別れられない女(9) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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(貧乏探偵を脱出する為・・・皆様の温かい気持ちで当ブログは成り立っています・・・・

こちらも合わせてお願い致しますお願い・・・・・)







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「逆方向ときたか・・・・・」


私は一人呟く・・・。


対象者車輌は国道をそのまま突っ切って県道を今度は東の方向へ進んだ・・。


慎重に・・・・・慎重に・・・・・


私は間に常に1~2台の車輌を挟み込む様に注意を払い、尾行を続ける。


何のデータも無い、ゴールの見えない尾行調査は・・・まさしく神経戦である。


単に、前を走る対象者の車輌のみ注意を払えば良いだけでは無い。車輌、信号、周囲の状況、後に走っている車の状況・・・・・勿論、事故等起こしてしまえば・・・


全てが水泡に帰す。


決して大袈裟では無く・・・・体中の全神経を集中させる為、時には道路を飛び出す前の猫等、小動物にも気が付く事がある程である・・・。


アクセルを緩め・・・・対象者車輌が遠のくとアクセルを開き・・・その繰り返し。


気が付くと県道は片道2車線から1車線へと減少し・・・随分と車の数も減っていた・・・。


途中3台挟んでいた車も交差点毎に1台・・・・また1台と減っていき・・・


遂には私と対象者車輌の間を走る車も無くなってしまった・・・。


「ちょっとキツイな・・・・」


車間距離は大凡200m程空けてはいるものの間にいる車は皆無である。


対象者車輌は・・・・スピードを緩めてきた・・。


「くそっ・・・」


車間距離はどんどん縮まり・・・・・


あっと言う間に40~50m程まで接近する。


しかし・・・ここで私も速度を緩める事は「不自然」である。


私達は如何に「自然」に振舞えるか否かが「アマチュア」と「プロ」の境界線なのである。


私は・・・そのままの速度を維持し、対象者車輌に近づいた・・。


その後も対象者車輌は原則を続けた為、車間距離は10m程迄接近した・・・。


車輌NO迄も容易に読み取れる距離である・・・。


対象者車輌は時速30km程の不自然極まりない速度で進行し始めた・・・。


明らかに「後を走る車」を警戒しているのである。


「・・・・・・・・・」


私が困り果てていると・・・・


左前方に「○イレブン」の看板が見えてきた・・・。


「あそこに入るか・・・・」


一旦コンビ二へ車を入れ、時間を置こうと考えた。


しかし・・・・・次の瞬間、そのプランは脆くも崩れ去った・・・。


対象者車輌がその○イレブンに進入したのだ・・・。


「マジかい・・・・」


私は・・・・対象者車輌を追い越すと・・・


対象者車輌から見えなくなるまでそのまま何事も無かった様に東進した・・・。


ひとつの賭けである。


見えなくなるまで走り続ける事は・・・・ヘタするといきなり「失尾」に繋がる。


しかし・・・・もしも対象者が私の車の動きを注視してると仮定したら・・・・


目視出来る範囲で不自然な行動は出来ない。バレるのがオチである。


私はバックミラー越しに対象者の車輌が見えなくなったのを確認すると・・・


すぐさまUターンした・・・


私は・・・・車のコンソールボックスを開けると・・・ある特殊な機械を持ち出した。


「これを使うしかないな・・・・」


この機械がなんなのかは・・・・申し訳無いが調査の特性上表記出来ない・・・。


とりあえず・・・・・ここでは「猫の鈴」と呼ばせて頂く事にする。


私は、「猫の鈴」を対象者車輌に取り付け出来ないものか・・・尾行中ずっと思案していた。


事実上、対象者が現在使用している車輌はKさんの所有である。法律的に見ても問題は無い・・。


しかし・・・・勤務先では条件が悪すぎて・・・設置に至る事は出来なかった。


その後尾行を続けながら・・・・ずっとその機会を窺っていたのである。


「ここで何とか・・・」


これ以上の直接尾行は極めて困難でると判断した私は・・・・賭けに出るつもりであった。


コンビ二に到着した私は・・・


「わっ!」


と小さく驚いた・・・・


対象者は未だに車輌の中であった。


たまたま他にもコンビ二に立ち寄っている車があった為に、私の表情は対象者に読み取られる事は無かったものの・・・・


あからさまに対象者は・・・・ギラつく目つきで周囲を窺っていた・・。


「不味いな・・・」


私は・・・・対象者が既に入店していると踏んでいたのだが・・・そうは問屋が卸さない・・。


通常であればコンビ二の到着したら入店するのが普通である。しかし・・・対象者車輌に「猫の鈴」を設置したい渡しはそれが出来ない・・・


万一、入店したとしても・・・その隙に対象者に走り出されたら「OUT」である。


「困ったなこりゃ・・・・・」


私が悩んでいると・・・・・


対象者はコンビ二の中に入った・・・


「ラッキー♪」


しかし・・・・・Kさんから聞いてはいたが、対象者のデカイことデカイ事・・・・・


資料作成の際に聞いた


「身長192cm、体重95kg、ガッチリ型、坊主頭、」は伊達ではなかった・・・。


「ゴツい・・・・・・・」


等と考えている暇も無く・・・・・対象者が店内奥の弁当コーナーを見ている隙に・・・


「猫の鈴」を設置した・・・・。


その間僅か1分間・・・・


何とか設置に成功した!!


「よっしゃ!!」


私は意気揚々と・・・車に引き上げた。


(続く)