【手のリハビリの専門家による】親指の「スマホ指」症状と予防法 | OTPLUS*a |作業療法士・アロマセラピストのブログ|
今朝のTVニュースを何気なく観ていますと
【スマホ指】にご注意!という特集。
中国でも【メールサム(親指)】といって
問題になっているのだとか。
いつもお読みいただき
どうもありがとうございます。
作業療法士・アロマセラピストsueです。
手の疾患・障害に対する
リハビリテーションの専門家による
【スマホ指】の中でも特に
【親指】のスマホ指の原因や症状
予防法についてまとめてみました。
もちろん、このブログらしく
アロマテラピーにも触れたいと思います。
◯スマホを長時間操作する方
◯手をよく使う仕事をしている方
このような手のかたちを作ってみましょう
親指(母指)をぐっと握って
手首を小指側へ曲げます
▶︎▶︎親指の付け根や手首が痛い
スマホ親指に要注意!
親指の「スマホ指」ってなに?
医学的には狭窄性腱鞘炎のひとつで
いわゆる「ばね指」と同じ仲間です。
親指(母指)の背側(手の甲側)に走る
長母指伸筋腱や短母指伸筋腱の
腱鞘炎を【ドケルバン病】といいます。
親指のスマホ指はドケルバン病のことです。
ちなみにドケルバン(De Quervain)は
外科医の名前なのですが
このように俗称がついている
病名や骨折名などには
広く社会的に馴染み深いもの
=罹患率が高いものが数多くあります。
例えば、女性に多い手首の骨折
橈骨遠位端骨折は【コーレス骨折】
多くの人が一生のうちに一度は悩まされる
肩関節周囲炎は【五十肩】
という名称の方がよく耳にすると思います。
ドケルバン病から【スマホ親指】へ
時代を反映していますよね。
ハンドセラピストの立場からいうと
(=手の外科の作業療法)
世相や生活習慣の変化に合わせて
呼び名を変えながらクローズアップされ
その疾病について幅広く知られたり
結果的に「予防」につながることは
非常に大切なことだと思います。
「スマホ親指」原因と症状
スマホ親指の症状は
親指を伸ばしたり広げたりする
筋肉(腱)❶❷と腱鞘(腱の通り道)❸
の間で起こる炎症が原因で生じる
親指の付け根〜手首の痛みです。
腫れや熱感を伴うこともあります。
❶長母指伸筋腱=親指の第1関節を伸ばす
❷短母指伸筋腱=親指の第2関節を伸ばす
❸腱鞘=腱の通り道
指を動かすために筋肉を働かせると
腱鞘というトンネル状の鞘の中を腱が
行ったり来たりしています。
腱のスライディング(滑走)といいます。
腱鞘の中は滑液で満たされていて
摩擦が少なく滑りやすくなっています。
ところが指の使いすぎにより
腱鞘の中で摩擦が繰り返されると
腱が摩耗し炎症を起こすようになるのです。
冒頭の画像のように
スマホを操作する時の親指の動きは
まさに長母指伸筋や短母指伸筋を
酷使するものです。
特に女性が右手で操作する場合
画面左側に親指をリーチする際に
最も負担が大きくなります。
その他には美容師のハサミの操作や
フライパンを振る動きなどが
この腱鞘炎の原因になりやすい動作の
代表選手といわれています。
腱鞘の中の滑液が減ってしまったり
余計な物質が沈着することも
腱鞘の中で摩擦を大きくする原因です。
❶ホルモンバランスの変化
❷糖尿病や膠原病などの内科疾患
❸加齢
実際に私が関わった患者さんも
出産後や更年期の女性や
糖尿病の合併症としての腱鞘炎の方が
非常に多かった印象があります。
予防法〜上手なつき合い方〜
腱鞘炎にならないようにするには
「手を酷使しないようにしましょう」
言うのは簡単ですが、現実的にには
AさんとBさんの「手の使いすぎ」は
決して同じではないことが問題なのです。
ましてやホルモンバランスの変化や
加齢現象は自分の力ではどうにも
防ぎようのないこともあります。
そこで大切なのが、上手くつき合うこと
症状が出たらひどくしないことです。
症状の出かたや痛みの度合いによって
対処法が異なります。
1.その動作をする時に時折痛むことがある
2.その動作をする度に痛む
3.安静にしていても痛む
【1〜2の場合は】
❶サポーター
(手首から親指の第2関節までを
保護するタイプのもの)
適度な固定性と保温効果によって
痛みの軽減につながります。
❷アイシング
急激に痛みが出現した場合や
熱を持っているような痛みの場合は
氷水や保冷剤で冷やすのが効果的です。
❸温浴
慢性的な痛みや入浴後は調子がいい
という場合はむしろ温めたほうが
痛みが軽減されることがあります。
腱鞘内の循環が促進されて
腱の滑りがよくなるためです。
サポーターにも保温効果があります。
❹手の使い方
スマホをなるべく両手で操作することや
手を休める時間を作ることが大切です
食べ物に直接触れたり
1日に何度も手を洗ったりすることから
昼間はなかなかシップ剤や塗薬
サポーターも使いにくいのが
「手の疾患」の難しいところです。
1日たくさん動かした手は「夜間」に
1週間酷使した手は「週末」に
しっかり休めることが大切です。
休めてあげる時はシップ剤や塗薬
サポーターや装具を使用して
徹底的に腱に負担をかけないように
するとよいでしょう。
【3.の場合は】
2~3日間、手をなるべく使わずに
シップ剤や塗薬を使用しても
痛みが軽減されない場合は
整形外科を受診した方がいいケースです。
治療法
➊シップ剤や消炎鎮痛剤の内服
❷腱鞘内注射
❸装具療法(スプリント)・リハビリ
サポーターよりも固定性の高い装具が
痛みの軽減に有効な場合があります。
ちなみにこちらは私が作製した装具です。
頸~肩を含めて上肢全体のストレッチング
などの運動も腱鞘内の循環を促進し
腱の動きをスムーズにする効果があります。
アロマテラピーでセルフケア
❶ホルモンバランスを整える精油
スマホ指のような腱鞘炎の発症には
ホルモンバランスが影響していると
いわれています。
❷手浴や温罨法による保温効果
加温効果やうっ滞除去に優れた精油を
選ぶとよいでしょう。
❸前腕~手指のセルフトリートメント
これらを補完的に取り入れることで
相乗効果が得られると思いますよ。

