2時間も作業をするうちに遅れていた作業も随分と先へ進んだ気がしていた。
「ザッ、ザッ! 」
「( ,,`・ω・´)ンンン? 」
さっきから何だか変な足音がしていたのだが、ずっと気のせいだとばかり考えていた。しかし、これまた気のせいか、その足音が聞こえてくる感覚も少しずつではあるが短くなっているような気がして…
「おつかれさまですぅ… 」
妖怪ひーが出勤してきた。
「お疲れ様。体調は大丈夫か? 」
「うん。だいじょうぶだよ」
「そうかそりゃよかった… 」
「Yぶちょうはどう? 」
「分からない。ただ、今日明日あたりの仕事は無理だろう」
「そっか…たいへんだね」
「だからひー!今日は頼むぞ」
「うん」
見る限り、崩した体調を無理している様子も無いし、ひーは無事だったようだ。
「おい、ひー!私はもう少しだけ作業を続けるから、お前はまったりしておけよ… 」
「まったりってなに? 」
「そこはいいよ。適当にしとけって事」
「ふーん… 」
私は面倒臭そうに呟きながら作業を続けていく。
「なんじからいくの? 」
「お昼迄にはここを出よう。12時には出るから、道具の準備をしておいてくれ」
「わかった」
最近、他のメンバーとは連絡すらも取っていない。休んでいた事もあるが、とにかくスタッフ同士のコミュニケーションすら取れない程に抱えている案件が捌けていかないのだ。このままでは河野京子と同行していた男性の調査へ入れるのはいつになるかも分からない。
そんな事を様々考えていると、キーボードを叩く手がいつの間にか止まってしまうのだが、また思い直してキーボードを叩いた…
【12時50分】
ひーと2人、河野京子の自宅に到着したのは、やがて13時になろうかという頃だった。彼女の車は位置情報で自宅を指していたので、きっとガレージの中に仕舞ってあるのだろう。真っ赤な車は見当たらない。
「当分…出掛けなさそうだな… 」
「かもしれないね」
仕方なく付近の張り込み場所に車を停める。今日に限って言えば曇天でこそあるものの、雨は今の所降ってはおらず、こんな日に尾行が出来るかどうか分からないのは複雑な気分になる。
こちらの都合通りに動いてくれないのがこの仕事…と、言ってしまえばそれまでなのだが。
【13時25分】
「あ、でた! 」
「出たって…幽霊じゃあるまいしお前… 」
ガレージが開き、赤い車が顔を出す。河野京子の表情すら見えはしないが、彼女が車に乗り込んでいるのは確実だろう。とりあえずは仕事をさせてくれそうだと安堵する。
「しゃちょう、いったよ」
「分かってるよ。心配するな… 」
彼女の外出から少し遅れて車を出した。相変わらず危ないとも受け取れる彼女の運転に辟易しながら、後を追い掛ける。
国道3号線に出る信号待ちをしていた赤い車がいつもとは違い、熊本方面へ下る為に左折のウィンカーを出しているのが見えた。
「今日はいつもとは違うな… 」
まだ、それくらいのイメージしか湧いてはこなかった。
(続く)
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