人格破壊(26) | ㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

㈱OTS探偵社・梅木栄二の「グダグダ」小説!

現役探偵・梅木 栄二(50代)の日々考えている事を事務所に帰った時まとめてみるつもりだったのが・・・。
いつしか勝手に小説化!へタレでド素人な小説読んでやって下さいぃ~。

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(皆様の温かい気持ちで当ブログは成り立っています・・・・

こちらも合わせてお願い致しますお願い・・・・・)




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長い事更新出来ずに申し訳ありませんでしたううっ...


その間にもペタやプチメを頂いた皆様に心から御礼申し上げます・・。


しばらくは「少し休んで更新して・・」の日々が続きそうですが、皆様の温かい言葉に励まされ・・・頑張っていきたいと思います。


どうぞ今後共宜しくお願い致しますm(__)m


                     梅木 栄二



【本編】



15:00を少しまわった所で・・・・事務所にT氏が訪れた・・・。


「こんにちは・・・お久しぶりですね。お元気でしたか?」


「はぁ・・・」


元気な筈もないT氏に対して空気の違う質問をする私・・・今回ばかりは・・・


明らかに私も「動揺」していた・・・。


「コーヒーを入れます。少しお待ち下さいね・・・。」


「はぁ・・・いいですよ・・・梅木さん・・・」


「まぁ・・そうおっしゃらずに。せっかくいらしたんですから・・・。」


私はそう告げると・・・T氏の気持ちには関係無く言葉を遮りコーヒーの準備にかかった。


「梅木さん!」


「は・・・はい?」


私は突然のT氏の言葉に裏返ったような・・・奇妙な返事で答える・・・。


「結果・・・出たんでしょ・・・」


「・・・・・・・・」


・・・・・・関係無いケド・・・・この場を逃げ出したY君に少し「イラッ」とする・・・。


メーカーで落とす二人分のコーヒーを作る時間等・・・たかが知れている・・。


私はカップに注いだ2人分のコーヒーを盆に乗せると覚悟を決めてT氏と同じテーブルに着いた。


「お待たせしました・・・。」


「はぁ・・・」


「ま、どぞ・・・。」


「・・・・・・・」


T氏は用意されたコーヒーにミルクのみを入れ・・・・自分を落ち着かせる様にひと口・・・口に含んだ・・・。


「・・・・Tさんの予測通り・・・結果は出ました・・・。」


「・・・・・やっぱり・・・」


「残念としか言い様がありませんが・・・・」


「ところで梅木さん!」


「はい?」


「相手は何人ですか?」


「は?」


・・・・・T氏は相手男性が「複数」である事を知っていた・・・一瞬であるが、自分で自分の顔色が変わった事に気付くほど私は驚いた!!


「・・・・今の所・・・・・3人です・・・・」


「・・・・・・・・・・・」


長い沈黙が・・・・とは言っても一瞬なのだろうが、私にはそれ程長い時間に感じられる・・・。


T氏の顔色はみる見るうちに・・・紅潮していった・・・・。


T氏は声を搾り出す様に私に告げる・・・・。


「梅木さん・・・」


「・・・・・・・」


「私はどうしたら・・・いいでしょうか・・・?」


「・・・・そうですね・・・今は兎に角、調査の推移を見守って頂くしか方法がありません・・・。」


「・・・・・・・」


「今、Tさんも帰宅されて奥様と顔を合わせたら・・・我慢出来ないでしょう。」


「・・・・・・・」


「逆にお伺いします・・・。全てでは無いかも知れませんが・・・今後結果の出た奥様に対してTさんはどの様に対応なさりたいですか・・・。」


T氏はまるで「地獄」から湧き上がるかの様な声で・・・・


「・・・・妻も・・・・・男も・・・・許しません・・・」


「お怒りは分かります・・・・であるならば今を我慢出来ますか?」


「・・・・・・・・・・」


「Tさんが本当にお怒りなのであれば調査が終了するまでは・・・絶対我慢して下さい。でないと・・・」


「・・・・・・なんですか?」


「勿論、単に不貞行為云々の問題のみであれば今からでも行動を起こせます・・・しかし・・」


「・・・・・・・・・」


「あくまで憶測の域を出ませんが・・・もし、他にも男性がいらした場合・・・いや・・・あくまで仮定の話ですよ・・・」


私は言葉を選ぶ。


「もしも今調査に於いて見落としがあったら・・・・根本的な解決にはならないでしょう・・・。」


「・・・・・・・・」


「Tさんは今、許せないとはおっしゃいましたが・・別れるとはおっしゃらなかったですよね。私の個人的な意見ですが・・・・全てを明らかにしたうえでやり直す事も選択肢の一つに挙げられるのであれば、今は辛いでしょうが我慢して下さい・・・。」


T氏は・・・・・コーヒーをまたひと口含んで、言葉を発した・・・。


「梅木さん・・・。」


「はい?」


「あと1週間・・・・調査を延長します・・・その位の期間で全てが判明するでしょうか?」


「・・・・・・・正直何とも言えません・・・。」


「とりあえずあと1週間・・・・出来る限り証拠を挙げて下さい・・・。」


そう言うと・・・T氏はいきなり立ち上がった・・・・


「え!?どこへ??」


「トイレお借りします・・・。」


T氏はふらふらとした足取りでトイレ・・・・ではなく出入口のドアを開けた・・・・


「Tさん!そっちはトイレじゃないですよ!!」


と言った声が先か後か・・・・


放心状態に陥ったT氏はビルの2階階段から足を滑らせ・・・・10段余ほどの階段を転げ落ちた・・・。


「ちょ・・・ちょっと!!Tさん!!!大丈夫ですか!!!~」


私は慌ててT氏の元に駆け寄った!!


「痛・・・つつ・・・・」


受身を取ったT氏の掌はひどく出血していた・・・・おまけに顔も大きな瘤が出来ている・・・。


何よりも・・・・トイレを我慢していたのか・・・・その場で失禁していた・・・・・・ゲゲッ


「ちょ・・・・マジで大丈夫ですか・・・救急車呼びましょうか!!」


「・・・・・い・・・・いえ・・・は・・・・はぁ・・・でも・・・大丈夫・・・多分・・・です・・・」


可哀想な話であるが・・・T氏は全身を強打し、我に還った様子であった・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



私は事務所に戻ると・・・ありったけの濡れティッシュを持参しT氏に渡した・・・・。T氏は小さく「スミマセン」と告げるとそのティッシュを使い股間から足元へと濡れたズボンを拭いた・・・。


再度事務所に上がり・・・・私は自身の着替えであるジャージズボンをT氏に貸す事にする。


事務所内でジャージズボンに履き替えたT氏は・・・作業服上、白Yシャツ、ネクタイ。・・・そしてジャージの下と・・・・見るも無残な格好になっていた・・・。


「申し訳ありませんが・・・無いよりはマシだと思って我慢して下さいね・・・。」


「はぁ・・・」


「しかし・・・・本当にビックリしましたよ・・・。」


「・・・・・・・・・」


「わかりました。気を引き締めて1週間調査を延長させて頂きます。大金をお預かりする事なので・・・・懸命に頑張ります・・」


T氏は・・・・顔をクシャクシャにし、涙を流す・・・。


「どうか・・・・私も・・・今日は・・・・今日はこのまま職場に戻って・・・我慢・・・我慢します・・・ですから・・・・・出来るだけの証拠を・・・ううっ・・・・う~・・・」


「ええ。お約束します・・・。」


「Tさん・・・・この様な問題は・・・常に(忍耐)が求められるんです・・。でも耐えれば耐えただけきっと良い事ありますから・・・」


「ううう・・・・うえ~ん・・うえ~ん」


時として涙は・・・最善のストレス解消になりうる事がある・・・。今日は仕方無いと思い、私も暫くその空間にお付き合いさせて頂く事にした・・・・。


そんな折、私の携帯が鳴った・・・。


「はい。梅木です。」


「お疲れっす!Yっす!!」


「ああ、お疲れ様。どした?」


「社長、今すぐ現場来れますか?」


私はY氏の方を見る・・・。Y氏は既に帰り支度に入っていた・・・・。


「ああ・・・多分大丈夫」


「・・・・それが・・・・また出たっすよ!」


「何が?」


「何がって・・・・男に決まってるじゃないっすか!!」


「はぁ・・・・・??」


(続く)