桜の花弁が舞い散る頃(58) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

「ぅわ!びっくりした!! 」

 

一瞬、眠りに堕ちていた私。思わず飛び起きてしまい、土手を転がり落ちそうになる。

 

「眠ってただけか… 」

 

ここの所、睡眠不足が続いていたせいか、気を抜くとすぐに眠ってしまう。とりあえず事故に繋がらなくて良かったと自分に言い聞かせ、再び車に乗り込んだ。

 

少しの間寄り道をしてしまった。夜桜を見る事が出来たのは精神的に落ち込む私にとって、束の間の癒しにはなったのだが、これから後始末をしなければならない。それは木下幸代さんに洲本啓二が「会いたがってる」と、ある意味での「嘘」をついてしまったからに他ならない。

 

私が変に期待させてしまったものだから、きっと木下さんは息子が会いに来る日を一日千秋の想いで待っているだろう。しかし、現実はどうだ。私が洲本啓二の機嫌をすっかり損ねてしまったものだから、ほぼ親子の対面は絶望的状況になってしまった今となっては、それを取り繕う事すら出来ない。

 

「木下さんに何て話そうかなぁ… 」

 

そんな意味のない独り言を呟きながら車を走らせる。勿論、木下さん自身が私の事を滅茶苦茶に罵倒するような方だとは露ほどにも思わないが、やはり落胆させてしまうかと思うと、どうにもやりきれない。「頑張ったけど」は、プロの世界では通用しないのだから。

 

会社に帰れば私の軽い不祥事(?)がバレるからスタッフにも相談出来ないし、どうしたものかと完全に煮詰まってしまった私は、そこから先の風景など全く頭に入ってはこなかった…

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、結局のところ、気持ちが逸りながらも木下さんに対し何も告げる事が出来ないままの私は、いつもより少し遅めに目を覚ました。時計を見ればあと30分足らずで12時になる。特別な予定もなく、日頃の睡眠不足を補うべく目覚ましを掛けずに寝ていたのだが…

 

「何だか…俺、最近だらけてんなぁ… 」

 

会社へも「忙しい」を理由に顔を出していないので、自分の受け持つ調査以外には殆ど自宅に引き籠って作業している事が、すっかり当たり前になってしまった。

 

いつまでもそのままという訳にもいかないだろう。そうは思うものの、木下さんの件が心のどこかにすっかり引っ掛かってしまっていて、これをどうにかしないと先へは進めない気がしていた。

 

「どうしたものか… 」

 

最近やたらに独り言が多い。そんな自分に嫌気を感じながらテレビをつけた。昼前のニュースでは満開の桜が見頃を迎えている映像が流れている。箱の中は明るい話題だらけだが、反して私の気持ちはずっと曇天のままだった…

 

「このままじゃいけない! 」

 

そう、思い直した私は、洗面所で顔を洗い髭を整える。今日こそは木下幸代さんに会いにいく為だ。日が経てば経つほど彼女を沈み込ませる結果になってしまうかも知れないと思ったからだった。

 

いつものように私服姿じゃいい加減な気がして今日はスーツを着ていく事に決める。最後の訪問くらいキチンとした正装で誠心誠意詫びるしか方法が見つからないのだ。

 

「よし、行こう」

 

もう一度自分に気合いを入れて自宅を後にした。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二