GSX-S750について振り返るつもりでしたが、少し前に少々気になる新聞記事を見つけたのでちょっと寄り道します。
2024年5月17日付の西日本新聞の22面に 「バイク死亡事故の裏側」
という短い記事が掲載されていました。
バイクの事故は程度の差はあれ毎日のようにメディアを通じて見聞きします。多くの場合、どこで、何と何が衝突して、バイクに乗っていた誰それが重症(あるいは死亡)、のようなアウトラインが速報されるだけで、「ああ、右直事故か。」、「ああ、出会い頭か。」と痛ましく思うだけなのですがこの記事の事例は珍しく状況が詳述されていたことと、事故現場が福岡県朝倉市の小石原川ダムの堤体上の道路で起きたとあったので気になった次第です。
福岡のバイク乗りならご存知のように、小石原川ダムふれあい公園(交通公園)のほど近くです。
事故が起きたのはゴールデンウィーク中の2024年4月30日。現場は上述の通り小石原川ダムの堤体上の道路、友人たちとバイクでツーリングに来ていた久留米市の会社員男性(20歳)が走行中に転倒、死亡したという事例です。ヘルメットは被っていなかったとのこと。
また、ダムを管轄する独立行政法人水資源機構の小石原川ダム管理事務所は、
・ダム周辺でバイクによる暴走行為が多い。
・大型連休中は人でも多く無謀な運転による人身事故のリスクが高い。
ことなどを懸念していた矢先の事故との由。
小石原川ダム管理所の方がAEDを持って現場に駆けつけた際にはもはや手の施しようがない状況だったようです。
化学業界に身を置き、日々多量の危険物や毒劇物を扱っていることから仕事上では安全最優先を徹底しています。安全を担保するのに欠かせないのが”KY”です。KYとは「危険予知」のアルファベット読みの頭文字です。(「空気読め」 ではありません…。)
読んで字のごとくですが、取り扱う物質や作業内容を精査してそこに潜む危険を摘出して適切に対策を取ったうえでことに臨む、これが危険予知 = KYです。
仕事のみならず、バイクを運転するにあたっても最も大切なのは速く走ることではなく安全に走ることであると常々思っています。
故にこのようなバイク事故のニュースを見聞きするたびに心が痛みます。上記の小石原川の事例も含めてちょっと想像力を働かせて危険予知していれば防ぐことができたのではないだろうか、と思える事例は多々あります。小石原の件の場合、亡くなった方を罵る気持ちは毛頭ないものの、そもそもヘルメットを被っていないって、どういうこと??と思わずにはいられません。
私の場合、「バイクに乗る = 練習会に行く」がほとんどですが、それでも年に1~2回ほどはツーリングにお誘いいただくことがあります。
ツーリングに行くと大抵、カーブが連続するようなワインディングで(私の感覚からすると)途方もないペースで飛ばしているSS(スーパースポーツ)の一団によく出くわします。私は安全意識が高いライダーとしかツーリングにはいかないので我々のグループはそのような一団が後ろから来た時点で「はいはい、どうぞお先に。」と早々に脇に避けて道を譲るのですが、このようなツーリング先で出くわすSS小僧どもも「危険予知ができてないなあ…」と思う一例です。
ブラインドカーブの先の路面がどうなっているかは当たり前ですが手前からはわかりません(ゆえにブラインドカーブというわけですが)。カーブの先の路面に折れた木の枝が横たわっていたら?先日の雨で斜面から流れてきた土砂が堆積していたら?不幸にも車にはねられた動物の亡骸が横たわっていたら?メカニカルトラブルの車両が停まっていたら?対向車線のクルマがオーバランしてきたら?と考えると自然にそれなりの速度での侵入になるはず。これが危険予知です。
登り坂でも同様ですね。登りきった先の下り路面の状況は見えないわけなので。
このあたり前のことに目をつぶって、見えない先の危険をも顧みずに猛スピードで突っ込んでいって得られるものってなんだろう??と不思議でなりません。スリルなのか、上手い・カッコいいという称賛なのか(まあ、上手くもカッコよくもないのですが)。
いずれにしても一つしかない命を賭けてやることでも、誰かを巻き添えにする危険を敢えて冒してでもやるようなことでもないはずです。
と、小難しく考えるまでもなく公道ですから。読んで字の如く、公の道、みんなの道です。危険な走行が許される余地は微塵もありません。
別方面の話題ですが、「危険予知が足りないな…」と思うことがありました。2023年の10月頃、宮若市交通公園に練習に行った際に見慣れない張り紙を目にしました。
要するに「利用者のマナーが悪いですよ。」ということです。
かつては不良の乗り物だったバイク。今でもそのような目で見ている方は多いと思います。これを読んだときに、「見かねた近隣住民の方が宮若市に苦情を寄せたに違いない。マナーを守らない利用者が後をたたない場合、最悪ここが閉鎖される事態もあり得るな。」と思いました。
危険予知ですね。
ところが、今年(2024年)の6月に張り紙が増えていました。
これはいよいよマズイかも、と思いました。前年10月頃の張り紙を見てもなんとも思わずルール違反、マナー違反を繰り返している輩が少なくないということですから。
宮若市交通公園は多少手狭とはいえ、希少なバイク専用の練習場所です。私もそうですが、ここが閉鎖されると困るバイク乗りは多いはずです。
そして、得てしてこういう場合に困るのはルールをしっかり守っている側だったりするのです。
ごく一部の(と信じたい)想像力を欠いた輩のせいで多くの善良なライダーの貴重な練習場所が使えなくなる事態だけは勘弁してもらいたいです。本当に。
小石原川の交通公園も似たりよったりで、ジムカーナを練習する一団が場所いっぱいにコースを作って、締め出された初心者が練習できないような事態がままあるという話を耳にします。
(ジム屋さんが場所を専有して困る、という話は宮若の方も同様ですが。)
モトジムカーナという競技に私は偏見は一切持っておらず、一定のレギュレーションの中でタイムを競うというのはバイクの楽しみ方のひとつとして大いに結構じゃないか、と思っています。知り合いのジム屋さんも皆いい方ばかりです。なのに、速く走りたい!大会で良い成績を残したい!が嵩じると周りやルールが見えなくなって場所を専有したりというルール逸脱に至ってしまう。
場所専有がイザコザに発展することも多く、所管する自治体に苦情が寄せられることも少なくないようです。
宮若市にしても朝倉市(小石原川)にしても、自治体にとって面倒事をさばいてまで練習場を維持管理して運営していく直接のメリットがそれほど多いとは思えません。これほどイザコザが絶えないのなら面倒だからいっそのこと閉鎖してしまえ、となったとしても不思議ではないと思います。
が、残念ながらそのような危険予知ができない方々が少なくないようです。
怪我をする・しないという観点、練習場所が今後も維持されるかどうかという観点、いずれにおいても私がKY(危険予知)とともに大切だと思っているのが”ABC”のスタンスです。
ABCとは、Always be careful. 即ち、「常に注意深くあれ!」です。
KYとか、ABCとか今回はアルファベット連発ですが、いずれにせよ少々想像力をはたらかせることでバイクライフは安全、快適なものになっていくはずです。
というわけで、ご唱和ください。
「ABCで行こう、ヨシ!」























