別れられない女(8) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

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現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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(貧乏探偵を脱出する為・・・皆様の温かい気持ちで当ブログは成り立っています・・・・

こちらも合わせてお願い致しますお願い・・・・・)







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「・・・・しょ~がないな・・・・」


変態空手家←(ちょっと気に入った顔のでこのお話はこれで行くコトにした)を呼び戻す事を諦めた私は・・・「一人」で尾行を開始する事にした・・・。


勤務先を出そうで出ない・・・・明らかにKさんの夫(対象者)は周囲を「警戒」していた・・・。


「予想以上だな・・・」


折角覚悟を決めて・・・・尾行に入るタイミングを窺っていたが、走り出さない対象者の行動にその「覚悟」も揺らぐ・・。


「早く気付けよ馬鹿野郎~・・・!!」


時間は現在19:25・・・変態空手家もこの時間にまさか対象者が動くとは思っていないらしい・・・


バックミラー越しに様子を窺うが・・・


相変わらず・・・


「な・・・・なんじゃ・・・汗?」


今度は・・・チンピラを地面に「正座」させ・・・説教に勤しんでいるではないか・・・はぁ・・・


何とか・・・・変態空手家を連れて行く事を諦める事には踏ん切りがついた・・・。


前を向き直した瞬間!


対象者は勤務先前の道路を北に向かって走り出した!


「よ~っしゃ・・・・」


私は・・・ギリギリ迄タイミングを見計らい・・・車を出した!!


瞬間!


「社長~・・・・・!!待ってぇ~・・・・!!」


私の発進に気がついた変態空手家が走って追い掛けてきた。・・・しかしもう間に合わない・・・


私は変態空手家をドラッグストアに置き去りにしたまま走り出した。


バックミラー越しに・・・・だんだん小さくなる「変態空手家」・・・・・


しかし・・・仕方が無かった・・・いや、考え様ではもしも私が行っていたら「失尾」に繋がった可能性すらあるのだ・・・。


「しょうがないか・・・」


私は目前の対象者に集中する事にした。


対象者は大きな国道へ抜け・・・その道をひたすら北へ進行した。


国道は帰宅ラッシュの終わり頃・・・通行する車も多い・・・。


信号で振り切られない様注意さえすれば私が気付かれる心配は無い。


国道に出て・・・対象者との間に2台の車が走っている。当分はこれに隠れる事が出来そうだ・・・


私は・・・常に先の信号に注意を払いながら・・・対象者を尾行し続ける。


渋滞こそないものの・・・国道は適度な間隔のもと、長いテールランプの列が繋がっていた。


やがて・・・対象者車輌は国道から1本小さな県道へと道を変えた・・。


先程間に入った車も・・今は無い。


さぁ・・・・どうするか・・・


かなり長い間隔・・・・対象者車輌が見えるか見えないか位の距離・・・


私は、神経をMAXに集中させ尾行に専念した。


「んっ??」


見ると対象者車輌は・・・県道脇に停車している。


「不味いな・・・・」


私は・・・対象者車輌を何事も無かった様に追い越す。


「う~ん・・・どうしよ!?」


見ると・・・左折出来る小さな道を見つけた。


「ここだ!!」


私は素早く左折すると車輌を停車し降りた。


見ると・・・対象者車輌はヘッドライトを点灯させたまま停車していた。


「どっち行くのかな・・・」


警戒は「予想以上」である。恐らくは・・・自分の後ろに走る車をやり過越しながら普段から帰宅しているのであろう・・・。


考えられる事は・・・・


ゴール(居住先)が近いか・・・これだけ警戒しているのであれば全く「別」方向か・・・


考えが纏まらない・・・


そんな時!携帯が鳴った。


「はい?」


「お疲れっす!!すんません!!」


変態空手家からの一報であった。


「しょうがね~よ・・・Y君行かなかったら多分俺行ってたもん・・・。」


「社長行かなくて良かったっすよ!だって社長行ってたらいきなりブン殴ったりするっすからね!!」


「・・・・・そんな事しね~し・・・おめ~のドロップキックよりはマシだよ・・・ショック


「なかなか良い角度で炸裂したっす!!」


「・・・・・・・・・・・」


「いやいや・・・そんな事より大丈夫っすか?」


「大丈夫じゃないよ・・・・対象者は相当警戒してるよ。今、県道に車止めて・・・何やってるかわかんない。」


「自分・・・・どうしましょうか??」


「そうだな・・・・とりあえずタクシー拾って事務所帰ってくれよ。Y君の車動ける状態になったら連絡くれ。」


「了解っす!」


「・・・・あ!ところで・・・・あのお兄さんどうなった??」


「ちゃ~んと・・・・説教して帰しましたよ・・。」


「そうかい・・・女の子大丈夫だった?」


「少し怪我はしてたけど・・大丈夫っす!!」


「そうかい・・・」


「あ!そうそう!!あの女の子・・・可愛いかったっすよ!!しかも御礼がしたいって電話番号聞いてきたし!!」


「なんじゃそりゃ・・・・」


彼の弾んだ声から・・・ピンクの匂いがした!!


そんなしょうもない会話を交わしているうちに・・・・対象者車輌はUターンして動き出した!!


「そんじゃY君頼むぞ!!」


携帯を切り私は慌てて車に戻った。


暫く戻ると・・・・対象者車輌は国道との交差点で停車している最中に間に合う事が出来た・・・。


「長い夜になりそうだな・・・・・」


・・・・・予想通り・・・・これからが「長い夜」だったのである。


(続く) ←(変態空手家も)