桜の花弁が舞い散る頃㊳ | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

昨日食べたケーキは実に美味かった。気が付けば買い込んだ5個のケーキ全てが朝露の如く消えてしまっていたくらいなのだから…

 

そんなどうでもいい事を思い出しつつ、私は今、九州自動車道上り線を福岡方面へと向けて走り続けている。時折、視界に入る山々の斜面にピンク色の桜が目立ち始めているのが分かる。もう、満開も近いといって差し支えないだろう。

 

この季節はなんとも気持ちがいい。車に差し込んでくる太陽の光もそうだが、何より山の斜面に所狭しと生い茂る木々がこれから暑い季節に向けて緑を蓄える力強さを見ているだけでも心が躍る感覚がある。

 

「福岡県に入りました… 」そんなナビのアナウンスが聞こえた。

 

県境を過ぎ、八女インターチェンジで九州自動車道を降り、後は佐賀市内まで県道を走る。実際に佐賀県へ行くには九州自動車道から鳥栖ジャンクションを左折し、長崎自動車道へ入るのが一般的なのだろうが、実際には道さえ知っていれば、下手に高速道路を走るより、料金も安いし目的地への到着も早い。

 

洲本啓二が勤務すると言われている介護施設は佐賀市内にあるようだが、現在も勤めているかどうかは実際に行って尋ねてみないと何とも言えないし、何より自分の目で現場を確かめたかった事もある。

 

そしてもうひとつ。ついでと言ってはいけないが、懇意にしている「㈱あいざわ調査室」の香月社長に久々に会いに行くのも楽しみのひとつだった。私がこの業界に足を着けて20年以上が過ぎたが、開業当初から仕事のイロハを教わった「師匠」的な社長でもある。

 

もっとも、ここ数年は互いに忙しく「会いましょう」と、言う言葉は、半ば社交辞令になってしまっていて、なかなかそんな機会にさえ恵まれなかったが、今日に限ってはお互いの都合が上手く合致したので、久々にお会いした上で「探偵談義」に花を咲かせるつもりだったのだ。

 

「あっ、ヤバッ!手土産忘れちゃった… 」

 

数年ぶりに挨拶に行くのにこの調子。自分のいい加減さに呆れてしまう。しかし、逆を言えばそれほど気を遣わなくていい間柄。

 

「まぁ、どこかで何かしらを買おう♡ 」

 

重ねてそんないい加減な独り言を呟きながら、まずは洲本啓二の事が先決だと、アクセルを踏む足に少し力を入れた……

 

 

 

 

 

「目的地周辺です… 」

 

そんなアナウンスを聞く前に、すでに「紡ぎの里」の看板は道の所々に見えていて、施設の外観も視界の中には既に入っている。佐賀市内とは言っても、少し外れの方にあって、周囲を見渡しても一面田畑が広がっている長閑な風景の中に、ポツンと建ってはいるのだが、職員も入所者も多い比較的大きな施設だった。

 

「ここか… 」

 

天気の良さも手伝ってか、制服姿の介護職員が入所者を散歩させる姿が目立つ。この中に洲本啓二がいるのか…そんな事を考えながら少し、離れた所からじっと様子を眺めていた。

 

ここまできて、また少し臆病風に吹かれたような気がしてしまう。職員に尋ねれば洲本啓二が勤務しているかどうかはすぐにハッキリするのだろうが、万一、「いない」という事になれば、たちまち調査も暗礁に乗り上げてしまう。そんな不安を抱えながら、施設の人々をじっと眺めていた。

 

(続く)

 

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弊社は情報を管理する会社である都合上、上記のお話だけに限らずブログ内、全ての「グダグダ小説」は全て「フィクション」です。実在する人物、団体は、私を含むスタッフ以外、すべて架空の物です。弊社で行われた調査とは一切関係ございませんのでご了承のうえお楽しみ戴ければ幸いです!それからお話の途中で設定が「おかしいな??」と、感じる部分があっても所詮「ド素人小説」なのでくれぐれも気になさらないように♡読んで頂く皆様の「想像力」が全てです( ´艸`)

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                        代表取締役   梅木 栄二