いんにゃ。だいじょうぶだよ。それよりしゃちょうはもうだいじょうぶなの? 」

 

何事も無かったと気付き、深く息を吐いた。精鋭とは言い難いメンバーだが、案山子を置いているよりは随分マシだし戦力になる…かも知れない。

 

「良かったよ…お前がバ…いや、頑丈で」

「??? 」

「まぁいい。今夜は出てこれるか? 」

「うん、だいじょうぶだよ」

 

最悪の事態を免れた事で少し安心した私は、ひーと時間を決めて電話を切った。

 

「ザッ! 」

「ん? 」

 

誰もいない筈の事務所の中で微かに足音らしき音が聞こえた。眉根を顰め周囲を見るが、何も変わりは無く、私が1人いるだけだ。

 

「??気のせいか? 」

 

相当に焦っていたので空耳だろうと思い、編集用のデスクに座り直し、限られた時間を惜しむ様に報告書の作成に入る。

 

うちでは映像を編集し、出来上がった映像をキャプチャー画像へと切り出してから冊子の報告書にしていく。冊子とDVD若しくはBlu-ray。この2つを渡すのがうち流なのだ。

 

調査報告書は厚すぎても薄すぎてもいけない。要は中身。

 

どれだけ膨大な量を提示した所で中身が伴わなければ何の意味も為さないし、薄すぎて内容まですっかり薄っぺらになってしまっても同じ事だろう。充実した内容と見やすさ、この2つを兼ね備えなければ意味は無い。

 

ここでは敢えて伏せるが、以前狩野省吾弁護士から裁判官が読んでくれる報告書の作り方を教えてもらった事がある。かなりの量の事件を抱えている裁判官が読んでくれる報告書を作るには、どの様にすればいいのか。文言ひとつを取ったって簡単では無い。

 

「ザッザッ… 」

「?? 」

 

真夏の怪談話じゃあるまいし、また後ろで足音が聞こえた気がした。

 

(続く)

 

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LINEを送信してすぐに狩野省吾弁護士から着信が入る。私は慌てて電話に出た。

 

「先生、お世話になります」

「毎日天気も悪いのに大変だろう。こちらこそお世話になります」

 

私は先日自分が見た事の経緯を説明する。先生は何も言わず相槌のみ打ちながら聞いていたのだが…

 

「私が知る限り、河野京子が業務に携わっている話は聞いた事が無いよ。実に興味深いね」

「やっぱりそうですか。暫くこの事は社長に伏せておこうと思うのですが… 」

「そうだね。それがいいだろう。それと… 」

「何でしょう? 」

「いや、梅ちゃんも大変だとは思うが、その男性についても調べる事は可能だろうか? 」

 

そう尋ねられて一瞬戸惑ってしまう。男性は福岡の人間だろうから、それを調べるとなれば、当然に別班を組む必要があったからだ。

 

「すみません。今すぐに『はい』とはご返事が… 」

「分かった。では、その事については梅ちゃんの会社スケジュールに任せよう」

「本当にすみません… 」

 

うちの弱点が露呈した形になる。少数精鋭の形を取っている手前、遠方に案件が増えてしまえば、たちどころに対応が出来なくなってしまう事がある。実際今だって私1人が抜けた穴を残りのスタッフがギリギリで埋めていたのは言うまでも無い。

 

「出来るだけ早く善処します」

「悪いが頼むよ。それと、梅ちゃん、悪いがその男性について何か捕捉情報があれば、私に教えてはくれないだろうか? 」

「勿論です。すぐに情報はお知らせします」

「ありがとう。私も可能な範囲で調べてみるよ」

 

そして今の所は河野京子に特別な動きが他に見当たらない旨を説明し、電話を切ろうとしたのだが…

 

「あ、そうそう梅ちゃん」

「はい? 」

「体調には充分気をつけるんだよ。じゃあまた! 」

「え!?あ、はい。ありがとうございます… 」

 

ドキッとした。まさか私が体調を崩し休んでいた事を知っていたのかと考えたが、スタッフに先生と直接連絡を取る者はいない。何故先生がこの事を知っていたのか分からず考え込んでしまう。

 

「まぁ、ここはそう深く考える事じゃないな… 」

 

1人そう呟きながら立ち上がった。準備が終われば事務所へ入って少し報告書の作成や映像の編集等をしなければならないだろう。作業も随分と溜まっている筈だ。

 

「んっ!? 」

 

再びスマホを見る。今度はYくんからの着信だった。

 

「あぁ、Yくん。悪かったな… 」

「お…お… 」

「ん?どした?? 」

「お…オエ~!! 」

「!! 」

 

瞬間すぐに悟った。今度はYくんの風邪症状が悪化した事を。

 

私が発端となって惹いてしまった風邪を、今度はYくんに移してしまった格好だ。下手をしたら、今度は一緒に組んで調査したひーにも被害が及ぶかも知れない。

 

私は素直にYくんに詫びて、暫く会社を休むように伝えた。

 

(続く)

 

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丸2日間、熱に魘され続けた。正直、病院まで行く気力すら無かった。

 

夏風邪は質が悪いなんて言うがまさにその通りで、珍しく食欲も失せてしまい、先日の調査以来、ほとんど何も食べてはいない。しかし摩訶不思議な事に、全く痩せてもいない(´;ω;`)ウゥゥ

 

「んん…… 」

 

背伸びをしながら自分の健康状態を確かめる。幾分かのだるさは残るものの、すっかり熱も下がったし、これなら何とか調査に行けそうだ。

 

先日の福岡での出来事以来、私は会社を休ませてもらっていたので、Yくんはひーと組んで調査を行っていたのだが、河野京子に目立った動きは無かったらしい。そもそも河野氏のリクエストは夜間の外出だったのだが、その夜間に限って言えば、すっかり家で大人しくしていたとの事。

 

そして肝心のYくんも私のせいか、少し風邪気味だと訴えていた。今夜からは彼に代って私が調査を引き継がなければならない。

 

夜までは家で大人しくしているつもりだったので、ベッドから身を起すと早速シャワーを浴びた。基本的には毎日風呂に入らないと気持ちが悪くなる質なのだが、この2日間に限ってはそれどころでは無く、1人ベッドの中で「タヒぬ~タヒぬ~… 」と譫言を言っていただけなので実に気持ちいい。

 

シャワーを終えるとテレビをつけ、私がタヒんでいた間、世の中がどの様に様変わりしているのかをチェックしながら冷蔵庫を開けた。

 

「おぉ…! 」

 

なんと冷蔵庫の中には1週間くらい前、調査の帰りにコンビニで買っておいたショートケーキが、透明の容器ごとひとつだけ残っていたのだ。

 

「実に素晴らしい… 」

 

消費期限を見るが、あっさり3日前で切れている。しかし、2日間身体の中に水分以外には、何も入れていなかった私にそんな事は一切関係無い。

 

フォークを出せば、後で洗わなくちゃならないので面倒くさい。引き出しから割り箸を出した私はテーブルの上に蓋を開けたケーキをそっと置く。

 

「やはり…いつ如何なる時でも食べ物は粗末にしちゃダメだ…うん、このショートケーキ様が、ここへ残っていた幸運に感謝して…いただきます!!! 」

 

ケーキ達が私の胃袋へ吸い込まれるまでは秒だった。久しぶりに堪能する生クリームは実に美味!久々に体内へと入ってきた栄養分?が血液の流れに乗って全身を駆け巡る感覚を感じるようだった。そして、そこで食欲の「やる気スイッチ」が入った私はもう止まらない。

 

気が付けば追加で袋麵をふたつ作って間食していた。

 

「ふ~……完全復活ですなこりゃ! 」

 

すっかり機嫌を良くした私は、畳みの上に大の字に寝転んだ。

 

「一体どういう事だろう… 」

 

河野京子がAの重役らしき人物と空きテナントを内覧していた事実。しかし、そんな話は河野社長からは聞かされていない。

 

その事実を確かめる前に一度狩野省吾弁護士へ連絡してみよう…

 

そう思い立った私は、すぐにスマホで狩野先生へとLINEでメッセージを送る。

 

「お世話になります。先生にお話したい事がありますので、お電話にご都合の良い時間をお知らせください」

 

(続く)

 

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「社長!起きるっす!! 」

「!? 」

 

目を開けると、Yくんが揺すっているのが視界に入って、思わず飛び起きてしまう。私は熱で魘されたまま、すっかり意識を失っていたようだった。

 

「ここっすよ! 」

「!? 」

 

身体を起こすと、目の前に現れたのは河野氏が経営するドラッグストア「A」の本社ビル。初めて見た本社だったが、まさかここに引っ張られてくるとは想像すらもしていなかった。

 

「え…え~…… 」

「なんすか?そのクソ汚い洒落のようなもんは? 」

「いや、そう言う意味じゃなくて(-_-;) 」

「僕も頑張って追い掛けた割にはガッカリしたっすよ」

「……確かにそうだな… 」

 

河野京子がこの会社に勤める男性と一緒にいたのであれば、それはただの「通常業務」になる。しかし、私が聞いていた彼女の立ち位置は言わば「お飾り」の様なもので、少なくとも社長である河野氏からは彼女が経営陣の一角を担っている等といった話は一切聞いていない。

 

「一体どういう事だ… 」

 

あまりこの場に長くいても得策では無いと思われたので、Yくんに車を他の場所に移す様に指示を出し、その場を離れた。

 

「Yくん、どういう事だ? 」

「んな事ぁ僕に言われたって分かんないっす! 」

「尾行中、なんかおかしな事は? 」

「別に何も分かんなかったっすよ! 」

「そっか… 」

 

意識を失っていた私がこれ以上Yくんを問い詰める訳にもいかず、シートに深く身を沈めたままじっと考える。

 

河野京子と誰だかは知らないが今日見た男性はきっと深い仲だ。それは長年の「勘」というヤツで何となく分かる。しかし、男性がこのAの中でどんな立場にあって、どんな業務に携わっているのかは全く分からない。

 

今、この場で河野氏に電話をして、そこを聞き出す事は容易い。しかし、それが事態を思わぬ方向へ動かしてしまわないとも限らない。嫉妬に身を焦がすほど狂っている河野氏にその事を漏らせば、彼がどんな方向へと暴発するかすら油断出来ないのだ。

 

「まぁいいよ。今日はごめん、Yくん。帰ろう」

「ま、その方が良さそうっすねぇ… 」

 

熱で魘されていた私を見かねたYくんは、すぐにハンドルを切り、熊本へ向かって進みだす。身体の痛みに加え、頭痛まで酷くなってきた。

 

「窓、開けていいっすか? 」

「あぁ、いいよ… 」

 

相変わらず雨は激しく降り続けるが、少しでも換気して走らなければ、狭い車内でYくんにまで風邪を移してしまわないとも限らない。そうなってしまえば私のせいで会社に損害を与えてしまう。

 

4枚の窓をバイザーの分だけ少しずつ開けて、外の湿った空気を取り込んだ。エアコンの冷気と湿った温暖な空気が車内で混じり合い、少しは新鮮なのかも知れないが、不快さは増した気持ちになる。

 

「会社から社長はどうやって帰るっすか? 」

「まぁ、帰ってから考えるよ」

「本当は病院に行った方がいいっすけどね」

「だな」

 

いつの間にかドラッグストアAの話は立ち消えになってしまっていた。

 

(続く)



 

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「Yくん!? 」

 

いつもならここで姿を現す筈のYくんがいない事に気付き、焦ってスマホを取り出した瞬間、立体駐車場の通路を私の調査車両がこちらに向かって走ってくるのが見えた。

 

「なるほど!そういう事か!! 」

 

男性の後ろに2台ほど買い物客の車が続いていたが、何とか今ならベストタイミングで男性の車を尾行出来そうだと思った。

 

「ナイス!このう〇こ野郎ぉぉぉ!! 」

 

Yくんも同様に、視線で私を探しているようだ。河野京子とすれ違った時、微かにYくんの視線が動いた。私は分かりやすく手を振って、Yくんの車の前に飛び出した。

 

「よくやった。車を取りに行ってたの? 」

「そりゃそうっすよ!僕を誰だと思ってるっすか? 」

「って言うか、お前か犯人は!! 」

「何の事っすか? 」

「眼鏡だよメ・ガ・ネ!!! 」

「小さな事は気にしちゃダメっす! 」

「チッ‼ 」

 

彼のファインプレーにここでは何も言えない。今日の調査が終わり、帰る道すがらに彼の自宅からギリ歩いて帰れないくらい、ビミョーに遠い所で騙して置き去りにしてやろうと心に決めて、大人しく助手席に乗っている事にした。

 

男性の乗った車はそのまま久留米市中心部へ向かうと国道へ入り、福岡市内方面へと走っていく。こちらは河野京子と打って変わって、高級外車らしく比較的ゆっくりしたスピードで優雅に走っていく。

 

「おい、Yくん」

「なんすか? 」

「あの男、ライバル企業Bの社長か何かかなぁ… 」

「どうっすかねぇ… 」

「普通に考えてやっぱりそうだろう。図面見ながらテナント見ていたし」

「そうっすねぇ… 」

「そこがハッキリすれば、彼女の不正を暴く事になる。この調査の大半は終わりになるよ」

「そうっすか? 」

「そうっすかって、そりゃそうだろう? 」

「旦那はそう思っていないんじゃないっすか? 」

「…… 」

「旦那はあくまで若い嫁さんの浮気が気になって仕方ないっす。企業の問題は狩野省吾弁護士にとって大切な内容っすよね? 」

「まぁ…確かに… 」

「大元は確かにそうかも知れないっす。でも、クライアントである河野氏の腹を満たすのは、やっぱり『不貞』の方じゃないっすかねぇ… 」

 

珍しくまともなコメントをするYくんの言い分を聞き、確かにそれは一理あると思えた。河野氏を一企業の社長で捉えるか1人の男性、夫として捉えるかでどこを切り取るかは全く様相が変わってくるだろう。

 

あんまりYくんが立派な事を言うから、どこかで車がパカッと真っ二つに割れてYくんの方だけどこかに激突しないかなと思いつつ、あぁ…真っ二つに割れたらハンドル付いてないのは私の方だから、こっちが大変になる…とか、熱で魘されて余計な事を考えてしまう。

 

「まぁ、いずれにしてもコイツと来週も会うっすよね?あの女は? 」

「…みたいだな」

 

今後、この調査に於いて重要な男性だ。何とかYくんに頑張ってもらって彼の情報を得られればと考えるうちに、私は目を瞑っていた…… 

 

(続く)

 

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弊社のブログをお読み下さる皆様にはいつも感謝の気持ちで一杯です。

 

「入梅」をタイトルにして書いているうちに梅雨は過ぎ、どうやら夏っぽい感じになってまいりました…

 

相変わらず弊社はバタバタな毎日で仕事も捌けずいい感じで「グダグダ」になってきましたぁ(´;ω;`)ウゥゥ

 

私達の仕事は、自分達が考えるリズムで動く事は出来ません。あくまで「相手」が主導になります。もっとも、1人の調査員が何件もの案件を抱えていますので予めの計画は立てますが、なかなか思う様に物事は進んでいきません。

 

も――――――これは立派な「ストレス」です( ノД`)シクシク…  いや、調査をしたくないって事じゃない方の。

 

しかも「熱い・暑い!」でも脂肪は溶けないし、1㎜も痩せない(ノД`)・゜・。って言うか逆にストレスで太った?のかな??

 

毎日毎日バタバタやっている間に夏は過ぎ、秋の気配が漂ってくるのかもしれないですね。せめて今書いている「入梅」までもが秋に突入してしまわないようにしたいと考える今日この頃です。

 

今日はお休みをいただきますが、明日は頑張ります(あくまで努力目標です)

 

(終わり)

 

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予想通り、帰りはエレベーターでは無く、2人ともエスカレーターを使い上階へと上がっていく。

 

上階へ上る途中、テナントのスペースを見て帰るかも知れないと考えたのだ。2人はゆっくりと上がっていくエスカレーターの上で、そこを指差しながら確かに空きスペースを眺めていた。

 

後ろを振り返ると、少し遅れて私がたまに使う眼鏡を掛けたYくん……Yくん!!??

 

「…アイツが犯人だったか…(汗) 」

 

全身の血液が沸騰するような感覚!あんな今時100均にすら置いてあるかどうかすら分からないメガネをケースに入れ替えておくなんて…2人が乗った車のナンバーを読み取った後は、置き去りにしてやろうと胸に手を当てて誓う。何なら2人の乗った車にここで撥ねられたらいいのにぃぃぃ!

 

最上階まで上がった2人は店舗を出て立体駐車場へと入っていく。この時点で尾行は諦めるしか無かった。

 

今から自分達の車を取りに行っても間に合わない可能性が高いし、周囲にタクシーなんかも止まってはいない。何より、ここから慌てて追いかける事は不自然に映る。

 

「よし… 」

 

肩掛けの鞄からハンディカムを取り出す。多少人気と車の行き来はあるものの、上手く自分の身を駐車された車に隠せれば撮影だけは可能だ。Yくんは少し離れた場所から尾行しているのだろう。その姿はまた見えなくなっていた。

 

「……多分あれだな… 」

 

福岡ナンバーのこれまた高級車近くまで来ると、2人は立ち止まり何かを話している。傍目には分かりにくいが、ここへ来て河野京子の視線が周囲をチラチラ周りを見ているのが分かる。多少、警戒している何よりの証拠だろう。

 

「こりゃ…今度から調査対象者の視力も聞いとかなきゃダメだな… 」

 

ワンボックスカーの影に潜んでいる私と、彼女達の距離を10mにも満たない所まで慎重に縮めてみる。しかしここでも激しい雨音のお陰で何を話しているかは全く聞こえなかった。

 

車のボディーからそっとハンディカムだけを出して回す。モニター越しに見ていて彼女達の視線はこちらには無い事は確認出来る。そうしているうちに、雨が小降りになったのか、段々と2人の会話が集中さえすれば微かに聞き取れるようになってきた。

 

「……次はいつ会える? 」

「そうだな…来週時間を取るから改めてLINEでもするよ」

「分かった。それじゃあまた」

「お疲れ様。気を付けて帰ってくれ… 」

 

会話を聞いて驚いた。2人はここで別れる事が分かったからだ。そして次の瞬間、彼女が身体を翻しこちらを振り向こうとしたのが分かったので、慌ててハンディカムを引いて隠した。

 

バタンというドアを閉める音がしてエンジン音が聞こえる。外車らしい、地響きのように大きな音だった。

 

「?Yくん?? 」

 

集中していて全く気付かなかったが、Yくんの姿が無い。やがて河野京子は男性に手を振ると互いに別々の方向へと移動を始めたのだった。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二

 

 

「キャッ! 」

「おっ!? 」

 

そんな周囲の声が聞こえたかと思ったら、いきなり雷鳴が響き渡り、一瞬だったが地面が揺れた様な感覚があった。熱ですっかり鈍感になってしまっている私には、全く驚く事も外の様子が気になる事もなかったのだが、雷鳴の後に降り出した激しい雨音だけは何とか聞こえている。

 

「梅雨か… 」

 

朦朧としながら呟く。いつもより遅い梅雨は、もしかしたら今年も日本列島のどこかで甚大な被害をもたらすのかも知れない。それを思えば、調査がやり辛いなんて贅沢は言っていられないのかも知れない。

 

「…… 」

 

スマホが震えた。見たらYくんからのLINEで「下に降りる」とだけ書いてある。私は、頭を振って何度も気合いを入れ直し、エレベーターの方向を凝視していた。

 

「来た… 」

 

さっき見ていた4人が談笑しながら歩いてくるのが見える。ここに居ては、正面から彼らの視界に入ると思い、無理矢理身体を起こして少し端の方へと移動する。こんな施設の中でカメラは振り回せられないから、腕時計型カメラのスイッチを起動させ胸の辺りで固定させると、4人の姿を録画し始める。

 

さっき見たネームプレートを掛けていた「支配人」が、河野京子と男性に図面の様なものを広げて説明している。思った通り、ここに出店する計画があるようだ。

 

本来なら、距離を縮め会話の中身を盗み聞きしたい所だが、ここには人も少ないので目立つ。仕方が無いのでそのまま録画を続けるだけしか出来なかった。

 

目を瞑り耳を澄ませて必死に会話の一部でも聞き取ろうと試みるが、あいにくの雨音が僅かな会話すらも掻き消してしまう。

 

印象的だったのが、男性よりも河野京子の方が積極的に店側2人の会話を聞き大きく頷いている事だ。その様子だけを切り取れば、まるで河野京子自身が出店するようにも見える。連れの男性は全てを彼女に任せているようにも見えて…

 

途中、ふと思い出しYくんの姿を探すが見当たらない。きっとどこかに身を潜めて2人がここを出る機会を窺っているのだろう。勿論、私も同じように尾行はするが、今日ばかりはどうにも自信が無い。

 

時折鳴り響く雷鳴と反して、河野京子は満面の笑顔だった。

 

 

 

暫くしてお互いが礼をし合い、話を終えた様な仕草を見せる。時計の針を見るが、私がここへ来てまだほんの15分経たないくらいの短い時間だ。体調不良というのはここまで時間を長く感じさせるのだろうか。

 

「…… 」

 

河野京子と男性が店側の2人にやっと背を向け歩き出す。私の目の前を気にする事無く通り過ぎて、再びエレベーターの方向へと歩いていく。気が付くと、Yくんもその後ろに張り付いていた。

 

互いに会話は交わさないが、珍しく彼が私をフォローしてくれている。今日だけは、私の身体を気遣ってくれているようだ。

 

彼1人に尾行させる訳にはいかないと、私もYくんの後を追った。

 

(続く)

 

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「中で何していると思う? 」

 

唐突にYくんへ意見を求める。すると意外な事にYくんは即答した。

 

「新規出店でも考えてるんじゃないっすか?僕がトイレに行った時に結構なスペースが空いてたっすから」

「そうなの? 」

「っす!1階の真ん中あたり結構なスペースだったっすよ! 」

「なるほど… 」

 

この広大な商業施設の中に新規出店するという推測が当たるとなれば、一緒にいる男性はライバル企業の「B」の幹部、若しくは社長…と、いう事だったとしても不思議では無い。勿論、河野社長の手前、不貞の証拠も必要なのだろうが、今は男性の身元を割り出す事が何よりも最優先だと考えた。
 

「おい、Yくん」

「何すか? 」

「男性がどうやってここまで来たか分からないが、男性の尾行を最優先しよう。最悪、尾行が難しくても車を使っていれば車種とナンバーだけは確実に読み取るぞ」

「分かったっす! 」

 

身体は今にも倒れそうに熱いが、ここは勝負所だと自分を奮い立たせて張り込みを続ける。そんな中、ひとつ思い付きYくんに言う。

 

「Yくん」

「? 」

「悪いがYくん、私は1階に降りる。Yくんはこのまま張り込んでくれないか? 」

「何っすか? 」

「私の推測が当たっていれば、この後、さっきの4人は再び1階に降りるだろう。だからYくんが言ってた空きスペース近くに私はいる」

「でも、先にそこを見て上がってきたって事はないっすか? 」

「いや、この店の2人は後から対象者達を誘いに来たのを見たんだ。私の推測が正しければ後から場所を見に行く筈だ」

「そうっすか… 」

「仮に先に見てきたにしても、後で再び見に行く可能性だってあるからな。何より、私はさっき彼女らとエレベーターに乗ったから再び一緒には降りれない」

「そういう事っすか… 」

 

私はYくんに指示を出してスカレーターで再び1階へと降りる。私の推測が当たったなら、やはり一緒にいる男性は「B」の関係者であり、河野京子も単なる不貞の相手ではなく、「B」の経営に深く食い込んでいる可能性が見えてくる。

 

穿った言い方をすれば、彼女は何も知らず不貞相手に利用されている訳では無く、自らも積極的に河野社長を貶める行為に加担している事になるのかも知れない…

 

人で賑わう店内の中にあって、陳列棚に白い布が幾重にも重ねられているスペースが見えた。横にはトイレの出入り口があるので、Yくんが言ってた場所に間違いは無いだろう。とりあえず、Yくんからの連絡を待つとして、私は近くの休憩用ベンチを見つけ、そこに腰を下ろす。

 

素人の私には、この施設の人の流れや、このスペースが所謂「売れる」場所なのかどうかもよくは分からない。

 

座って待っている間にも、これ以上にないくらい身体が辛くなり、項垂れていた。

 

(続く)

 

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